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心が育つ 愛着形成の大切さ

子どもの心の発達に大切なのは愛着の形成です。

愛着とは、子どもが特定の他者に対して持つ情愛的な絆であると言われています。


1.乳児期の愛着形成は心の発達の礎となる

乳児期は、身近にいる特定の大人と愛着形成ができていく事で情緒的な安定が図れれるとともに、身体面の著しい発達が見られる時期です。

特定の人との安心できる関わりが出来ているからこそ、自分の思いを伝えたり、人の話を聞く意欲が生まれ、コミュニケーション能力の基礎となる時期でもあります。

つまり、この時期に愛着関係を育むことで心の発達の礎となります。

乳時期に重要なのは「信頼感」と「自己肯定感」です。子ども自身がこの2つを感じることが何より心を育てていきます。身近な人を好きと思えるようになり、自分は周りから愛されていることを実感する。そして自分自身を好きと思えるようになっていきます。

自己肯定感を高く保てている状態であれば、自分ひとりでは上手くいかない事があっても「自分なら出来るようになる」というように前向きに考えられるようになります。


2.愛着を育む関わり方

愛着を形成していく上でのポイントは、不安な気持ちを当たり前に受け止め、不安を安心に変えてあげることです

子どもには新しい事が毎日のように訪れます。大人でも初めての事に不安やストレスを感じない方はほとんどいないでしょう。さらに子どもは言葉で上手く伝える事が難しいため、想像以上に不安やストレスを感じています。

よくあるのは、その気持ちを「泣く」という手段で一生懸命伝えようとしてくれること。その時には、大人の気持ちを押し付けずにありのままを受け止めてあげる事が大切です。

泣きたいときには気が済むまで泣かせてあげたり、スキンシップを多めにとって愛情を伝えてあげる事を意識して行いましょう。

そうすることで、情緒は安定し安心感が生まれます。


3.「抱っこ」はし過ぎない方がいいの?

よく「抱き癖がつく」という事が言われます。

ですが、「抱っこ」はスキンシップを図るとても大切な事であり、子どもに安心感を与えてくれる素敵な手段です。

乳児期は特に沢山抱っこをして、肌で愛情を伝えてあげて欲しいと思います。大切なことは考え方であり、甘やかすために抱っこをするのではなく、子どもが甘えたいと感じる時にしっかりと受け止めてあげるという目的で行うことです。

特に、保育園に通う子供たちは少ない時間でもお母さんやお父さんに甘えたいという想いを持つ事も多いでしょう。「抱っこ」を必要としている時は、気が済むまで抱っこしてあげて何の問題もありません。むしろ良い事だと思います。


4.愛着形成に問題を抱えてしまうと

愛着形成に問題を抱えてしまう状態は、愛着障害や愛着形成不全と言われます。

なんらかの形で愛着形成が上手くいかず、信頼関係や身近な人からの愛情を感じられずに大きくなってしまうと、対人関係や社会生活に問題を抱えやすくなると言われています。

心の土台となる愛着形成がおろそかになると、自己肯定感を高く保てず自立心や自尊心が低くなりやすく心身の健康にも影響を及ぼす可能性もあります。

子どものその後をつくる根幹となる乳児期ですので、子どもの気持ちを受け止め愛情をしっかり伝え愛着関係を育てていきましょう。


5.保育の場でも愛着形成は重要なこと

保育の現場でも愛着形成は重要な事項として捉えています。

例えば、園で行っている保育士を担当制にするということ。担当保育士が身近な存在となり、担当する子どもに日々寄り添うことで信頼関係を築いていきます。信頼関係が構築されている担当保育士は基本的に卒園まで一緒に寄り添うことを理想としています。変わらず居てくれる存在が子どもと信頼関係を築いていきます。

また、集団保育ではなく1人ひとりの気持ちに寄り添って遊びや環境を整えるということも大切にしています。気持ちを受け止め、安心できる愛着関係があるからこそ、子ども達が自分自身で遊びや想いを実現していける事につながっていきます。


愛着形成には「信頼感」と「自己肯定感」。

難しい言葉に想えますが、子どもの気持ちを受け止め、認め、愛情を伝えることで育っていきます。


記事を読んでいただきありがとうございました。



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