見出し画像

声優・渕上舞さんの作詞曲、「ショートケーキの苺は、あなたにあげる。」



本稿は、上記の「ショートケーキの苺は、あなたにあげる。」の歌詞に対する考察、そのメモといたします。

考察動機として、何となくあまり話題にならない曲でありつつも、なぜか聞くと気を引くような、何か心に留まるような、そんな思いにさせるイメージが本曲にあり、それについて歌詞の観点から考察してみようとするものになります。
ただし、本稿ではあくまでメモとし、考察の結論はつけないものとします。

まず、以下、この曲と歌詞に対する疑問点をあげます。
①「今すぐここから連れ出してほしい」
「あなたはどこからやってきたの?」というのが、いったい誰のことを述べているのか。

②「ショートケーキの苺はあなたにあげる」「昔の記憶は何処かに埋めた」
これって連動している?

参考文献?として以下、リスアニの渕上舞さんへのインタビューでの本曲紹介があります。
基本的にはこの曲は「もう人生嫌だな~もう死んじゃおっかな~でもやっぱ明日も生きてみようかな~でもやっぱ死んじゃおうかな~やっぱ生きるかな~だからショートケーキの苺はあなたに託すよ」という、そんな感じ。
そういえば私もそんな時期があった気がする。



①の疑問については、なんとなく、状況に嫌気がさして、おそらく本曲中には自分以外に誰かがいて、その誰かに対して問いかけている状況。その誰かに連れ出してもらうよう助けを求めて、かつ「あなたはどこからやってきたの?どう生きてきたの?」と、その人を人生のお手本にして自分の状況を解決しようとさせているのではないかと見えます。

その一つが、インタビューの中で「水樹奈々」さんって具体的に名前が出ていますけど、でもご存知の通り渕上舞さんは「奈々ちゃんにはなれない」って言ってるわけです。
「道標」になってほしいけど、そんなわけない、だまされていたって。そう落胆してしまう状況。
多分自分は今どうにもならない状況なのでしょうか。だから迷子にもなってぐるぐる回る。

さて、そんな状況で、悩んでも仕方ないと思ったのか、とりあえず生きてみようっていうなんとなくそういう気になったのか、「ショートケーキの苺はあなたにあげる」をしてみたわけです。心臓はあなたにゆだねる。あなたにゆだねてやってみようとする。
「昔の記憶」ってなんだろうとここで思うわけです。
「自分のプライド」なのか、「自分の生き方のこだわり」なのか、道標という存在に自分をだましていたことなのか。
いろいろと解釈ができそうで、またその解釈で変わっていきそうな。
なんとなくですが、曲の雰囲気からみても「どーでもいいや~」という感じ。

でもそんな「ど~でもいいや~でも生きるか~」という感じ、そういえば渕上舞さんの色んな曲でそんな感じが見えるような。
ふと「厭世観」という言葉が浮かびます。

この世の中では幸福満足を得られず、積極的な価値は認めがたいとする人生観。また、そのような人生観に基づく哲学上の立場。厭世主義。ペシミズム。⇔楽天観

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8E%AD%E4%B8%96%E8%A6%B3/

物事の成り行きを悪い方向にばかり考えやすい傾向。悲観主義。

https://dictionary.goo.ne.jp/word/%E5%8E%AD%E4%B8%96%E8%A6%B3/

なんか、わかるなあ…
なんというか、「Love Summer!」にしても「A crow」にしてもその他の曲にしても、渕上舞さんの楽曲にはいくつか、「厭世観」というのが見えてきますね。
渕上舞さんの楽曲って、「無理しない・背伸びしない」、「世の中を渕上舞さんの視点で斧のように重く鋭く斬る」ようなものがみられるわけです(「星空」「BLACK CAT」etc)。
そういう意味ではもう一つ、渕上舞さん楽曲にあるテーマ性が「厭世観」だったりするのかなあと。

もちろん、若い人には夢にあふれてエネルギッシュに動くことがやっぱり生き物としても大事であって、「夢にくじけても負けない!あきらめない!」っていう生き方だと思うんですけど、そんな風に思えない人だっているわけです。
もちろん渕上舞さん自身も実のところ、言わないだけで「やるぞ!」ってなったら何も言わずに「無言実行」してそうなところがあるわけですが…

ただそれはそれとして、渕上舞さんは基本的に「責任感が強く、頑張らなくても何事に対しても100%でやりたいと思っている」。でも、それができないことへのプレッシャーが強くて、そこでいつもメンタルが弱ってしまう。疲れてしまう。疲れた…もうやだ…生きていたくない。
だからこそ「厭世観」というテーマが出てくるのだろうなあと感じてしまいます。
でも、そういう生き方、感性をしている人って個人的にはすごく信頼できるというか、義理堅いというか、安心感があります。
無責任ではない。

責任感が強いからこそ、いい加減にできなくて、死にたくなってしまうんだよな…と感じる次第です。
考察メモなので本日はこれくらいで。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?