時短術

異動してから仕事がなかなか終わらない日々が続いている。業務中に隙間時間を作れなくなってきているのが一番の理由だろう。毎日帰りが遅い日が続くと、妻と娘の関係が悪くなっていき、私がそれに対して物申して私と妻の関係、私と娘の関係が悪くなるという悪循環に陥ることがあった。そのため、できるだけ早く帰りたいと思ってはいるものの、未だにこれを実現できないでいる。どうしたものかと潜在的に思いつつ解決策が見えないさなか、鬼・時短術というサムネイルの動画が目に入った。電通で業務改善を行い、全体の残業時間を6割カットしたという著者の話である。迫力のある話し方をする著書の話はタイトルを超えるほどの学びがあるか不安になったが、見終えて思ったのはなるほどというところである。結論からいうと、これだけは時短するなというものであった。それは何かというと、多くの人から賛同を得るということである。腰を低くして様々な人から賛同を得る行為を削ってはいけないということである。その理由は、日本社会は村社会だからであるという。会社の仕組みは村社会そのものであるという。アメリカのように、自分の考えを積極的に伝えていく、論破していくことは日本の会社にはそぐわないというのである。年功序列な会社と年功序列でない会社を例に挙げて話をしていたのだが、どうもまだ私の中で腹落ちできていない部分がある。年功序列な社会は、部下からなぜあの人が上にいるのかというようなことはほとんど起きないが、年功序列でない実力主義社会ではそのようなクレームが起きる可能性が高いというのである。つまりは、無駄な抗議が多いのが実力主義の会社であり、無駄な抗議が少ないのが年功序列の村社会の会社であるということである。どちらがより機能するかといえば、やはり後者だろう。基本的にはトップダウンで物事が進んでいく、江戸幕府のようなスタイルが日本企業のあるべき姿のだろうと思う。そう考えると、私は自分の立ち位置を正確に把握しなおさなければならない。立ち居振る舞いも見直さなければならない。自分のあるべき身分でお上に対して振舞う。これが最も効果的に会社の中で自分の役割を全うする方法なのかもしれない。これまでに考えたこともないことを授けてくれたこの著書の話に感謝である。そう思うと、気が楽になってきた。よしっこれから会社に参ろう。

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