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良寛さんのお話し(五井先生より)


五井昌久著「宗教問答」より抜粋

問20. まかせる、ということでは、人間世界に進歩がないではないか、と青年層の人々に、常に質問されますが、この点についてお教え下さい。



五井先生の回答
まかせる、とか、お任せという言葉は、何もしないで、ぶらぶらしていて神様におまかせしてある、などということではありません。
この言葉は、自然法爾(じねんほうに)ということと一つでありまして、今までの宗教の教では、なかなか出来難いのであります。このまかせる、という心境は自分のものを、人にまかせる、というような浅薄なものではなく、神からきている生命なのだから、神様のご自由にお使い下さいという意味のおまかせになるのであります。

イエスのように十字架にかかるようなことがあっても、じたばたしない程の心になることが、お任せなのであります。たとえ、どのような自己に不都合に見える事態が起ころうとも、不平も不満もなく、感謝の出来る心境、これが、真実のおまかせの心境なのであります。あなたに質問なさる青年たちは、もちろんこんなに深いことを考えて、あなたに質問したわけではないと思いますが、真のおまかせとは、このように絶体絶命の境地に、常にいることなのであります。

良寛和尚などは、このお任せに徹していた人のようでありまして、ある時、一人の船頭が良寛の心を試みようとしたのか、船から良寛を突き落したのであります。すると良寛は、落されたそのまま、手足をばたつかせもせず、ふわりふわり水の上を流れてゆくではありませんか、その様子に、帰って落した船頭の方があわてて、水から救い上げて、平詫まりに詫まったそうでしたが、良寛は、自分が落されたことを知っていながら、にこにこしつつ、船頭に心からお礼を云った、という話があるのです。
 
私はこの話を思いだす度に、良寛の偉さに敬服するのですが、これ程にお任せに徹していれば、何ものにも恐れず、何事にもあわてることがあるまい、と思うのです。

落されることも仏のおぼしめし、救い上げられたことも仏のおぼしめし、落された恨みはないが、救い上げてくれた仏の代理の船頭さんには、いくら感謝しても感謝しきれないものが、この時の良寛にあったことなのでしょう。
落される因縁があって、落されて死ぬのも仏のおぼしめし、と思えば、落とした船頭に恨みのあろうわけがない、ということを、その時わざわざ思うのではなく、常日頃からそうしたおまかせの心境にあった良寛であればこそ、救い上げられて、無邪気に礼が云えたものなのでしょう。偉いものです。

ところが、普通の一般人が、こんな真似はとても出来っこありません。ですから、私はおまかせとは、天命を信じて人事を尽すこと、という風に説いているのであります。人事を尽くさないでのおまかせなどは、普通の人のおまかせにはなりません。神仏の実在を信じ、神仏から自分に与えられた天命を信じた上で、その天命を神仏におまかせして、自己の置かれた立場で、真剣な努力を払う、というのが普通一般の人に出来る、おまかせ、であろうと私は思っております。

私なども、こうした立場になる迄は、何か自分に天命があるに違いない、と思いながら、置かれた立場々々で懸命に、その仕事に従事していたのでありますが、ただ、他の同輩たちと違ったことは、常に、神に対して"どのような仕事でも結構です。神様のお仕事に私をお使い下さい”と念じつづけていたことでした。そうしましたら、私の著書「天と地とつなぐ者」にも書いてありますように”おまえのいのちは貰った覚悟はよいか”というような天の声が心内で鳴りひびいて、私が即座に"宜しうございます”と答えたので、それから、様々な守護神霊団の練磨にあって、大変な修業をさせられたのであります。そして、今日の私が出来上がったのであります。

しかし、この修業が、とても大変なものであったので、私は、私の後からくる者たちに、このような苦労はさせたくないと思い、なるべく苦労少く、本心の開発が出来るようにと念願して、今日のような、守護霊、守護神の教、消えてゆく姿の教えを説いているのであります。

自分の心の中に、自己批判の想いが強すぎると、自分で自分を苦しめ過ぎますので、すべてを、消えてゆく姿として、守護の神霊への感謝に想いを変えてゆくことを教えているわけであります。そして一歩進んでは、世界平和の祈りをすすめているのであります。真実は、世界平和の祈りの中から、あなた方の運命も世界の運命も、すべての運命が展けてゆくのであって、この祈りが、神へのお任せの祈りでもあるのです。
この祈りをするところに、神霊の光明が白光燦然と輝く、ということは、会員の人々の実証しているところなのです。



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