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#トキ体験 を創る 2021.12.20

#トキ体験 とは「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験のことを表した言葉です。これまでトキ体験を構成する要素を様々な側面から考察してきました。

・時間
・空間
・一体感
・距離感
・安心感
・平等感
・組織の人格
・個人の人格
・所属欲求
・自己超越欲求
・時間という言葉
・雑踏と潜在意識
・TPO
・感動体験

トキ体験の連続考察noteはマガジン化していますので、ご参照ください。

「概念」や「実体験」をもとに考察してきましたが、今後はビジネス的の観点からトキ体験を考えてみます。今回は「体験のCtoC」です。

モノ売りからコト売りへ

多くの消費者向けビジネスのシーンにおいて、モノ(ハード)からコト(体験)へ、より顧客志向へと提供側の視点が移ってきました。例えば、

【飲食店】単なる「食堂」から、そこでの滞在「時間」「空間」を考慮したダイニングレストランへ、健康管理メニューを提供するレストランなど

【消費財】単なる「機械」から、それを手にしたときに特別な気分になれるという「体験」ができるデザインへ

これらはすべて、BtoC(“Business to Consumer” 企業がモノやサービスを個人/一般消費者に提供するビジネスモデル)です。これらは一般消費者から見た場合の比較対象は同じようなサービスや製品を作る企業=「B」となります。つまり、差別化は「企業同士」の戦いでもあります(B vs B)。

CtoCモデルの台頭

顧客体験を重視したモノ・サービス企業が増えるなか、近年インターネットやスマホ/タブレットの普及とともに、CtoC(“Consumer to Consumer”個人が個人にモノやサービスを提供するモデル、またそのプラットフォームサービス)という新たなビジネスモデルが台頭してきています。

世界的企業のアマゾンも、バーチャルツアーのCtoC事業をベータ版(試験)として開始しました。注目すべき点は、他のCtoCビジネスが宿泊場所や車、旅先など「物理空間」におけるサービス提供のマッチングサービスであるのに対し、Amazon.comの「Explore」は”旅先”からインターネットを通じて配信される「バーチャル空間」におけるサービス提供であることです。

このように、モノからコトへ、更にはBtoCからCtoCへと、「体験」のビジネスはその形を大きく変えてー言い方を変えれば、既存型のビジネスプレーヤーが預かり知らないネット空間で「こっそり」とー着実に広がりを見せています。

トキ体験のCtoC

調べを進めるうちにガイアックス社の「TABICA」という地域体験CtoCマッチングプラットフォームにたどり着きました。

当初は全国の地域体験CtoCでしたが、社会情勢や利用実態に合わせたピボット(路線変更)を行い、2021年8月12日にサービス名称をaini(アイニ)に変更しました。その名称からもすぐに「会いに」が想起できます。またインターネットのドメインも「https://helloaini.com/」、ロゴマークのキャチコピーも「あふれる愛に、会いに行こう」となっており直感的です。

〈サービス名変更の経緯〉
〜取り扱う体験は多岐に渡るようになり、”旅”以外への体験の広がりを加速させました。特に外出せず参加できるオンライン体験を2020年3月に解禁すると翌月には体験参加ゲスト数が2.8倍、翌々月には9.4倍に伸長しました。こうした現在のサービス実態を正しく表現し、作り上げていきたい世界観をより明確にするためにミッションを掲げ、新コンセプトを現在の”好きで繋がるプラットフォーム”をベースに更新しました。
〈ミッション〉 「人と人をつなぎ、夢中で満たす。」
ガイアックスは「Empowering the people to connect 〜人と人をつなげる」というミッションを掲げています。その糸口のひとつであるサービスainiは人と人を繋げた後に何が残るのか?を次のように考えます。
「サービスに関わるホスト、ゲストだけじゃなく、働いているメンバーそれぞれの個性や、持っている強みが経済活動によりつながっていって、人生の中で、一人ひとりが心からやりたいと思えることにコミットメントできる時間を増やしたい。本当にやりたいことにかける時間が全体の2〜3割になるだけで人生はぐっと変わるなと思っています。それを支援していくサービスにしていきたいということを表現したミッションです。その結果、世の中は夢中で満たされるんじゃないかと。」

「夢中が集まる体験とは、まさに「その時・その場でしか味わえない盛り上がりを楽しみたい」という欲求を満たす体験」ではないでしょうか。そしてつながりと広がりという未来志向のトキ体験とも言えるものです。

BtoC vs CtoC?

では、すべてのサービスがCtoCに置き換わる流れが起きるのでしょうか。体験価値を高めるコンセプトの「BtoCモノ・サービス」とそもそもがその体験に主眼が置かれた「CtoCモノ・サービス」は競合になるのでしょうか。アメリカにおけるUberの成功例もありますが、まだ規制や反対もあり「置き換わった」とは言い難い状況です。また個人の創ったモノが法的な責任(製造物責任法)を問われることも稀で、そこには「CtoCならではの性善説に基づくカルチャー」が存在しています。これを担保するために、多くのCtoCプラットフォームサービスでは「相互評価」システムが基本となっています。このような観点から、

・CtoCとBtoCは相互補完関係になる
・CtoCとBtoCの境界線は曖昧になる

と考えています。

・CtoCとBtoCは相互補完関係になる
(例)CtoC(例えば「Amazon.com『Explore』」)を利用してロンドンのバーチャルツアーを体験後、リアルの旅をアマゾンで購入した(アマゾンがOTAに進出したと仮定)。

・CtoCとBtoCの境界線は曖昧になる
先述の「Amazon.com『Explore』」では個人が個人にツアーを行いますが、なかには個人事業から法人化して大規模化(BtoC化)する例も予想できます(CtoCの提供者側の「B」化)。また、個人が企業にモノやサービスを売るというビジネスモデル(CtoB)も広がりを見せています。

このような背景から、今後ますます企業「B」と個人「C」の境界線は曖昧になり、同じようにそれを認知できない既存型のビジネスプレーヤーが知らないネット空間で、差をつけられていくと予想しています。

「見えない」売上

オンラインイベントやライブ配信を本格的に企画・運営するようになってから2年、それを企業向けに支援する専門会社を立ち上げて1年4ヶ月が経過しました。傾向として顕著なのは、既存型ビジネスモデルの業種・業界の人から見ると「何をしているのかわからない(見えない)」と言われることです。これが既存型ビジネスのプレーヤーが預かり知らないネット空間で「こっそり」と差をつけられる、の現実であると感じています。「ライブ配信」の文脈で言えば、楽天でも動画配信のライブコマースが始まりました。

先述の「何をしているのかわからない」という発言は、そのまま「何をしているのか『知ろうとする意思がない』」とも言え更に踏み込めば「変わろとする(不退転の)意思とコミットメントがない」に換言できると感じています。まずは、オンラインイベントやセミナーを企画、実行し、集客や結果が伴わなくてもそこから何を学ぶか、そこで得たものを何に活かすかという「試行錯誤」をオンラインで繰り返すことが大切だと考えています。

試行錯誤するイベンターのトークイベント

オンライン/オフラインイベントの
・今年はどうだったのか?
・来年はどうなるのか?
・形態は?
・課題は?
・解決策は?

について、12/28 20:00〜「オンラインイベント」を行います

【トークイベント】コミュニティ放送部#7 (2021/12/28 20:00〜)

コミュニティのオンラインイベントが多く開催される中で「コミュニティの枠を超えて」イベントノウハウを共有しているコミュニティです

イベントの未来を一緒に考えましょう!

おわり

(次回 #トキ体験 を創る 2021.12.21)

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