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2023年TCK女王盃を終えて、ダート牝馬路線の話

この記事は、2023年1月28日16時〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #5「ダート戦線ここに注目」からの文字起こしです。

蒼山サグ(以下、蒼):今日はもう一つトピックとしてダート牝馬戦線のスペシャリストである、こひさんもいらっしゃってますんで。今年〜直近のダートグレード牝馬路線の展望というか楽しみな馬とか、その辺の話を是非とも語っていただければ。

こひ(以下、こ):ちょうど今週TCK女王盃がありまして、頭数は7頭ぐらいしかいなくてかなり少なかったですが、今のトップレベルですね。フェブラリーSに行くのでショウナンナデシコがいなかったのと、サルサディオーネが回避したのはあったのですが、JRA組はトップが揃っていて非常に面白いレースだったなと思います。
ここで結構衝撃的だったのが、4歳牝馬がこの時期の TCK女王盃でワンツーするのはかなり画期的な出来事で、斤量が年明けになるとイーブンになるので、 グランブリッジヴァレーデラルナというのは、JBC(レディスクラシック)でワンツー決めた時には2kgもらってたんですよね。それが今回プリティチャンスとかテリオスベルとか、古馬の一線級と同じ斤量になって完全に勝ち切ったというか、この2頭で後ろを突き放したっていうのは、改めてこの4歳世代のダートの路線の牝馬のレベルの高さをしみじみ感じさせられますね。ちょうどできた牝馬のダートの準オープンが、去年の秋のトルマリンSがあって、今年になって遠州灘Sをやって2レースどっちも現4歳が勝ち馬で、(トルマリンSを)勝ったヴァレーデラルナはそのままG1馬になってみたいな形になっているので、結構ダートの牝馬って準オープンに上がるの大変なんですよ3歳のうちに。そもそも2勝クラスを勝つのが結構大変なわりに、ポコポコそういう風な状態になってまして、まだたぶん牡馬混合含めても準オープン勝てそうなのが3〜4頭くらいはいるなぁと思っているので、まあもう一気に世代交代ですね。

ショウナンナデシコもフェブラリーSの後は時期的に引退とか、ありうるタイミングですし、サルサディオーネもエンプレス杯か次で引退というようなニュースもちょっと見たので、かなり一気に世代交代が進むんだろうなぁというのが、すごく面白いですね。
たぶん、いつものボーダーのほうを見てましても、次のエンプレス杯がグランブリッジヴァレーデラルナの2頭に、連闘で川崎記念に使ってきたテリオスベルが多分もう一丁で使ってきて、それにプリティチャンスと遠州灘Sでオープンに入ったアーテルアストレアですね、これも前走すごい良い脚で突っ込んで来てたので、たぶんこの5頭が揃う可能性が極めて高いかなと。これにサルサディオーネなので、まさに女王の決定にふさわしい、かなり良いレースになるかなと思います。

:確かにすごい楽しみですね。

:4歳のレベルの高さの話をしてると忘れられそうなんですが、僕はこの世代で一番強いのはデリカダだと思っていて、去年の伏竜S、4月の時のオープンで、今見返すとビックリするのは、ノットゥルノとペイシャエスを中山のダート1800で完全に負かして、その後関東オークスに向けての調整している途中に故障して離脱みたいなプロセスでしたので、今のレベルの高い4歳の中でも牡馬のG1級をもう倒している馬が帰ってきたら、どのポジションでいけるのか今から非常に楽しみにしているところです。デリカダは賞金的にはダートグレードに出られないので、どこで牡馬を倒して(賞金を)積んで、ここまで来るかっていうのが個人的にはすごく、今年のこの路線で一番楽しみにしてるところです。

:なるほど、面白い切り口をいただきましたので、僕も是非注目したいと思います。

:ダートの動きがありましたら、是非この場でお話しできればなと思います!

:是非よろしくお願いします! ついでなのですが、僕個人的に気になっていたのが、グランブリッジがTCK女王盃を勝った時の体重が438kgしかないんですよね。このサイズの牝馬がトップクラスまで登ってくるかというのがビックリしたんですけども、最近福永騎手とかも「ダートがパワーだけじゃ勝てなくなってる、やっぱりスピードがどうしても必要になってる」みたいな話をしてたと思うんですけども、やっぱり傾向とかも変わってくるんですかね、これから。

:そうですよね、確かにあまり記憶にないですよね、450kgない牝馬がダートの一線級でっていうところと。グランブリッジはちゃんとダートが重たい船橋でもしっかりそれなりに走るというのが、結構不思議だなーと思っていて、TCK(女王盃)ではスローの瞬発力勝負になってたんでまだわかるんですけど、意外に対応の幅が広いなということで、このあたりは(父の)シニスターミニスターの力ですかね。

:少し話はそれますけど、一口馬主的にも、ダートっぽい牝馬って躊躇しがちだった時期も4〜5年前はあったんですけれども、最近は意外と夢が見られるというのも良いですよね。

:そうですね、ダートの牝馬というのもそんなに高くはないんですけれど、やっぱり降級制度が無くなってから2勝クラスの牝馬限定戦の数が増えたのと、3勝クラスの牝馬限定戦が年3回できたので、お金を稼ぐシーンというのが増えてきたので、突き抜ければ儲かるのはもちろんなんですけど、2勝クラスでぼちぼちやって回収できるっていうのが降級が無くなったおかげで逆にできるようになったのかなと。そんな見方をしています。

:ありがとうございます。

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