日本馬の夢か？武豊の意地か？主役不在の混戦でチャンス到来の凱旋門賞展望
凱旋門賞2024
名馬電機社長:
日本プールで人気をしている馬を中心に紹介していきます。
まずはフランスのソジー。名伯楽アンドレ・ファーブルが送り込む3歳の牡馬です。6月に行われたフランスダービーではルックドゥヴェガの3着に敗れましたが、続く7月今回と同じ舞台パリロンシャンの2400mで行われたパリ大賞を優勝しG1初制覇。前走も同じくパリロンシャンの2400mで行われたニエル賞でルックドゥヴェガに勝ち、フランスダービーの雪辱を晴らしての出走となります。12ハロンに距離が伸びたここ2走で連勝を飾っており、お父さんもこのレースの勝ち馬シーザスターズということを考えるとルックドゥヴェガより人気をするのは当然かと思います。
続いて人気を集めているのは日本から遠征するシンエンペラー。前走はアイルランドのアイリッシュチャンピオンSに出走して3着でした。もともと「凱旋門賞を勝つ」ことを目的とし、2020年の凱旋門賞馬ソットサスの全弟を購入した矢作調教師と藤田オーナー。決して日本の芝にすごくフィットしているとは言えない血統で日本ダービー3着まで来ているというのは、この馬のポテンシャルの高さの証明とも取れます。早めに欧州に入り、決してレベルの低くないプレップレースを使って臨む本番。この馬を購入した直後のメディアへのインタビューで発した「この馬で凱旋門賞に帰ってきます」という公約を守った矢作調教師が悲願を勝ち取ることができるのか、大きな期待を持って見守りたいと思います。
英国から遠征の4歳牝馬ブルーストッキングが3番人気。今年の6月にプリティーポリーSでG1初制覇をしたのち7月には牡馬相手にキングジョージで2着と好走。イギリスのインターナショナルSでは4着と敗れましたが前走今回と同じパリロンシャンの2400mで行われたヴェルメイユ賞を勝ってここに臨みます。初G1のプリティーポリーは10ハロンでしたが昨年3歳時には12ハロンのアイリッシュオークスや英国チャンピオンフィリーズ＆メアSで2着に来ていることから本質は12ハロンの馬なのではないかと考えます。だとするとここも好勝負できるのではないでしょうか。
4番人気のアルリファーはエイダン・オブライアンが送り込むウートンバセット産駒。日本の松島オーナーがクールモアと共同所有する馬で、今回は鞍上に武豊騎手を配しての出走です。馬自身は前々走エクリプスステークスで同じ厩舎の英国ダービー馬シティオブトロイの2着に入り、前走ドイツのベルリン大賞を快勝してここに向かってきました。
続く人気は先ほど名前が出ました今年のフランスダービー馬ルックドゥヴェガ。デビューから3連勝でフランスダービーを制した同馬ですが、前走ニエル賞はソジーの3着に敗れています。確かに距離が伸びた前走で負けたことで印象があまりよくないため、日本のオッズでは7倍そこそこですがフランスの主催者発表オッズでは4倍の1番人気と依然高い評価が与えられています。
10倍以内の単勝オッズ最後はロスアンゼルスです。エイダン・オブライアン調教師、ライアン・ムーア騎手のコンビ。今年の英国ダービーはシティオブトロイの3着でしたが続くアイリッシュダービーを優勝。続くグレートヴォルティジュールステークスも勝った後、前走アイリッシュチャンピオンが4着でした。成績を見る限り12ハロン向きに見えるので前走からの巻き返しは十分にあり得ると思います。
ここまで人気上位を見てきましたが、今年に関してはこれといった中心になる馬が不在というのが正直なところで、ここ数年続く欧州の10-12ハロン路線の主役不在感がモロに反映されたメンバーだなというのが率直な感想です。古馬にそういった軸となる馬が不在であるため、3歳馬に人気が集まるのも致し方ないといった感じです。個人的な見解としては各国の3歳馬、フランスのソジー、日本のシンエンペラー、アイルランドのロスアンゼルスといったあたりを中心としつつ、古馬に関してはどの馬もさほど差はないと考え、人気がないほうからチョイスして、昨年3歳で凱旋門賞に出走していた馬2頭、日本産ハーツクライ産駒で昨年5着、今年はスミヨン騎手を鞍上にすえたエイダン・オブライアン厩舎のコンティニュアスや内目の枠を引けたドイツのファンタスティックムーンあたりに馬券の一角を崩して高配当を演出する役割を果たしてもらいたいと期待しています。
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