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2023年第90回東京優駿(ダービー)直前展望

この記事は、2023年5月27日21時00分〜 Twitterスペース 芯力休憩所 #39「みんなの愛馬たちの未来へ。日本ダービー特集」からの文字起こしです。

蒼山サグ(以下、蒼):いよいよ明日は日本ダービーということですので、なんか展望であったりトピックだったりをお二方に語っていただけたらと思うんですが、ゆたさんお願いします。

くらみゆた(以下、ゆ):はい、今回はダービーというところで1年間かけて3歳牡馬路線を追ってきた形になるんですけれども、皐月賞までは混戦だったんですけれども、皐月賞が終わった今、一強ムードというのが今ダービー前日の状況かなと思います。ソールオリエンスが抜けた一強ムードで、その後ろに皐月賞上位組タスティエーラファントムシーフ、あとは別路線組のドゥラエレーデスキルヴィング、この辺りが上位人気の中でも勝ち目がありそうというところ。あとは皐月賞力を出し切れなかった組がどこまで跳ね返してくるかというような全体像なのかなと思います。

今回展開に注目してお話ししたいかなと思うんですけれども、やはりダービー、1年間かけてきたというところもありまして、ホープフルステークス、皐月賞、それから先週のオークス、あとやっぱり2年前のダービーですね。ここからのストーリーというか流れというのを意識してみると面白いのかなと思いました。皐月賞に関して言いますと、かなりハイペースだった一方、今回ダービーに関しては、あんまり折り合いに不安のあるようなビュンビュン飛ばしてる馬はでてきていないのかなと。その中で特に逃げが想定されるパクスオトマニカこちらは距離延長というところもあって、おそらく何が何でも逃げるというのはやりたくないのかなというふうに思います。なので、そんなに速い流れにはならないスタートが想定されるかなと。

あとやっぱりスタートの全体の流れで言いますと、一番人気のソールオリエンスの鞍上、横山武史騎手は、2年前のエフフォーリアで内枠から出していって結果的に最後差されるという競馬になりました。本人悔しくてVTR見てないとは言ってますけれども、その記憶もあるでしょうし、皐月賞であれだけの末脚を見せたということを考えると、今回無理にポジションは取りに行かないのかなと考えます。そうするとベースの重心は後ろとなる形になります。ので、ちょっと逃げがパクスオトマニカホウオウビスケッツあたりかなと思うんですけれども、スローに近い形で1,2コーナー入っていく形になるのかなと思います。そうなると田辺騎手というところというのはあんまりペースメイクという意味ではそれほど意識的な動きをしないと思いますので、鍵を握るのは2番手グループ。具体的に言うとやっぱりドゥラエレーデの坂井瑠星騎手とトップナイフの横山典弘騎手がどんな競馬をするかというのが中盤以降の展開に影響してくるのかなと思います。先週のオークスですと、前に田辺騎手が結構飛ばした中で後ろ坂井瑠星騎手がペース守って溜めていって割といい競馬をしていたという流れがありますが、おそらく道中見た目はそのような形になるんですけれども、今回のパクスオトマニカライトクオンタムのような逃げにはならず、ペース緩くなると思います。一方である程度坂井瑠星騎手は踏んでいきたいという形になるのと、横山典弘騎手も前を放っておくということはないと思いますので、そうするとおそらく向こう正面で1回ペースは落ちるんですけれども後半3,4コーナーで坂井瑠星騎手、横山典弘騎手が出ていって、ちょっと鞍上は違いますけれどもホープフルステークスの再現のような前2頭というのが見えてくるのかなと思います。

