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文アルノベライズ第三弾発売中! 仁木英之『君に勧む杯 文豪とアルケミスト ノベライズ case井伏鱒二』

先週末の28日に新潮文庫nexより仁木英之『君に勧む杯 文豪とアルケミスト ノベライズ case井伏鱒二』が発売されました。

「文豪とアルケミスト」様とはゲームリリース当初から展示や全集、グッズ製作、そしてノベライズとたくさんのコラボレーションを行なわせていただきました。ゲームは今年で5周年を迎えられたとのこと。その節目の時に、こうしてまた第三作目のノベライズを刊行できたこと、大変うれしく思っております。

「文アル」ノベライズは文アルというゲームに惚れ込んだ作家さんそれぞれが自由にプロットを考え、「文豪とアルケミスト」という世界観を制作チームとすりあわせながら、作り上げた小説です。
(制作チームの皆さまの非常に丁寧な監修には本当に沢山助けられております、いつも大変的確なご指摘、ありがとうございます)

作品の内容についてはネタバレを極力したくはありませんし、今回の作品も、非常に力作となっておりますので、是非お手にとっていただけたらと思いますが

「文アル」ノベライズのおまけ要素としていつもこっそり忍ばせていることについて本日はお話できたらと思います。

といってもそう大きな話ではないのですが。

本の巻末には奥付広告と呼ばれる、既刊のラインナップが並んだページがあります。これは本のページ数を16の倍数にするための調整頁ではあるのですが、ここは編集者の個性がこっそり出てしまうところだったりします。

ネット通販などでよく、「この商品を買ったあなたへオススメ」というのが出てくるかと思うのですが、
奥付広告頁を作っている時は「この小説を買って最後まで読んだ読者なら、きっとこの作品も楽しく読んで下さるに違いない」という気持ちでラインナップを並べています。

「文アル」ノベライズのようにシリーズとして続いている作品の場合、はシリーズを先に載せることも多いのですが、「文アル」ノベライズの場合は登場している文豪たちの実作品をできる限り順番に並べています。

その心は……。
とある読者さんが感想として書いていらっしゃるのを見ましたが、我が意を得たりで非常にうれしくなりました。

そうなのです。
物語を守るために転生し、たった今終わった物語の中で戦いきった彼ら文豪達のカーテンコールだと思って並べているのです。物語の舞台の幕が下りたあと、もう一度舞台へ上がり、観客に向けてお辞儀をするように。

また、侵蝕された本の中での戦いの先に、沢山の読者の方によって読み継がれてきた名著たちが、これからも本として残り続けるのが当たり前のように並んでいるというのは、「文アル」ファンなら絶対にわかってくださるだろう「見たい光景」ではないかとも思っています。

現実領域と空想領域を曖昧にするような舞台装置として(というと仰々しすぎますが)あの頁も気が向いたら眺めていただけるとうれしいです。

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