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One 〜オンラインでセカイ(World)がひとつになった話〜

re:Union

2020年4月18日(土)に開催された「Backlog World 2020 re:Union」のオンライン配信で、セカイがOne=ひとつになった話です。

Backlog World 2020 re:Union <データ>
・配信時間 5時間42分52秒
・参加登録 約600人
・同時視聴 約400人
・動画視聴 2,000回(公開24時間後)
・ツイート 2,500以上

このイベントは、もともと2月末に予定されていた大規模カンファレンスでした。しかし未曾有の危機が訪れ、リアルでの開催はやむなく中止となりました。それでも運営メンバーの方々が何度も議論を重ね「今できることを」の掛け声のもと、オンラインでの「再」開催を決定したのです。それは再「開」であり、再「会」でもありました。サブタイトルの「One re:Union」はここから来ています。もう一度、ひとつになろうと。

2/29 に予定していた Backlog World 2020 は苦渋の決断で中止しました。その後1ヶ月。中止に伴うクロージング対応が落ち着き、オンライン開催という形で復活しました。運営メンバーで何度も話し合い、今最大限にできることをベースに開催形式を決めました。登壇者の方にもご協力をいただき開催したいと思います。中止の悔しさ、なんとか開催したい思いを結集し「Backlog World 2020 re:Union」としてJBUG仲間と共に挑戦していきます。4/18のオンライン開催、楽しみにしていただければと思います。

引用(JBUGのconnpassサイト)
https://jbug.connpass.com/event/171485/

そしてライブ配信代行を行っていた我々 #天神放送局 のもとに、依頼が舞い込んできました。もちろん「Yes」の即答でした。熱量の高いコミュニティの大規模カンファレンスのオンライン配信を受け持つわけです。当然ながら大仕事だと身構えてしまうほどでしたが、同時にその使命感に身震いもしました。

「One re:Union」

このサブタイトルに、どれほど魂を揺さぶられたことか。これを我々がやらなくて、誰がやるとまで思いました。それは、オンラインのライブ配信に対する人々の根強い不安を払底するための、我々 #天神放送局 の全身全霊を捧げた舞台でもありました。

オンラインへの不安

それまで、オンラインは「主」ではありませんでした。どんなイベントもオフライン(リアル)が主体で、オンラインはあくまでサブ=「副」でした。実際、自分が今まで深く関わってきた人にオンライン配信をいくら勧めても、多くの人が自分ゴトとしては扱ってくれませんでした。

・熱気はオフラインで感じるもの
・イベントは場に来れた人のもの
・登壇で相手の反応がわからない

そして、新規のコミュニティを作ろうとあるオーガナイザーと話を詰めていた時も「初回の開催がオンライン」には相手からの抵抗を受けました。

・新しい出会いはリアルでが基本
・人となりは対面で判断するもの

という「正論」「基本」「常識」に対し、いくらライブ配信の魅力を訴えても無理な話でした。それだけ人は対面で出会い、新しい縁と関係性を紡いできたのですから。

しかし自分には、確固たる信念がありました。ユーザーコミュニティ活動でゴールデンウィーク期間に全国各地をまわった2019年、日本全国の自然と人々の営みや優しさに触れ本当に感動しました。連休中にもかかわらず、全国で200名の方に参加いただきました。これからもコミュニティで「全国をひとつにしよう」と深く心に誓いました。そしてこの全国行脚のあと、Zoomを使って同じコミュニティ名で「オンライン」版を初開催したところ大きな反響がありました。

・○○(県名)の○○です!GW以来ですね!
・大会議室に仲間を集め上司も参加しています!
・勉強会参加のハードルが高いので助かります!

このとき、日本全国の同じ興味や目的意識をもった人々が仮想空間でつながり、心が「ひとつ」になったと身を持って体感していました。しかしここまでは、あくまで自分が全国各地に出向いて人をつないでいくという旧来の「常識」に基づいたものでした。

そして、世界を揺るがす緊急事態がおき
目に見えない恐怖と未来への不安が到来


それでも人には急に考えを変えることは、難しいことでした。調べてみると人の脳の構造は、危険に対して過敏に反応しないようにできていることを知りました。全部のリスクに過剰に反応すると生活ができなくなるからです。だからこの未曾有の危機で次第に人の意識が高まってきてもなお、