その中でどういう展開、直線を迎えていくかというところになるんですけれども、隊列という意味で言うと、トップナイフはおそらく内ラチ沿いにこだわって走ってくると思いますので、そうすると直線どういう展開になっていくかというとベラジオオペラはおそらくパパを見ながら進んでいくのかなと。そうすると内の隊列でいうと気になるのはシャザーンあたりですね。ロードカナロア産駒というところでじっくり脚を溜めて走らせるんじゃないかなと。あと外枠、隊列の一番外側という意味で言うとおそらくスタートからドゥラエレーデが出していくと思いますので、おそらくファントムシーフの武豊はそつなくこの後ろを取っていくんじゃないかなと。おそらく武豊を目標にタスティエーラあたりがつけていくというような展開になってくると思うので、内ラチ沿いと外の隊列というのはそんなイメージになって、(気になるのは)タスティエーラの後ろですね。ここにソールオリエンスが出せるのか、それともスキルヴィングが外にうまく出していってソールオリエンスをブロックしていくのかというところが直線を迎える時の進路の意味では気になるところかなと思います。あと直線のところで言いますと、やっぱりドゥラエレーデが早めに踏んでいくと思いますので、ある程度ペースが上がってくればファントムシーフタスティエーラが末脚を伸ばしてくる形になるんですけど、やっぱりこの2頭っていうのは皐月賞が向いていた馬だと思いますので、そういう展開になってくるとソールオリエンスとかスキルヴィングが最終的には届く競馬になってくるんじゃないかなと思います。

ただドゥラエレーデは今回ローテーションがUAEダービーからというところで体調とか含めて、本当にやりたい競馬ができるかというのはまだわからないところもあると思うので、これでもしドゥラエレーデが踏めなかった場合っていうのは、今度かなりスローな上がり3ハロンの競馬になってくると思いますので、そうするとちょっと大穴というには人気してますけどもシャザーン、それからベラジオオペラあたりのロードカナロア産駒が斬れで上がってくるという可能性があると、スローの上がり3ハロンの競馬になってソールオリエンススキルヴィングが取りこぼすという展開もあるのかなと思いますので、荒れるとしたらそういう上がり3ハロンの競馬。ある程度ドゥラエレーデが踏んでいって流れていって4ハロンぐらいからのいわゆるハイペリオンというか力勝負になってくるとソールオリエンススキルヴィングあたりの人気馬で決まってくるのかなというふうに、展開としては考えております。ダービー全体像、展開については以上、こんなふうに考えております。

蒼:わかりました、ありがとうございます。それでは一旦こひさんにバトンタッチさせていただいて、何かトピックなど語っていただければと思うんですが、お願いできますでしょうか?

こひ(以下、こ):はい、この世代の全体像は、ゆたさんがおっしゃっていただいた通り。で、やはり私はソールオリエンスがもう京成杯を勝ったときに多分皆さんも思われた方いるかと思いますが、ドゥラメンテみたいなイメージが多分皆さんあったかなと思っていて、キタサンブラックドゥラメンテというと同期じゃないですか。キタサンブラックの産駒なのに、ドゥラメンテ的なソールオリエンスと同じく、サトノクラウンこれも同じ世代だったかと思いますが、その産駒であるぽいタスティエーラ。あとはまたキタサンブラックの産駒で、新たにスキルヴィングという新星が出てきたというところで、あの世代をふと思い起こさせるダービーだなというふうに思っていまして。個人的にその時のダービーがどんな感じだったかというのを見ながら、ちょっと馬券を組み立てたいなというふうな見方をしています。で、ドゥラメンテのダービーを私も改めて見直すまでパッと名前出てこなくて、忘れてたんですが、2着はサトノラーゼンですね。

蒼:ディープインパクト産駒ですね。

こ:そうなんです。なんで別路線から来てる馬が来ていて、皐月賞で上位に来ていた馬リアルスティールですとか、キタサンブラックですとか、そういったところはいわゆるパフォーマンスが出せなかったというところで、今回もやはりその皐月賞の上位の構図のところに突っ込んでこれる資格がある馬はどれかなっていうような、ちょっとそういうアプローチで見ていきたいなと。やはり今回やっぱりスキルヴィングの取捨選択っていうのが結構重要なところかなと思いますが、青葉賞組のところのパフォーマンスという話はずっとよく言われているところで。勝てない勝てないと言われているところでありますが、やはりこの青葉賞を休み明けで余裕残しで使ってきて勝ってるってのは結構青葉賞馬のパターンとしては珍しいパターンかなと思ってまして。そういうところで言ってやはり前走の勝ちぶりを見ても、明らかにいっぱいいっぱいの勝負を仕掛けたハーツコンチェルトを外からねじ伏せたというこのパフォーマンスを見ていても、まだお釣りはあるでしょうし、やはりソールオリエンススキルヴィングの2頭まずこの2頭が抜けていて、多分その2頭が道中どっちが前に行って最終的にどちらが前に行くかというところが一つ大きなポイントかなと思います。

