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#トキ体験 を創る 2021.12.22

#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験を構成する要素を様々な側面から考察してきました。

・時間
・空間
・一体感
・距離感
・安心感
・平等感
・組織の人格
・個人の人格
・所属欲求
・自己超越欲求
・時間という言葉
・雑踏と潜在意識
・TPO
・感動体験
・体験のCtoC
・コストとトキ体験

トキ体験の連続考察noteはマガジン化していますので、ご参照ください。

今回は自らの「パッシブなトキ体験」について、考察します。

アクティブとパッシブ

「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しむ体験」を支える、その場の提供者(イベントやセミナー、レストラン、ホテル、旅行などのサービス提供者)による様々な「サービス」には、以下の2つの側面があると考えています。

・アクティブ(積極的)トキ体験
コンテンツとしての映像・音響
積極的な声がけ・会話・接客
デザイン性の高い空間・家具

一方、そのアクティブな体験を引き立てるためのもの、例えば

・パッシブ(受動的)トキ体験
BGMとしての映像・音響
声がけの自粛・最小限の接客
素朴な材質の空間・家具

なども、実は「主役」である(トキ体験の)被体験者を支える要素にもなり得ます。

後から気づいたパッシブ体験

先日、ある地元の経営者の方と今後の展望についてお話をする貴重な場をもちました。お互い多忙で、前回お会いした時から一ヶ月以上が経過していました。生まれ育った地ではない場所での起業で新たに培った人的なネットワークはとても貴重で、お会いしている間の一瞬一瞬を大切にしたいという気持ちで臨んだ「経営者会議」でした。

その「地元の先輩」に選んで頂いたお店へは、約30分ほど歩いていきました。近くはありませんでしたが、あえてそうしたのです。自分にとっては、その貴重な「トキ」を一歩一歩踏みしめ、思いを噛み締めて向かったのです。

とても深く、個人的な信頼関係が無いとできないような大切な話をしました。経営者、という自らリスクを背負って生きている人間には頼れる相手がいません。自分を信じ、何があってもその結果に責任を持たなければなりません。そんな「仲間」同士の会話は、過去にないほど生産的・発展的なものとなりました。

その良きトキ体験を胸に、次の日を迎えしばらく経ったとき。また頭のなかで「稲妻」が走りました。

料理やドリンクが運ばれてきたとき
会話が一切途切れることがなかった

そう、

「お話中失礼します」
「おまたせしました」
「〇〇(料理名)です」

などを言われた記憶、つまり会話が中断した記憶が無いのです。このトキ体験の正体は何だったのか。それに気づいたときに身震いがしました。そのお店は、

貴重な場の真剣な話を割らず「立て」てくれた

ということに気が付きました。様々な飲食店での経験をしてきましたが、いくら「失礼します」と言われたところで話は中断します。しかしそこでは、

途切れなく続く「トキの流れ」を感じ支えてくれた

ことに大きな驚きを覚えました。特に、後から気づいたから更に印象が強くなりました。なかなか時間が取れない二人が、真剣な話をする場はとても貴重です。「お話中失礼します」「おまたせしました」で中断する「流れ」は良く働く場合もありますが、多くは「腰を折る」ことにつながります。

このように、相手に感動を与える体験とは何も積極的な働きかけや表現を行うだけではなく時には受動的な対応によっても導けることを身をもって理解しました。その場、その時に応じた臨機応変な対応と、やはりここでも

相手の目線で考える

という「原理原則」を思い知らされた、トキ体験でした。

空間も良い(ハード)
食事も良い(ハード)
飲物も良い(ハード)
 +
相手の目線(ソフト)

ハードは誰でも用意できますが、相手目線のソフト提供はマニュアル化してできるものではなく、意識を組織全体で共有し行っていく必要があります。

イベント運営者にとっても参加者の体験を考慮した企画・設計はとても重要です。単に「やるだけ」イベント(セミナー)になっていないか、今一度、検証と顧客ヒアリングを実施することが望ましいでしょう。

イベンターによる「ゆく年くる年」

オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?

について、12/28 20:00〜「オンラインイベント」を行います

【トークイベント】コミュニティ放送部#7 (2021/12/28 20:00〜)

コミュニティのオンラインイベントが多く開催される中で「コミュニティの枠を超えて」イベントノウハウを共有しているコミュニティです

イベントの「くる年」を一緒に考えましょう!

おわり

(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.23)

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