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レガレイラを倒す牡馬は現れるのか?馬場と展開と、人馬の想いを語る皐月賞展望

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.04.13 21:00~からの文字起こしです。


第84回皐月賞

蒼山サグ(以下、蒼):皐月賞の展望お願いします。こちらの全体像は、まずゆたさんからお願いいたします。

くらみゆた(以下、ゆ):有力な牡馬が不在で進んだ3歳牡馬クラシックの第1弾、皐月賞です。この出馬表を眺めてみると、ざっくり言うと2歳戦終了時のイメージ通り、レガレイラの挑戦者が誰かというところが決まりきらないまま、ここで初めて同世代の中で結果が出るのかなというレースになったと思います。

まずは馬場状態と展開の方から触れていきたいと思います。今日の中山の芝は、結構少頭数のレースが多かったんですけれども、割と先行勢・内枠での好走が目立っていました。とはいうものの、去年に比べて馬場状態は比較的良くて、最後の直線そこそこスピードが出るのかなという状態だったと思います。

その中で展開を考えてみます。今回の出馬表を見ていると、割とやりたいことやテーマがはっきりしている馬が多い印象です。まずは内枠に入ったメイショウタバルシリウスコルトこのあたりは、スローにする意味があまりないので、ハナか2番手あたりでそれなりに流れる競馬を作っていくのかなと。1000mを59秒、もしかしたら切るぐらいのペースで持っていくのかなというイメージです。

それからジャンタルマンタルですね。こちらはやっぱり距離不安が大きいと思います。積極的に前に出していく必要はないですし、ある程度ペースが流れることを読んでいると思いますので、この馬はどうこうよりも折り合いにしっかりと専念して、最後の直線でどれだけ脚を使えるかというレースをすると思います。

あとは外に入ったサンライズアースですね。デムーロ騎手騎乗で、ちょっと脚が遅く切れないレイデオロの大型馬というところもありますので、これはおそらくみんな予想していると思うんですけど、ちょっとでもポジションが後ろ、もしくはペースが落ち着くタイミングがあれば前に行っていくような競馬を向こうからするのかなというイメージが湧いてきます。とはいえ、前もそんなに緩めるってことはしないと思うので、正直これ外からポジションを上げると不発に終わる可能性があるんじゃないかなというところ注意したいなと思います。

ただそうなってくるとやっぱりある程度流れた中での巡航性能が問われるという形になると思いますので、外を回してしまうと脚をなくしてしまう。直線の勝負をしたいなれば、丁寧に内を回って直線に入って外に出す競馬ができるか。パトロールビデオを見ているとルメールや武豊はそうやって乗っているわけで、それができる騎手がいるかということになってくるのかなと思います。

その辺を踏まえまして力関係から気になる馬という形になるんですけれども、まず大枠としては桜花賞と違って牡馬路線、朝日杯フューチュリティステークスホープフルステークスがあるわけですが、個人的にはホープフルステークスの方を上に取りたいなと思ってます。その中である程度流れが速い脚が使える馬、ポジションが取れる馬、末脚が発揮できる馬というのを見ていきたいなと思います。

そう考えるとまずレガレイラですね。正直ルメール騎手だったらド本命って言っていいのかなと思います。あとは北村宏司騎手がどれだけうまく4コーナーでちゃんと待てるか、それからレースできちんと進路を確保できるかというところだと思います。中途半端に一番人気で動いてしまうと危ないというところもあります。先週の桜花賞ではヘタには乗ってないんですけど、モレイラ騎手にやられてしまっているところもあるので、今回リベンジになるかというところかと思います。

あとはシンエンペラーですね。レースのしやすさというとこちらの方がやっぱり上かなと思います。あとは血統表にサンデーサイレンスが入ってないというところが最後どこまで効いてくるかというところだと思います。去年のファントムシーフなんかはハービンジャーというところでちょっと脚が遅かったところもありますが、一方で先ほどのアーリントンカップでは弟がルーラーシップに変わって32秒台となってますので、今回はこのシンエンペラー。血統背景は圧倒的にレベルが高い馬なので対応してくる可能性は十分これまでのレースを見てもあるのかなと思います。

あとはアーバンシックですね。レガレイラを評価するのであれば、ほぼ同じ血統のこの馬というのも注目していかないといけないのかなと思います。横山武史騎手は、こういうレースでうまく後方に構えて戦うという意味では安定感があり、心強いところかなと思います。

さて、ここまでいろいろ話したんですけれども、個人的にはミスタージーティーを推したいと思います。ホープフルステークスは不発に終わってしまいましたけれども、今回は内枠に入っても浅いブリンカーまで付けているので、これを活かして丁寧に乗れば末脚をしっかり発揮できるはず、末脚の破壊力は一番あります。うまく脚を使えれば勝ちきれるんではないかという希望を持ちたいと思っています。今回も鞍上が藤岡佑介騎手。今回は外野がどうこう言うような状況はないと思います。ただ昨秋からの流れとして、私のストーリーとしては、ここで藤岡佑介騎手と馬券を買わないわけにはいかないなというところであります。

