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短編小説

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短編小説、鳥

短編小説、鳥

チチチチチチッ・・・

最初はうるさいと思った

いつからか聞こえてくる声

けれど男はいつの間にか、それがないのをなんとなく、つまらない、と思うようになった

時々聞こえていた声が、ある日ふっと聞こえなくなり

最初は静かになったと思った

一階のリビングの掃き出し窓の向こうに物干し台と三輪車、草が生えた庭に一本のオリーブの木があって、そこにいるのか、それともブロック塀のどこかにとまっているのか

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