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#トキ体験 を創る 2021.12.15

#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験を構成する要素として、

・時間
・空間
・一体感
・距離感
・安心感
・平等感
・組織の人格
・個人の人格
・所属欲求
・自己超越欲求

について考察してきました。今回は、トキ体験を「時間」という言葉の定義やその意味を改めて考えます。

「時」と「間」

「時」とは、連続的に流れていくもの、という意味をもっています。

過去から現在、現在から未来へと、一方的また連続的に流れていくと考えられているもの。物事の変化・運動によって認識される。時間。

「間」とは、ある一定の「範囲」を差す、という意味をもっています。

二つのものに挟まれた部分や範囲。ものとものとを隔てる空間、または時間。間隔。 ある範囲の一続きの時間

時間という「時」と「間」で構成される言葉には、

過去・現在・未来への流れ
ある区切られた一定の範囲

という意味が内包されています。これこそ、まさに「トキ体験」そのものではないでしょうか。「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」を言い換えれば、

【時】過去・現在・未来へ「一方向」の流れの
【間】ある「区切られた空間・時間」を楽しむ

ということが言えます。「時間」というありふれた言葉は、実は含蓄に富んでいたのです。自(自分)と他(他人)という概念で言えば、

【時】自分の人生の時間(一方向の自分軸、主観)
【間】他人と共にする時間(他人の時間軸、客観)

であるとも言うことができます。つまり「トキ体験」を創るということは、

「個」の時間軸と
「他」の時間軸の
交わる機会を創る

という体験提供のあり方、概念を表すことができるのではないでしょうか。「個」と「他」が同じ時間・空間を共にしたとしてもそれが「交わっている」と双方が感じられない体験であれば、トキ体験とは言えません。

トキ体験の計測

この含蓄に富んだ「時間」の共有機会であるトキ体験は、概念的(ともすれば哲学的)・定性的であり、マーケティング活動における定量的な「計測」は可能なのでしょうか。まず結論から言うと「可能である」と考えています。その手法として挙げられる指標に、顧客ロイヤリティ計測に用いられるNPS(ネット・プロモーター・スコア)があります。

NPSの調査方法
「0~10点で表すとして、この企業(あるいは、この製品、サービス、ブランド)を親しい友人や同僚に薦める可能性はどのくらいありますか?」という質問に対する答えを基に、点数(推奨度)によって、顧客を「3つのグループ」に分類する

多くは企業ブランディングや顧客ロイヤリティ向上のマーケティング活動において用いられるNPSですが、社内外の評価・計測に応用する例も見られます。

・社内の人事評価の基準に、NPSを設定することができる。
・顧客ではなく、会社で働く従業員に対し労務環境について、従業員NPS(employee Net Promoter Score)を取ることで、より働きやすい環境を整備することができる。
・SNSを利用したキャンペーンの効果測定にも利用されている。

このためトキ体験の計測においても事後の参加者(被体験者)アンケートで、

・コンテンツの内容
・ワーク(共同作業)
・会場(オフライン)
・映像(オンライン)
・音声(オンライン)
・インタラクション

等について、高評価・低評価につながった項目の検証は重要であると言えます。理由として、NPSでは高評価をつける前提として「誰かにすすめる」という負担が生じるからです。

②ストレスのかかる行動を聞いている
“親しい人にすすめる”という行為は、その人との関係性に少なからず影響を及ぼすため、同じ将来の行動を聞くにしても、「また買いますか」のように自分だけで完結してしまう行動を聞くよりもストレスが強い。そのため、NPSで9〜10点の回答をした顧客は、実際に親しい人にすすめる可能性も高くなると考えられる。

もしそのトキ体験が「誰かにすすめたくなる」ものであったとすれば、その人づたいに広がっていくという可能性も高くなるといえるからです。

このような参加者(被体験者)側のフィードバックに基づく検証をしないまま、主催・運営者側の考えだけに基づき(多くは古くからの慣習、型、やり方を”踏襲”して)イベント・セミナー等を単に「実行」するだけでは集客・参加率の向上は見込めず、提供する体験価値が低いものを「量産」するだけに留まるでしょう。必要なことは単なる「実行」ではなく「試行(錯誤)」の連続なのです。

今やオンラインのセミナー・イベントは「あたりまえ」になりました。主催・運営者側がこの中で「結果」を出していくには、概念としての「トキ体験提供」の実践だけでなく、検証のための「データ」を取り試行錯誤のサイクルを回していくことが求められています。

「時間」を創る人たち のトークイベント

オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?

について、12/28 20:00〜「オンラインイベント」を行います。

【トークイベント】コミュニティ放送部#7 (2021/12/28 20:00〜)

「時間」の未来を一緒に考えましょう!

おわり

(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.16)

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