あとはジャンタルマンタルですね。こちらは折り合いがつきやすいんですけれども、ある程度早い流れの中で後続の末脚を求められた時に、2000mとなるとちょっと厳しいのかなという印象はあります。ジャスティンミラノは、前回鮮やかな走りを見せました。今回の力関係というとレガレイラとはまだ勝負付けていませんので、突き抜けてもおかしくはないかなとは思いますが、今日の馬場状態や展開の流れを考えると、上位には取りづらいかなというところであります。以上になります。ありがとうございました。

蒼:続きまして、こひさんのほうからもよろしくお願いいたします。

こひ(以下、こ):私も今の中山の馬場状態や今回のメンバーを見渡していると、ある程度しっかりと瞬発力だけではなく巡航性能が問われるようなレースになるかなと見立てています。その中で、メイショウタバルがそういうペースになった時に、さらにパフォーマンスを発揮できるんじゃないかなというところに、まず期待したいなと思うところですね。今回、巡航性能が問われるレースの中で、1枠2番という枠に収まったことは、パフォーマンスを最大限に発揮できる良い枠だと思います。今日の傾向を見ていても、内枠先行馬がしっかりと残る傾向にあるので、この馬はきっちりと能力を出し切ることができるでしょう。

外から行って何とか前に行きたい馬は来るとは思いますが、どうしても逃げたいという馬がいるわけでもないので、逃げてしまっても良いですし、行く馬がいればその次の番手を取るというような選択肢が十分にあると見ています。やはり前走の毎日杯で、前に行って自分でラップを刻んでいって最後に6馬身離したというパフォーマンスと、父親のゴールドシップがこの中山の舞台を得意にしていた背景を見ていても、私自身も毎日杯を買った後に、ぜひ皐月賞に向かってほしいという印象を持ちました。今回の馬場状態やトラックバイアスを見ていても、そこでの期待値はさらに高まる状態になったと思います。積極的な競馬をして結果につなげてほしいと思っています。今回、このメイショウタバルに騎乗するのは浜中騎手ですが、藤岡康太騎手の同期でもあるので、いろいろと思うところがあるタイミングかとも思います。彼がここで馬の全能力を発揮してくれるというシナリオにまずはかけたいと思っています。

あとは、自分自身がそういった前提で考えていったときに、引っかかる、ちょっと面白いと思っている馬を取り上げますと、まずは弥生賞ディープインパクト記念を勝ったコスモキュランダですね。この馬は一定のペースで流れていく形で、まくっていったところでペースを上げていき、持久力で残すという競馬をしました。弥生賞では2分を切る時計でそういった競馬をしたというところは、一定評価しないといけないと思います。そこに対して、すでに乗り換わりでバンバン結果を出しているモレイラ騎手というところの設定を見ていても、この馬が16.1倍8番人気というような形であれば、ちょっと手は伸ばしたいと思います。

最終的な能力の絶対値という意味では、私はジャスティンミラノが一番強いのかなと思っております。ここを勝ったり、いい競馬をするようであれば、ダービー最有力の馬かなと思っています。過去の実戦だけで言いますと、いわゆる瞬発力競馬をしてきているんですが、今年の一つのトピックスでもある瞬発力のあるキズナ産駒の代表格かなとも見ておりまして、一定の巡航能力が問われる消耗戦は、本来の父キズナという血統背景だけで見るとこのままこなしてもおかしくないような気もしています。そういったところで、これまでのキャリアと違うようなパフォーマンスを出してくれる可能性というところは、ちょっと楽しみに見ていきたいと思います。

そういった形で、ちょっと前に行く馬が1,2頭しっかりと馬券に残ってくる中で、うまくちょっと立ち回ったインから外に出してきた差し組みがそこに何とか突っ込んでくるというような感じで、馬券の方は組み立てたいと思っております。久しぶりにメイショウの強い馬、しかもこういった血統背景の馬で企画外のパフォーマンスを出す可能性がある馬がクラシックの初戦にいるというのは、非常に楽しみだと思っています。そこの視点で楽しみたいと思っています。

蒼:はい、ありがとうございました。お二方の意見を伺いましたが、お互いの意見を聞いて付け足しなど何かございますか。

ゆ:メイショウタバルは結構人気しているんですよね。3番人気7.2倍というところ。もうちょっと人気薄だったら取り上げようかなと思ったんですけど、この3番人気は思ったよりも評価されているなと思います。最近の競馬ファンはみんな上手いですからね。こういう時に普通に馬券に絡んでそうというところで、なかなか悩ましいところだと思います。あとは、モレイラ騎手が16.4倍で買えると考えると、コスモキュランダはやっぱ買いたくはなりますよね。

こ:本当に最近の競馬ファンは面白いですよね。このオッズを見ていても、ジャンタルマンタルが5番人気で、シンエンペラーは4番人気というところを見ていても、勝ち切る馬はどういうタイプの馬かみたいなところを本当に深く考えた上でベットしていってるなという印象をすごく受けますね。今回のレースで、私も気になっているのは、ミスタージーティー。内目の枠でハマるパターンというところで言うと、十分に力はあるタイプの馬かなと思っていますので、メイショウタバルを買うんであれば、ミスタージーティーは買うべきだなというふうに思っています。また、こういったところの立ち回り的なところで、インに入った中で言いますと、エコロヴァルツ、武豊騎手というところについては、前走があまりにも何もかもうまくいかなかった一戦だったところも含めて、ちょっと思い出しておきたいのかなという印象です。

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