#トキ体験 を創る 2021.12.06
#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験の構成要素としての「時間」について、3回にわたり考察してきました。
「時間」とくれば「空間」といえるほど、またアインシュタインの名言のように「時空」は密接な関係にあります。
「熱いストーブの上に一分間手をのせてごらん。まるで一時間ぐらいに感じられるでしょう?ところがかわいい女の子と一緒に一時間座っていても一分間ぐらいにしか感じられない。それが相対性というものです。」
今回は、トキ体験の構成要素としての「空間」について考察します。
空間の影響
平成30年2月21日開催の「第2回 働き方改革を支える今後の不動産のあり方検討会」において、東京大学大学院 工学系研究科建築学専攻 松田 雄二 准教授は「室空間環境とレイアウトが創造活動に与える影響について」という資料を発表しました。
この資料では「従来型に比べ、コミュニケーションやコラボレーションを促進するための新たなオフィス環境は、知的な創造活動にどのような影響を与えているのだろうか?」の問いに対する実験結果として、
・室空間の印象評価と「ブレインストーミングのしやすさ/しにくさ」には室空間環境と家具レイアウトが組み合わさり、影響を与えていることが確認できた
・執務空間設計への応用を考えた場合、「活気」「形式性」「自由度」など、どの要素を重要視するのかによって、環境設計と家具選択を変える必要があると考えられる
という結論が述べられています。
またグループウェアの東証1部上場企業「サイボウズ」社も東京オフィスでの見学ツアー行い、採用やブランディングなどに活用しています。
このページにはツアー体験者の意見として、
・「働きたくなる会社」を体感できました。
・モノ(オフィスデザイン)が基準ではなく、ヒトが基準になっていることが判りました。
・コミュニケーションを増やすための工夫。それを、自然に出来るような工夫がある。
などが掲載されています。このことから、人がトキを過ごす「体験」には「空間」が密接に関わっていることがわかります。
創造の空間
言うまでもなく企業の源泉は、人です。そして起業(スタートアップ)の源泉も、人です。スタートアップ(ベンチャー)企業では、採用や従業員の満足度のためオフィス空間を重要視する傾向にあります。
会場で行う集合性のイベント(セミナー)も、このような空間を用いることが多くありました。まさに企業の「顔」となるオフィスです。創造の場としての空間は、どのような企業にとっても重要であることは言うまでもありません。
空間とトキ体験
では「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」に応えるトキ体験に空間はどう関わっているのでしょうか。その場が盛り上がっていれば、どんな空間でも良いのでしょうか。調べていくうちに「集客率アップ!展示会を成功へ導くブースデザインとは?」というサイトにたどりつきました。そこには、言われてみればあたり前でありながらトキ体験の実現につながるヒントがありました。それは「五感」の刺激についてです。
来場者の五感を刺激
近くで見てみたい、触ってみたい、いい匂いがする、映像やBGMがかっこいいなど、来場者の五感に響く空間づくりを心がけましょう。たとえば、ブース装飾にアロマを用いるなども効果的です
リアル(現実)の空間では、五感を刺激することは可能です。しかしオンラインでは、
(1)視覚
(2)聴覚
(3)触覚
(4)味覚
(5)嗅覚
のうち「視覚」と「聴覚」以外は欠落していることになります。もっと言えば、視覚情報も奥行きがないため「2D」平面的になってしまいます。このどう頑張っても勝てない大きな「ハンデ」があるなか、オンラインベント・セミナーで
・単調な資料(視覚)
・単調な読み上げ(聴覚)
・単調な企画(開催が目的化)
を行えば、視聴者の心理にどう影響するのかは自明の理です。現在の視聴者の(オンラインイベント・セミナーに対する)期待値が低下している状態のなかで、更に情報量が欠落したものを提供する主催者側の「姿勢」が問われています。
・単調な資料(視覚)
→文字の大きさ・フォント・デザイン等を工夫
→イラストや動画を用いて共感を生む
・単調な読み上げ(聴覚)
→抑揚や一文を短くする等の工夫
→あの、その、えー等を回避する意識
・単調な企画(開催が目的化)
→過去の方法論にとらわれない
→顧客接点を増やす施策の実施
など「視聴者の快適性」と高頻度な顧客接点の創出を行うという観点を持ち、(1)視覚(2)聴覚だけでありながらも
オンラインという「空間」でのトキ体験を生み出す
という「姿勢」を持って企画、運営することが重要になります。
トキの「体験設計」
アインシュタインの言葉のように、人は
「快適だ」と思うときあっと言う間の時間が過ぎる
のです。「その時・その場でしか味わえない盛り上がり」を生み出すための要素は、オフライン(リアル)であれオンラインであれ、「場」つまり
空間設計
が必要になる、といえます。それはまさに、
体験設計
でもあります。トキを体験としてとらえ「設計」する、という発想が必要です。
#つながりを創る人 の集い
オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?
について、年末に「オンラインイベント」を行います。
#つながりを創る人 が集い、未来を語るイベントです。
ご一緒にトキを「体験」しませんか?
おわり
(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.07 )
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