やっぱりそうなっていくと、馬券的にはじゃあ3枚目の椅子に紛れ込める馬ってのは何なのかなっていうところをアプローチしていくのが面白いかなと思っています。やはりあの皐月賞でいまいち展開的にはまらずに中途半端な競馬をした組というか、意外に今回シャザーンは思った以上に売れてはいるんですけど、内枠に入ってる組があんまり売れてないなという印象がありまして、そこらへんがすごく面白いのかなと思います。やはりダービーの内枠は今日見ていても、明らかに馬場がとても良い状態なので、そういう関係で見てもやはりスプリングステークス。この場の回顧でも、結構中身として評価できるような話をしていたかと思います。そこで良くて皐月賞で着順を下げていたベラジオオペラですとか、あとは横山典弘騎手そういった嗅覚センスというところを非常に期待できるトップナイフですね。皐月賞では5着まで来てはいるんですけど、必ずしもハマった感じではなかったという意味ですと、今回完全に人気の盲点になっているショウナンバシットですとか、こういったあたりが突っ込んでくるというところの余地というのは十二分に合うのではないかなというふうに思います。

あとは改めてJRAがYouTubeので今回のダービー出走馬の18頭を紹介するような動画を上げていて、それをちょっと眺めていたんですが、ちょっと目についたのがそれぞれピックアップしてる馬が過去のレースのVTRを中心に組み立ててるんですけど、やっぱり川田将雅がいっぱいいるんですよね。

蒼:なるほど。

こ:そういう意味ですと、いろんなプロセスがあって最終的に今回8枠18番を引いてしまってるのもあって、人気になって以来、京都新聞ステークス中馬のサトノグランツに今回川田将雅に乗ってはいるんですが、やっぱり見方によっては他にもいろいろ選べる馬がいながら結局この馬を選んでいるというのも事実としてあるのかなと思いまして、そういったところからもサトノグランツもここまで人気がないんだったらちょっとケアしていきたいなというようなそんな印象です。

蒼:はい、ありがとうございました。それでは、こひさんの受けて、ゆたさん、何か付け足しとか改めてありますか?

ゆ:そうですね。やはり今回ソールオリエンススキルヴィング、枠が近いようで、ちょっと悩ましい枠順かなと思ってまして。スキルヴィングはもっと人気なければ、もちろん内にこだわって走るんでしょうけど、あんまりそういう競馬はしないのかなと思いますので、これ内外逆だったら逆にスキルヴィングが買いたくなるんですけど、ソールオリエンスの方は外っていうところをどう捉えるか、ルメールがどう乗るのか、外からブロックするのか、内ラチ沿いにこだわって走るのか、その辺はちょっと今回やはり注目なのかなというところですかね。

あとやっぱり内枠がやっぱりダービーのポイントになってくると思いますので、そういう意味で言うと先ほどこひさんからも、私からも話ありましたベラジオオペラあたり、特に横山典弘騎手の後ろについていけば結構いい思いをできるんじゃないかなと。やっぱりちょっとこれは馬券の紐には貼っていきたいなという東京でも実績ある馬ですから、買っていきたいなと思います。

蒼:はい、ありがとうございました。こひさんあと何かありますか?

こ:そうですね、明日のグリーンチャンネルの競馬中継のゲストが、私がゲスト大好きだった中村均調教師が全頭解説という形で、多分いつも通り早口いっぱいお喋りされるから皆さん是非楽しんでください。

蒼:はい、ありがとうございました。それではダービー展望の方はこれぐらいにいたしましょうか?僕もすごい楽しみなレースで、社台の念願の三冠が手に届くのかというところも含めてレースを楽しみたいと思います。勝った後の生産者インタビューはあったら感動するというか。それも含めて馬券的には人気薄が絡んでほしい気持ちもあるんですけど、今回は素直にソールオリエンスが勝ったらいいなと思っている自分がいます。ありがとうございました。


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