見出し画像

ドバイで不在の人馬が生んだ混戦を制するのは?4歳世代の真価が問われる大阪杯展望

この記事は、競馬評論サークル芯力のスペース2024.03.30 21:00~からの文字起こしです。


第68回大阪杯

こひ(以下、こ):大阪杯の展望について述べさせていただきます。先週も少し触れましたが、超一流組はドバイに行き、その次のグループが高松宮記念と大阪杯に分かれるという状況です。また、この距離ですと、プログノーシスはここを使わずに香港のQEII Cupに行くなど、いろんな選択肢がある春の番組となっています。

結果的にはこのレースは、世代レベルに疑問がつき始めている明け4歳のタスティエーラソールオリエンスに対して、どちらかというとトップグループではなくて、昨年からそれぞれの路線で充実期を迎え始めている古馬勢との対決になります。それに加えて、牝馬からもトップ層はドバイに行っていますが、その次の層が興味を持って参戦するという形で、非常に馬券的には面白い構造になっています。あまり当たっていない馬たちを組み合わせていくというレースになったと思います。

やはり一番重要な選択の鍵になるのは明け4歳勢の取り扱いになるかと思いますが、昨年からやや古馬の壁に跳ね返されてきているというところと、今年になってからは斤量も横並びになるというところもあり、あまり楽な条件ではないと思います。改めて過去の勝ち馬を見てみたところ、4歳牡馬でここを勝っていたのはスワーヴリチャードただ一頭で、4歳牡馬よりは4歳牝馬のほうが優勢な舞台でもあるというところを改めて振り返れます。そこに対して昨年の時からある世代レベルの印象を考えますと、なかなか取り扱い方は難しいという印象です。

今年はメンバー的に行きたい馬もいないですね。阪神2000mの内回りというのは、皆さんもご存知の通り非常にトリッキーな小回りコースです。いかに鞍上がうまく乗れるかというところで勝敗が変わってくるでしょう。それが問われるようなレースだと思います。ただ、そこでポイントになるのが今年の競馬のカレンダーでして、例年とは違い高松宮記念の裏が大阪杯になりました。そのため、川田騎手、ルメール騎手、武豊騎手、最近存在感を出している坂井瑠星騎手といった騎手が不在となっています。これにより、さらに難解なレースになると思います。展開予想しようにも、軸になるような騎手もいないため、なかなか予想が立てづらくなっています。ある種、宗教じみた「いったいあなたは誰を信じて馬券を買えますか?」というようなところが問われるような面白いレースだと感じました。

人気馬を見ていても、私の中ではなかなか手が簡単には出せないと思っております。タスティエーラは明け4歳の初戦で斤量差もなくなるところと、最近こういった舞台で乗れていない松山弘平騎手の難しさがあります。ソールオリエンスは秋からあまり冴えないというところと、ここで初ブリンカーにかけるというようなところでG1レースで手が出せるかというところがあります。

一番実績的に最近は堅実に走っているプラダリアは、どちらかというと阪神のコース割りよりは京都の舞台が向いてそうな馬であったり、そうなると押し出されて人気になっているローシャムパークも、果たしてこの人気、この馬場状態で自信を持って買うのは難しいのではないかと考えると、本当にどの馬も一長一短という感じで、自分自身が信じたい馬や騎手を買えばいいのではないかという印象です。そういった中で、自分の中では信じたい馬や信じたい騎手は誰かというところを考えてお話しさせていただきます。

個人的に信じたい馬という意味ですと、私もずっと芯力の回顧で一貫して評価しているベラジオオペラは、この馬が世代レベルが問われる4歳ではありますが、昨年の暮れから一貫して古馬と勝負をしてきています。この馬に限っては、世代レベルというよりは純粋な馬同士の能力を比較するという考え方でいいのかなと思います。隊列的にはやや難しい外目の枠を引きましたが、2つ内にある程度前に行きそうなステラヴェローチェがいまして、この馬にうまくついていってある程度いいポジションに収まることができれば、この馬の小回り向きの機動力の高さ、競馬の上手さが最大限に生きるという具体設定は整っているかなと思います。なので、本当に1コーナー過ぎのところである程度勝負になるポジションに収まれるかどうかという前提条件ではあるんですが、そこさえ乗り切れれば大きなチャンスがある舞台、そして相手関係かなと思っています。

あとは改めて馬を見ていて面白いなと思うのはジオグリフですね。この馬は本当にダートに行くのか芝に行くのかといったローテーションの不安定さがあった中で、今回芝の舞台設定かつ小回りの器用さが問われるというコースは、一番この馬が待ち望んでいた舞台だったかなと思います。やはり同世代が引退やドバイで不在の中で、改めてこの最強世代の活躍が蘇っても不思議はないかなと思いますし、枠番を見ても一発を狙える舞台設定は整ったのかなと思います。

騎手という点で注目しているのは、本当に先週悔しい思いをした西村淳也騎手ですね。西村淳也騎手はよくこの回顧でも触れていますが、どちらかというと馬群の中で立ち回りができるような枠を引いたときに、ポジション取りから、いい意味でセコい乗り方をしていって、順位を上げるというところで買いたい騎手かなと思います。先週は短距離戦で一番人気で枠もそこまで恵まれずというような形で、彼としての得意条件ではない形でG1の大舞台を迎えたんですが、その反省点を彼なりに多分考えて臨めるいい舞台設定になったのかなと思いまして、久々となるスタニングローズですが、どういう乗り方をするのか注目をしたいなと思います。

あとはミッキーゴージャスに騎乗するM.デムーロ騎手ですね。彼も最内に入って、しかも馬がミッキーゴージャスというところで、初めて56kgを背負うというところの不安はありますが、徹底的な立ち回りで浮上が狙える好枠というのは、今乗っていて爆発力が出せるという騎手には最適かなと思います。ピンチかパニックが詰まったらおしまいぐらいの精神で乗ってもらいたいなと思います。

それと改めて大阪杯の全体像を見ていいと思ったのは、G1昇格後の1回目の勝ち馬がキタサンブラックで、2回目がスワーヴリチャードと、そういう意味ですと、種牡馬選定競走としてはぴったりのレースだというふうに思わせる形でもあります。やっぱりこういう舞台設定というところで勝ち抜ける馬というのが、一定のタイトルが取れる最近の日本競馬でもあるかなと思います。勝ち馬にはいい未来が広がる、そういったレースであってほしいなと思います。あとは小回りと、この難解な展開として、ある意味騎手も一流騎手不在ということで、非常に明日は開催の醍醐味のあるレースになるんだなと思います。

蒼山サグ(以下、蒼):大阪杯の展望、名馬さんから何かコメントなどございますでしょうか。

名馬電機社長:私は先ほどのこひさんの展望の中で、誰を信じるのかというところの話になってきて、池添ブラザーズにお金を託してみようかなということで、プラダリアですね。確かに共同通信杯向きかなという気もするんですが、ディープインパクト産駒という点で、キレキレというよりは阪神小回りぐらいの適度に上がりがかからない舞台のほうが合うんじゃないかなという気もしますので、5歳世代というところでプラダリアを推奨したいと思っております。あとはカテドラル、頑張ってくださいというところですね。16番は極端なところを引いたので、いい意味でも事故は逆に極端なことが起こる可能性もあると思うので、何か起きないかなと期待しておきたいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?