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「推せる」フェアにするために

はじめまして、新潮文庫nexの営業担当です。

前回の宣伝担当の記事からバトンを引き継ぎ、今回は、営業部の目線から今年の推せる!新潮文庫nexフェアについてお話ができればと思います。

フェアの役割とは

上の記事でも、そもそもフェアって何?ということで、文庫のフェアについて少しふれました。その中から、もう一度強調したいのは、「何もお知らせしなかったら、折角の素晴らしい本が気付いてさえもらえないかもしれない。だから私たちは、そのきっかけ作りのひとつとして、いろいろなフェアを考えています」ということ。

新潮文庫には3000点を超える作品が収録されています。そのすべてを置いていただいている書店さんは、大都市の、大きい書店さんだけです。素晴らしい作品なのに、なかなか日の目を見ない作品も、残念ながら存在します。

宣伝同様、営業の仕事も、読書のきっかけをつくる仕事です。
この業界に入って先輩から教わり、ずっと肝に銘じている言葉に

本は出会ったときが新刊

というのがあります。たまたま平積みされていた本、目的の本の隣に偶然並んでいた本等、出会い方は千差万別ですが、書店で手に取ったときこそが、その人にとっては新刊であり、新しい扉が開いた瞬間です
要するに、本にとっては、いつ出たかというのはあまり重要ではないわけです。私も、入社前は、新刊コーナーではなく面陳されている既刊を手に取ることの方が多かったです。

しかし、そうは言っても、書店の売り場面積にも限界がありますし、在庫できる冊数はおのずと制限されます。にもかかわらず、出版不況と言われ続ける中、新刊が毎日山のように出されています。
刊行が古いというだけで、返品されてしまう本もあるし、運良くお店に残れても、棚に1冊さされたままひっそりと誰かに見つけてもらうのを待ち続ける本もあります。そういう本に光を当てるのが、フェアの重要な役割です。

このフェアで目指したこと

毎年9月に開催している新潮文庫nexの周年フェアも今年で7年目を迎えました。フェアの打ち合わせは約半年前くらいからスタート。どんなコンセプトにしようか、どんなラインナップにしようかを編集、宣伝、営業で詰めていきます。

今年、フェアの打ち合わせを始めた時の私の一つの目標は、書店の方も楽しんで展開できるフェアにしたい、ということ。

もちろん、大前提として、読者の方に楽しんでいただきたい!というのはあります。ですが、実際読者がフェアに出会う場所は書店の売り場。そこの橋渡しをしてくれるのは書店の方に他ならない訳です。

とはいえ、出版社の営業は読者の方と直接関わる訳ではありません。大雑把に言ってしまえば、書店の方のお力を借りて、一緒に新潮社の本を読者の方へ届けようと二人三脚していく仕事です。

そこで、今回のフェアのコンセプト「推し」を軸に、編集、宣伝、営業の前のめりな熱量をそのまま書店員さん達と共有し、売り場で読者の方に届けられたらと画策しました。↓に詳しいです。

新潮社の営業部では、それぞれ部員が都心と地方それぞれのエリアを分担しているため、担当外の書店の方とは接点がありません。さらに、昨今のこのご時世。実際に書店店頭へうかがって売り場を見たり、フェアの感触をうかがったりご意見をいただく機会はどうしても減っています。

そのような中どうやってフェアの反響を見るか。書店のTwitterアカウントをめちゃくちゃエゴサします。(もちろん担当の書店とはお話しますが)

今のところの肌感覚しかありませんが、例年以上に多くの書店の方がフェアについて発信してくれているなあ、と感じています。

独自の工夫を凝らしてくださっている書店も。

一緒に「推し」を紹介してくださっているお店も!ありがたい限りです。。

新潮文庫nexの大元のコンセプトである、「キャラクター」と「文学」の融合というポイントをしっかり書店の方々と一緒に「推せる」フェアにできたのかな、という手応えがあります。

もちろん、読者の方の反響も今回大きく、ニヤニヤしながら読ませていただいています。キャラクターへの愛情が前のめりなほど出ているツイートもあったり、と読者の皆さんの「推す」気持ちが見える形で現れているのは出版社の人間としてとても感慨深いです。皆さんお買い求めいただき本当にありがとうございます!

というわけで、新潮文庫nex7周年フェアはお店に特典はある限りまだまだ続きます。フェアを注文しているお店でないと特典のしおりはもらえませんのでご注意を!

ぜひお気に入りのキャラクターのしおりが出たら #推せる新潮文庫nex のハッシュタグと一緒に投稿してみてください。


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