海の生き物を育てる

日曜日に海で獲ってきた魚たちを水槽で育て始めた。これまでにない経験である。昨年も一昨年も海で獲ったものは返すか、そのままにしてしまっていたが、今年は娘が飼いたいというので急いで海の生き物の育て方を調べて水槽を用意した。最初に見たのがさかなクンのYoutube番組である。とあるプロデューサーが海の魚を育てたいということで、店で魚を購入し、巨大な水槽で環境の作り方を紹介していた。まずは通常の水槽と同じように水を張り、その後、カルキ抜きを入れて純粋?にする。ここからが海の生き物専用の工程となる。人口の海の塩なるものを4Lの水に対して142g投入する。本当は比重計というもので水と塩の比重?を確認するそうなのだが、近所のホームセンターでこれらを揃えたところ、比重計は1つ2500円程したので諦めた。あまりに高い買い物なので、メルカリで安いものを手に入れることにした。店の方の話では、水と塩の量を間違えなければ比重計はなくても大丈夫という話をされていたので、塩を入れる際にきっちりとg数を測って入れた。この辺りは妻のお家芸なので、私が塩を入れようとした際に、すっと秤を用意してくれた。さすが元栄養士である。水に塩を投入した後は、コーラルサンゴというものをバケツで洗い、ある程度綺麗になったところで水槽の底にしいた。コーラルサンゴにはプランクトンがいるとのことで、これを餌としている魚や貝たちはこれだけで救われるだろう。環境ができたところで、獲ってきた魚たちを水槽へと移していく。その前に、石や鉢など、生き物たちがストレスを感じないように隠れ家をいくつか設置する。人間と同じで周りから隠れて過ごしたい生き物がほとんどなので、これが重要となるようである。我が家には4Lサイズの小さな水槽しかないので、ウニ6匹とナマコ3匹、カニ1匹、巻貝1匹、ニナ貝2匹、ハゼ2匹も入れると、大混雑だる。ここにフィルターや水温調節器も入れるので、密度でいったら、一匹当たりのスペースは3cm×3cm×3cmあればいい方だろう。あまりに狭いのと、カニが可愛いハゼちゃんを攻撃したり、溺れてしまったりしてはこまるので、カニだけ別の水槽で飼うことにした。これで準備万端である。生き物のいない我が家に生き物のいる生活が始まった。全く愛着のなかった海の生き物たちだったが、水槽で飼うことでいつしか可愛い子ども達のような存在になってきている。朝起きたらまず確認したり、仕事をしながらも生き物たちが元気か考えてしまう。特にこれがいいというわけではなく、それぞれが狭い世界で仲良く暮らしているのが愛らしいからだろうか。とにかく海の生き物たちへの愛情がやまないのである。今もこうやって日記を書きながら、水槽を見に行きたい衝動に駆られる。そういえば、朝からカニの姿が見当たらず、プラスチックの壁をよじ登り脱走したのではないかという話で妻と心配になっている。我が家のアイドルのカニはどこへ行ってしまったのか。玄関ドアをあけたらカニがいて踏んじゃったみたいなことがないように、朝仕事に行く前に家の周りを確認してから出発しようと思う。

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