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#トキ体験 を創る 2021.12.30

#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験を構成する要素を様々な側面から考察してきました。

・時間
・空間
・一体感
・距離感
・安心感
・平等感
・組織の人格
・個人の人格
・所属欲求
・自己超越欲求
・時間という言葉
・雑踏と潜在意識
・TPO
・感動体験
・体験のCtoC
・コストとトキ体験
・パッシブなトキ体験
・エンゲージメント
・非同期コミュニティ
・心理的機能と体験設計
・プロセスとトキ体験
・オーナーレス社会とトキ体験
・CX(顧客体験/経験価値)とトキ体験
・非金銭的報酬とトキ体験

トキ体験の連続考察noteはマガジン化していますので、ご参照ください。

今回は「共感とトキ体験」について考察します。

「共感」とは

普段よく使われる、当たり前の言葉だからこそ改めて調べてみることで新たな発見が多いと考えています。今回のテーマである「共感」について、いくつかの記事を参照してみました。

そのなかで、グロービス経営大学院の「共感力が高い人とは?ビジネスで共感が強みになる理由と高めていく方法」という記事が印象に残りました。

「共感力がある人の特徴」

周囲の人への関心が強い
・日ごろから周囲の人への関心が強く、よく観察をしている
・相手の言葉の意味をそのまま捉えるだけでなく「なぜこのような考えに至ったんだろう?」「どのような状況や心理状態だったんだろう?」と考えながら聞いている
相手の話にじっくりと耳を傾ける
・相手の伝えたいことを最後まで集中してしっかりと聴く
楽しいことも辛いことも含め、様々な経験をしている
・自分自身の過去の様々な経験に照らして、相手の心情を推察する
・共感力がある人は楽しい経験だけでなく、辛い経験やそれを乗り越えてきた経験をたくさんしてきた人も少なくない。経験の「引き出し」が多い分、相手の状況と似ている自分の経験を重ね合わせやすくなるため、相手の心情をリアルに想像しやすくなる

印象に残ったのは、社内外の(対人)コミュニケーションにおける「エンゲージメント」強化の観点で解説されていたことが理由です。

・同僚やクライアントとの信頼関係の構築
リーダーシップ能力の向上
顧客/ユーザー理解の促進

このなかで「リーダーシップ能力の向上」部分では更に「VUCA時代のリーダーシップとは?必要なスキルと意識したいこと」という同大学院の記事にもリンクされていました。

「VUCA(ブーカ)」とは、現代のような「将来の予測が困難な状況」を示す造語で、

Volatility(ボラティリティ:変動性)
Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)
Complexity(コムプレクシティ:複雑性)
Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)

の頭文字を並べたものです。

トキ体験の被験者(体験者)に置き換えてみれば、

Volatility(ボラティリティ:変動性)
被験者(体験者)の「価値観」は多様化している。
様々な生活様式や考え方を受け入れる社会になってきている。

Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)
被験者(体験者)の「気持ち」も不確実である。
タイミングによって「気持ち」も変化する。

Complexity(コムプレクシティ:複雑性)
被験者(体験者)の状況も「複雑性」を増している。
相手の状況に応じた「対応力」が求められる。

Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)
被験者(体験者)の「気持ち」も「状況」も曖昧である。
様々な価値観があるのなかで「一様な対応」はできない。

と言うことができます。

ダイナミック・マーケティングの時代

このように今後のVUCAな時代においては、過去のマーケティングにおける常套手段であった「ペルソナ」を想定したマーケティングは、早晩適用できなくなる可能性が高いと考えています。つまり、

【静的】「一様・画一的」なマーケティング

から、被験者(体験者)それぞれの「個」の価値観、興味、行動・生活様式などに応じた、その時々(瞬間)に対応できる

【動的】「個別対応力」のマーケティング

が求められる時代になってきていると言えるのではないでしょうか。インターネットの普及とYouTubeに代表される一般人・プロの「ノウハウ」の無料による伝播が加速する社会では、

平準化→高度化の流れが加速

します。誰もが簡単に無料で「プロ」になれてしまう。このような社会では、その「ペルソナ」自体の知識・生活・ニーズのレベルが高度化するため、従来のような「モノ」「コト」を主体としたマーケティングでは到底対応ができません。

トキ体験時代には、それに応じた
「ダイナミック・マーケティング」
(=動的対応力マーケティング)

が必要です。

VUCAで説明した「曖昧」な時代には、被験者の体験から導かれた結果という「ファクト」ベースの動的な対応力が、マーケティングに求められています。

おわり

(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.31)



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