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「雨」を題材にした声優さん(斉藤壮馬さん、渕上舞さん)の作詞曲

最初にぼやきをさせてほしい。

歌詞考察ってあまり深堀できないなと思う。

いつも私の歌詞考察は浅いところで終わってしまう。

何故であろうか、それは本人の心など実際には読めないため。下手すると本人の心に土足で踏み入ることになる。

ハマーン「よくもずけずけと人の心の中に入る。恥を知れ、俗物!」

という『機動戦士Zガンダム』で、登場人物ハマーンのセリフがある。

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ニュータイプである主人公のカミーユくんですらこう言われるのだ、オールドタイプである我々はもっと人の心を覗くことはできないだろう。

更に言えば、今週の渕上舞さんの文化放送超A&Gのラジオにて、ご本人の歌詞に関するコーナーがあった。その際、渕上さんは「渕上舞作詞の歌詞は深堀しないほうがいい」と仰った。

そんなもんなのである。

https://agonp.jp/programs/view/103

そのラジオは水曜日まで聞ける(2021年1月20日午前中まで)。


さて、本題に入ろうと思います。

「ペトリコール」「いさな」「レミニセンス」

斉藤壮馬くんの曲のタイトルです。雨が話題になっています。このうち2曲を選んで、今回は「雨」について考察していこうと思います。

途中、渕上舞さんについても挟むのでそこはご了承ください。


「ペトリコール」


https://www.uta-net.com/song/295815/

まず曲感としてどんな曲か、甘い感じの前奏が流れ、ふわっとした印象を受ける。

そして、壮馬くん本人の歌い方も、ささやくような甘い感じの雰囲気なのです。全体的に「甘い感じ」の、でもちょっと切なさも感じるような、やっぱ「雨」って切なくなるけどその切なさがまた甘いんだよねって気になる。

ちなみにタイトルの「ペトリコール」とは雨が降った際に、地面から上がってくる匂いを指す。つまり、壮馬くんの中で雨から上がってくる匂いとはそういうイメージなのです。

そして歌詞の中ではレインコートやあじさいという単語が出てくる中で、寄り道をしていく。気まま気ままに足を運ばせるのか、本来の意志とは違うところに向かってしまうのか、「鳥」のように寄り添うというシーン。

後半には「踊らせて」というフレーズもあります。雨あがりの地面から上がってくる匂いは、少し狂わせるような、楽しくさせるような、そんなちょっとしたウキウキ感でもあるのでしょうか。


「君と雨に歌うソネット」

こちらは渕上舞さんの曲です。タイトルから察するに、非常に対比させやすいと思った曲なのですが、一つ問題がある。

ご本人作詞じゃなくて結城アイラさん作詞だこれ

うーん、どうしようと思いましたが、渕上さんの意向を汲んで作詞しているところはあるので、少し考えてみようと思います。

https://www.uta-net.com/song/242865/

この曲も全体的に甘い、でもどちらかというと少し晴れやかな雰囲気も感じる。斉藤壮馬さんの「ペトリコール」にしても、曲調としては激しいという感じではないのです。

そして、気になるフレーズがあるとしたら、「もう少し止まないでいて」とあること。流れを説明すれば、お出かけの予定はなくなってしまったけど、おそらく家の中で過ごして「君」と話しをするこの時間が非常に楽しく、なんならもっと雨が止まずにずっとこの時間を過ごしていたいということでしょう。

「ペトリコール」でも同様に読み取れるフレーズがあります。

「晴れはまだこなくていいから どうかこのまま躍らせて」というところです。これを見るに、雨を題材に甘い感じの雰囲気を醸し出す曲調は、おそらく「雨を楽しんでいる、なんならもっとこのままでいてほしい」という、そういう雨の日の楽しさを感じさせるものになるのでしょう。


「レミニセンス」

こちらの曲はYoutubeなどがありませんね。気になる方はiTunesなどでお聞きになってください。歌詞はこちら。

https://www.uta-net.com/song/250739/

この曲はこの曲で、激しい、というよりむしろ悲壮も感じさせるような曲調。「雨粒が俺の頬を濡らしていた」という前半の歌詞。

そして、満たされないような思いを感じ取れる「この雨で満たしてよ ねえ」という歌詞。加えて読み取れるのは、悔しさあふれる思いということでしょうか。

私が男だからなのか、同じ男だから共感してしまうのか。この曲は、二つ背景が読み取れ、一つは何か自分の進退などについて切羽つまった状況にあるということ。そしてもう一つは、やはり恋路の問題なのかと思うところなのです。もしかすると、女の子と何かあったのかもしれない。

その切なさを背景にしているのではないかと思います。というか、多分私がそうなんだろうなあと思う。男性の場合、恋でピンチに陥った時って、確かに雨がイメージされるんだよなあ、と。

でも私は斉藤壮馬さんではないので、そこは断言は致しません。何か夢破れた背景がある曲かもしれない。


「ハラ・ヒラ・フワリ」

また、渕上舞さんの楽曲で申し訳ないのですが、こちらは「レミニセンス」と対比させたい曲。

https://www.uta-net.com/song/284948/

ああ、よかった。これは舞さん本人の作詞だ…

曲調は聞いていただければわかるように、穏やか、と思うのだが、歌詞は結構凄惨なものです。

ちなみに、こちらも雨が背景にあると思われるのは、歌詞に「予想通り雨上がり」とあることで、とはいえこれ、もしかしたら涙のことを雨上がりと喩えている可能性もあります。

どちらせにせよ、水分的なものを背景にしていることは間違いないです。季節的には、春真っ盛りも過ぎてきた、花びら散っていく。

そして、何よりこれは失恋の歌。出会いの春って言われる時期、それが1か月も過ぎぬうちに失恋とはなんたることかと思われますが、渕上さんらしい。「『さようなら』の言葉なんて軽いもんです もう忘れました」「『愛してる』の言葉なんて安いもんです もう聞き飽きました」というフレーズは忘れません。男としては非常に「ウッ…」と刺さる。別にそんな軽いことを今までしてきたわけではありませんが(女性からこういうことをされるイメージはあまりないです。強いて言うなら簡単に『さようなら』って言う、ちょっとアレな女性はいますでしょうか)

「レミニセンス」と対比させたいのは、「雨(涙)」を背景にして、「諦め」な雰囲気を醸し出していることです。

男性がやれば、激しく、直情的で真っすぐな曲、歌詞になる。

女性がやれば、穏やかに、しかし歪んだひねくれたような、歌詞になっています。特に、女性の方は納得しているようで納得していない、むしろ天邪鬼だ。「ハラ・ヒラ・フワリ」では結局傷ついてそれで終わっています。

一方、「レミニセンス」は最後の方は、腹くくって「はれるや」で締めるように、次に向かう決心ができている。

これって、こういう状況における男と女の対比なのではないかと思ってしまいます。



まとめ

書いているうちに、渕上さんの雨の曲と対比させて共通点見出したくなったからやりました。

こうやって対比させると、関係ない曲同士のように見えて、題材や背景が共通しているとどこかで「ああ、この人とこの人は雨に対するイメージがこの部分で同じなんだな」と思ってしまいます。

そういうところを、粗いですが探っていくのが面白いと感じます。

今回見えたのは、「雨」ならば甘くて楽しいパターンと、悲壮感あふれさせた場合の男と女の場合、が読み取れましたね。

次回は、壮馬さんの「酒」について考えたいですね。

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