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Freeze系ペダルについて

Freeze系のペダルについて書いてみたいと思う。

まずFreeze系のペダルとはなにか?
定義としてはそのとき鳴らした瞬間の音を無限に伸ばせるというのが最低条件だろう。
sustainerペダルと言ったりもする。

この条件を満たす機能を持つペダルは昨今増えてきている。
最近ではchase blissのonwardがこのカテゴリーに入るペダルの中で話題になったのは記憶に新しい。

この手のペダルの走りは何かというとEHXのFreezeというペダルと認識している。
これは非常にシンプルで、音量ノブとラッチがモメントかのトグルと、音を固定するフットスイッチがあるものだった。
発売当初、ルーパーとは違う軸で音を拡張する新しい切り口だと感じ私はすぐにそれを購入した。

Freeze

今はどうかわからないが七尾旅人氏も昔これを足元の置いていたのを覚えている。
踏んだ瞬間の音を鳴らし続けることで表現に確実に新しいアプローチを追加してくれる非常に優れた機能だ。


EHXも手応えを感じたのか、後継機種をいくつも出している。

Superego
Superego+
Deep Freeze

これらの後継機種には初代Freezeと一線を画する機能に詳しくは後述するが、Autoモードを搭載している。
Pogシリーズにも近い機能は実装されている。

また、他社メーカーも類似機能を持つペダルを結構出しているが挙げていくと中々キリがなさそうなので割愛する。

今回の記事に登場するペダルのサイズ比較

今回この記事では、はEHXの機種ごとの違いと新鋭onwardとの比較に重点を置く。

ちなみに私のボードには今EHXのSuperegoと、chase blissのonwardが入っている。
EHXのものはDeep Freezeとpogシリーズ以外は所持していたが、superegoに落ち着いた理由は以下である。
・サイズが程よい
・必要な機能がシンプルに纏まっている
・音に揺らぎがある
・Autoモードがある
サイズはDroloのペダルと同じサイズ。程よいサイズ感である。
機能も過剰な機能は一切ない。
そしてフリーズした音が有機的な揺らぎを持っているのである。
これがポイントとして上がる理由はDeep Freezeには音の揺らぎがないのである。
あのサイズでほぼSuperegoの互換機種であるDeep Freezeに魅力がないわけがないのだが、音の揺らぎがないというのは個人的にはかなり致命的な弱点だった。
ちなみにYouTubeに比較をしている海外の方の動画があったので貼っておく。

サイズ的にボードに優しいのは圧倒的にDeep Freezeだし、Superegoにできることでできないことは恐らくsendとreturn端子の有無程度のものである。
そして私はsendもreturnも使っていない。
となるとDeep Freezeで良いではないかと思ってしまうのだが、伸ばす音に揺らぎがないのである…!
揺らぎさえあれば私はDeep Freezeにしていただろうに、実に惜しい話である。

個人的に超重要機能のAutoモードについてももちろん触れておく。
Autoモードは初代のFreeze以外には大体備わっている機能なのだが、入力音を検知して、伸ばす音を自動で切り替えてくれる機能である。
この機能をChase blissのonwardがダイナミックサンプラーと称して目玉にしていたが、個人的にはこの部分はEHXの圧勝と感じる。
追従の素直さがEHXのものの方が使いやすいし、音が好みなのがポイントだ。

しかし単純な機能面で見たらSuperego+一択である。
何を隠そうSuperego+はSuperegoの完全上位互換機種だ。
一時期Superegoを手放しSuperego+をボードに入れていた時期があった。
なぜかというとSuperegoをAutoモードにすると、音を止めようと思ってもダブルタップする必要があったからというのが正直大きい。
一発で止められないというのは改善できるなら改善したい点でしかなかったのだ。
Superego+は外部フットスイッチがあれば音を一発で止めることができた。
これは実際使ってみてとても良い部分だった。
しかし少しして再びSuperegoに入れ替えることになった。
理由はとにかくサイズが大きかったことが挙げられる。
とにかく大きいと言ってもバカでかいというほどではないのだが、EHXの悪い癖というかなんというか、機能をガッツリ積んで大きくしていくみたいな感じは否定できない。
Midi制御ができたら良いのだけど、Midi非対応だったのもややマイナスだった。
OBNEのMTETで多少Midi制御もできたが、それでも期待するレベルの制御はできなかった。
そしてとどめはCBAのonwardの登場だった。

話を戻す。
ここまでネガティブな情報ばかりだったが、もちろん素晴らしい点もたくさんある。
Superegoにできない機能でこっちにしかない優秀な機能を挙げるなら以下だ。
・Attack
・Layer
上記の機能は最上位のこれだからこそできる目玉と思っている。
Attackは音が段々大きくなるような感じの設定ができる。
これは中々使えるのでSuperegoにも欲しかったと思っている。
そして驚くべくことにDeep Freezeにはこの機能が備わっている。
音の揺らぎの有無を気にしないのであれば、はっきり言ってDeep Freezeはめちゃくちゃオススメである。
そしてそんなDeep FreezeにもないのがLayer機能だ。
これはAutoモードのときに前の伸ばした音を残しながら重ねていける機能。
しかも段々減衰させることが可能。
あとはエフェクトが充実しているのだが、プリセットの使い勝手があまりよくないというのと、Midi操作でエフェクトを変えられないというのは正直使い勝手があまり良くないと言わざるを得なかった。
良い感じのエフェクトもあるだけに、Midi操作非対応というのは惜しいといわざるを得ない。

