be a Hero

梗概

 未来。超小型の元素集積装置と3Dプリンタを組み合わせた、自分だけのヒーローをいつでもそばに具現化できるデバイス【be a Hero】が普及していた。
 【be a Hero】で具現化できるヒーローは、姿形、能力に至るまで各々が自由にカスタマイズすることができた。中高生すらも【be a Hero】を所持しており、お互いのヒーロー同士を戦わせる【Hero battle】が行われ、世の中の決めごとや地位はそれにより決められるようになっていた。
 多くの者は自分のヒーローを過去の偉人や創作物の登場人物をモデルにしたもの(例えるならばナポレオンであったりシャーロックホームズであったり)を使っていたが、グレイ坂学院に通う令嬢、三条夏芽は、自分が理想とするヒーローを追求し、オリジナルヒーロー『紫苑《しおん》』をつくりあげていた。紫苑はグレイ坂最強のヒーローとして君臨し、夏芽自身も学園を統べる生徒会長として君臨していた。
 ある日、学院に転校してきた鷹気豪太郎は【be a Hero】でヒーローを他者として具現化させるのではなく、まるでパワードスーツのように具現化し装着する男だった。彼のモットーは、他者をヒーローとして頼るのではなく、自らがヒーローになるということだった。
 学院内の【Hero battle】でも連戦連勝していた豪太郎を夏芽は気に入らない。彼のヒーロー像全てが彼女の理想とはズレており、鼻持ちならなかった。自らのプライドのために、夏芽は豪太郎に決闘を申し込む。
 そんなとき、理事長の篠ノ井《しののい》が学院に最強のテンプレヒーローである呂布爾円《りょふじえん》を導入することを発表する。そして全生徒が今自分が持つヒーローに代えて呂布爾円を使うように要求される。
 豪太郎も夏芽もそれに反対するが、篠ノ井による「全ての者が平等に最強のヒーローを使うことが皆の利益と幸福につながる」と反論され、意見を抑えこまれる。さらに全校生徒の前で互いのヒーローが完膚なきまでに呂布爾円に組み伏せられる。
 しかし、ふたりはそのまま服従することを選ばなかった。リベンジを決しふたりは互いのヒーローをチューンナップし、高め合い、特訓を積む。
 篠ノ井が学院の生徒に普及させようとした呂布爾円は、やがて全ての人類に手渡される計画だった。
 呂布爾円はこれ以上の進化の余地のない理想のヒーローである。ならばさらなるヒーローをつくる必要はなく、あとはそれを全てのものに手渡すだけ、これが人類の終着点。篠ノ井はそう考えていた。
 彼の考えを打ち破るべく豪太郎と、夏芽の『紫苑』。ふたりがつくったヒーローはそれぞれ呂布爾円と戦い、それを下す。
 篠ノ井の呂布爾円計画は頓挫し学院のヒーローの自由は保たれた。
 そして豪太郎と夏芽のふたりはよき「戦友」として握手を交わす。

文字数:1168


内容に関するアピール

 少年漫画におけるヒーロー像と少女漫画におけるヒーロー像は当然ながら異なっています。ですが、それぞれのヒーローが手を携え、何か巨大な敵を打ち倒すお話、日本版アベンジャーズみたいのが書ければいいなあと思いました。
 スピード感溢れる爽快な作品に仕上げるつもりです。よろしくお願いいたします。

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