オンラインは今だけの急場対策

という言葉がありました。まだ「主」ではありませんでした。予定されていた勉強会、カンファレンス、Meetupなどのイベントが次々と中止されました。なかには自分で会場費などのコスト負担をした例までありました。自分も先述の新規コミュニティ立ち上げのために購入した航空券・ホテル代のキャンセル料を払いました。

コミュニティ活動に深く関わってライフワークとしてきた自分にとってこれは他人事ではなく、心が痛みました。オーガナイザーとは、自分の持てる熱量を、持てる時間を思い切り注ぎ込み、毎回毎回、その「舞台」に賭けている人々です。多くのオーガナイザーが、SNS上で「悔し涙を流している」と心情を吐露していました。だからこそ、オンラインのライブ配信で困り果てているオーガナイザーを助けたいと強く思い続けたのです。そして、いよいよリハーサルの日々が訪れました。

準備で全ては決まる

リハーサルは、かなり入念に複数回かつ長時間にわたり行いました。オーガナイザーの方々は、配信担当の我々を含めたリハーサル以外でも準備に多くの時間を費やしていたそうです。その熱量に、我々も応えなければならないと、またもここで身震いがしました。開催後にコアメンバーの方が発した、

開催まで毎日がリハーサルだった

という言葉には本当に重みがあります。最高のイベントにするために、それがたとえオンラインであっても熱量の伝播が起きるように、みんながこころをひとつにして何度も準備を重ねました。寝ても覚めてしまうほど、このオンラインイベントを成功させようという気持ちが日に日に強くなっていきました。今回は大規模オフラインイベントのオンライン版ですが、

・司会進行役が複数人存在
・登壇者が多い(従って長い)
・LT時間が短い(かつ連続)

などの要素を考慮しスムーズに進行するため、

・「控室」Zoom
・「本番」Zoom

の2つを用いてライブ配信を行いました。控室には、

・総合指揮(画面の切替指示を含む)
・登壇者の管理(控室への呼び込み)
・タイムキープ(持ち時間到達ベル)

などの専任者が常時、詰めていました。この万全の準備と組織体制、各自の熱意がこのイベントを成功させたことは間違いありません。

フィードバック

オーガナイザーの方々との入念な準備のおかげで、本番開始後すぐにツイートでオンライン配信に対するお褒めの言葉を沢山いただきました。オフライン(リアル)ではこういった運営側へのフィードバックを実際の会話でいただく機会はなかなか無い(思っていても口には出しにくい)ので、励みになりました。改めてオンライン配信とツイッターの相性の良さを感じました。

イベント終了時も、非常に沢山のフィードバックを頂きました。全国で最後まで観ていてくれた方が多かったので、ほんとうに胸が熱くなりました。オンライン開催だからこそ参加できた、というお声も頂きました。

One World

文字通り、セカイがひとつになりました。リアルの「場」ではなかったけれども、同じ目的を持つ人々が空間を超えて、ひとつになりました。ここではあえて「日本」がひとつになった、とは言いません。「世界」でもありません。「セカイ」なのです。オンラインではもう物理的な空間の「差」はないからです。#天神放送局 では結成当時から

ライブ配信で機会格差をなくす

をミッションに掲げて、様々なコンテンツを配信してきました。もちろん、オフラインを否定したいわけではありません。でも、今はそれを懐かしむことはできても、実現させることはできません。だからオンラインの価値を少しでも知ってほしいと思います。人は慣れたら、今までの不安は消えるのですから。

・地理の差
・時間の差
・健康状態の差
・家庭環境の差
・知識の差
・能力の差
・興味の差
・立場の差
・年齢の差
・外見の差
・性差

人は目を持ち、それで区別や差別をしてしまいます。立場や能力で、上下をつけてしまいます。生まれながらにして、ハンデがあって機会に恵まれない人もいます。「場」は同じ価値の共有ができるとともに「そうでない人」をふるい落としてしまうこともあります。オンライン配信で、様々な「差」をなくすことができるのであれば我々がぜひ役に立ちたいと思います。

みんなでセカイをアップデートした日、それはセカイが新しくなった日でした。自分の名前に「新」が付いていることは、偶然ではないのかもしれません。これからも、セカイを新しくするための楽しい旅を続けます。

最高の仲間たちとともに。

(おわり)

【ご参考】
#天神放送局 では「ライブ配信で機会格差をなくす」をミッションに、配信代行や運用相談などの活動を行っています。



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