あと先日Pog3が発表された。

これもFreeze系の機能を持っているようだし、Midi対応のようだが、如何せん大きすぎるのと、機能面で求めるところとややズレがあると感じたので現状様子見だし恐らく私は手を出さない気がする。


そしてお待ちかねのChase blissのonwardについて触れていく。
ペダルの詳細はアンプレラのリンクを参照して欲しい。

私は兼ねてよりCBA筐体のフルMidiコントロールのSuperegoが欲しいと幾度となくSNSで呟いてきた。
SuperegoがMidiコントロールできたらどれだけ素晴らしいだろう…と。
そしてCBAに直接リクエストのメールを送ったりもした。
返事はあった。
「エンジニアに伝えておくぜ」
そしてその3ヶ月後くらいにonwardが発表された。
私のリクエストなど関係なくプロジェクトがあったであろうタイムリーさに私は歓喜した。
どう見てもそれは私の求めるフルMidiコントロールのSuperegoだと感じたからだ。

onwardはcooper fxのoutwardの機能を絞った強化版という位置づけのペダルだ。

Tomがcooper fxを畳んでCBAに参加して、v3を出して欲しかったペダルだったので「わかってるなぁ」と感じたものである。

先述したように、SuperegoのAutoモード相当の機能をonwardも有している。
これは期待しかない!
そう思いすぐに手に入れたonwardを実際に使った感想としては、
Freeze側の使用感は圧倒的にEHXのSuperegoの方が好みだったということだ。
違いを挙げるとしたら以下だ。
・音の質感
・細かく引いたときのトラッキング精度
まず音の質感について。
onwardの音は柔らかい。悪く言えば元気がない。
Superegoは割としっかりと輪郭があるのに対し、onwardの音はややフワッとしている。
もちろんこれは曲によってはonwardの音の質感が合う場合もあるだろうが、元々の私の曲でSuperegoの音を使ったところをonwardに置き換えるにはやや違和感がある程度には違うと感じた。
次にトラッキング精度。
これはonwardの一番改善して欲しい点だった。
Superegoはどんな速度の演奏もしっかりそのまま音を伸ばしてくれたのに対し、onwardは少し早い音の変化があると音を伸ばすのではなくStutterさせる挙動を見せるのだ。
これはSizeノブを弄ったところで変わらない。
この挙動が良いと思う人よりも、そうならないで欲しいと思う人の方が多いのではないかと感じる。
もしもここがSuperegoのようにそのまま伸ばしてくれていたら、もしかしたらボードからSuperegoを外すこともできたのではないかとすら感じている。
しかしそれができなかった。

私のボードにはSuperegoとonwardが両方入っている。
類似点の多いペダルを二個入れているわけだ。
SuperegoにFreeze機能で敵わなかったonwardはそれでもボードのスペースを勝ち取ったのだ。
それだけonwardにはデメリットを凌駕する良い点が存在する。

まず一つは当然Midi操作ができる点だ。
これがあることによってMidiコントローラーで演奏中に様々な設定変更ができる。
これほど嬉しいことはない。
そしてGlitchモードの存在もとにかく大きい。
onwardはclockとの同期が取れるペダルだ。
Glitchでclockと同期することでclock同期ルーパーの目印にすることもできるし、ルーパーを軸にしたボードにありがちなリズム面がやや弱くなりがちという点を補う役割も果たしてくれる。
元々フルMidiコントロールのSuperegoを求めていた私としては少しあてが外れた感もあるが、Glitchペダルとして使うだけで十分ありがたい存在だ。

また、Superegoで伸ばした音のベース的な音のみ伸ばし続けたくなることがある時に、onwardも同時に使うと良い感じにやりたいことが達成できたりする。

私のボードで音楽活動を一旦止めていた時期よりも前からいまだにボードに入っているのはBoomerangのルーパーと、Superegoのみとで他はすっかり入れ替わってしまった。
それでもなおボードに居続けるSuperegoのバランスの良さをどうか感じ取って欲しい。

長々とFreeze系ペダルについて書いてみた。
ピアノのペダル見たいなやつが出てこないじゃないか!とかあったらごめんなさい。私あれは触ったことないのです。
多分あれは私が音楽活動を休止していた時に出たもので、あとで存在を知りました。なので触っていない。

もしもSuperegoやonwardのようにAutoモードがあるFreezeペダルで良いのがあるよ!という方がいたら是非教えてください。可能性は常に探しているのです。


話は変わるが、来たる2024年9月16日(月・祝)にすみだ産業会館で行われる
『PEDAL GEEKS MEETING 2024 Tokyo』というイベントに参加させていただくことになっている。

このイベントはとても面白くペダルビルダーだけでなく、ボードや機材を見せたい人など、様々な形態の人が参加できるイベントだ。
私もボードを提げて参加する。
ちなみに私のボードはこれ。

現地では実際にお客様に触ってもらえたらと思っている。
もちろん要望があれば演奏もしたいとも思っている。
是非現地に訪れ話しかけて欲しいです。

また、10月5日(土)には蕨駅から徒歩6分のところにあるカフェ併設の本屋のココシバにて演奏をする。
17時くらいからスタートし、19時から20時の間くらいに終わる予定。
投げ銭+1d。

この日はかねてより声をかけていたオオトアツシさんに共演をしていただく。
とても良い曲を書くシンガーソングライターの方です。


あとこれは以前私がココシバで演奏したときの動画。


ここまで読んでくださった方ありがとうございます。
PGM会場か、ココシバで会えることを楽しみにしております。
では。

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