【歌った】お月さまえらいの,どんぐりころちゃん|子どもの口から歌がひとりでに出てくる時【わらべうた】
わらべうた『お月さまえらいの』を歌いました🎤♪
また今回は、〝わらべうたをやってみた感想〟を日々いろいろいただく中で、こんな嬉しい報告、感想をいただいた!というエピソードなんかも、合わせてご紹介します☺️
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子どもが歌ってくれていると、とても嬉しいですよね!
特に、2才頃までにたくさんわらべうたを聴いていた子どもは、ある日突然、いろんな唄を自分ひとりで歌いだして、「いつ覚えたの?」と大人を驚かせてくれたりします。
その時期はちょうど、言語発達の上でも、爆発的に言葉がでてくる時です。そして発語が早い・遅いで、大人が一喜一憂しがちな時期でもあります。
……発語よりも、聴こうとする耳・真似しようとする心が先だ、といわれています。また、それはわらべうたにおいても同じ事がいえます。
文章部分、追記完了しました!(12/15 21時)
※文字起こしアプリを使用していますので、誤字などコメントで指摘もらえれば助かります!
うれしい感想 - 子どもがひとりで歌いだした
わらべうたをやっていたら、こういう嬉しい感想を頂いたことがあるよ、という思い出と、人気のある歌をシェアしたいと思ます
それでは1回歌いますので聞いてください
♬お月さまえらいの (歌詞)
『お月さまえらいの』という歌を歌いました
あぶくたったの会(わらべうたの会)の参加者さんが、娘さんに何度も何度も歌っていたところ……ある夜、娘さんの方から
「お月様きれい〜!お月さまえらいの…♪」
と自発的に歌い出したという話を送ってくれました!
驚いたと同時に嬉しかった!! ということだろうと思います。
その気持ち、すごく想像できますよね。 子どもがひとりでに歌い出した✨……わらべうたを やっている方ならきっと分かると思いますが……!✨
こちらが歌いかけてあげるだけじゃなかった、というね。
「えー! 歌ってる?!」っていう。 そういう時はすごく「この子の中に歌が入っているんだ?!」と実感できる瞬間で、それが何より嬉しいです。
一般的に、言語発達では、『2歳になると爆発的に発語が増える』といわれていますよね。今までに聞こえていた言葉の〝蓄積〟が、本人から一気に発せられる時というのでしょうか。
とはいえ言葉というのは、『発語よりも聞いて分かるようになるのが先』という理解が基本です。
ずっと、ずーっと、聞いていて……そしてある日いきなり出てくる、というこの流れ。2歳に限らず、わらべうたをやっていると、どの年代でも感じるところです。
小学生だって、例えばずっと壁際で〝壁の花〟をやっていた(飾りのように動かないことをそう言ったりします)子どもが、(でも? ずっと見ていたんですよね。見てるって事はすごく大事なことですよね。)
いきなり遊びに入ってきたかと思えば、そうしたら、こんなにちゃんと歌えるし遊べるじゃん?! というのを経験したということもあります。
歌が勝手に出てくる 子どもだけで遊べる ……ここを目指したいものです!
歌がひとりでに出てくる……子どもだけで遊べる……それが、私たちが目指すべき ゴールであり大切な目標のひとつ、かもしれないですね。
いつも大人発で歌いはじめるとか、遊びはじめてあげるのではなくて。
わらべうたが本当に子どものものになること。それもキレイな月を見たときに〝なんとなく歌が出てくる〟なんて風になったら、もう本当に、
「ああ、この子の中にわらべうたが入ったんだな」
と思って、喜んであげたいところです。どんな歌でもそうですね。
……という点で面白いと思うところだと、保育園では、そのとき流行っているわらべうたなんかがあると、2歳くらいの子も「ぶつぶつ」呟くように必死に歌い出すという事があります。(幼児の遊び歌を、気づいたら乳児が自分のものにしていた、なんてケースです。)
♬どんぐりころちゃん (歌詞)
流行りやすい唄ということだと、『どんぐりころちゃん』がまず思い浮かびます。
これは意外と難しい唄です。
1回、歌ってみるので、音の幅がどれぐらい広いか、を注意して聞いてみてください。
この音、もし移動ドで歌うとすると?
ラララドレドレ ミソミミレドレ… という風に 〝ラドレミソ〟が全部出てきます。ペンタトニックの音階でできている、わらべうたらしさが分かりやすい音の構成ではあります。
けれども、5つも音が出てくるっていうのは、乳児向けの唄ではありません。
元の歌はまりつき唄だそうです。たぶん、最後の「しょ!」のところで何か 技をする遊びだと思いますが、なぜか現代ではちょっと違う広まり方をしています。(まぁ今回はそれは置いといて…。)
乳児に歌わせるというよりは大人が歌って聞かせてあげるものでしょう。
ただ、よく、お兄ちゃんのクラスが歌って遊んでいるのを聞いて、2歳児も歌い始めた!なんて事はざらにありますし、自然にそうなる分にはいいと思います。
◇発語よりも先に、気になる耳、聞きたくなる心、が先にある
とにかく言語獲得における幼少期というのは、〝言葉が気になる耳〟を作ってあげるのが大事、と言われています。気になる耳……何か言語っぽいものが聞こえてきたら、つい聞いてしまう耳、ということです。
いつも言うように、わらべうたというのは決まった〝モチーフ〟の繰り返しであることがすぐに分かり、しかも再現性が高いようにできています。
要は、真似しようと思ったらちゃんと真似できる。ということ。
ここからここまでが〝ひとまとまり〟で、その〝ひとまとまり〟は「つい真似したくなる」「真似できる」そういう造りです。
先ほども、発語よりも聞いて分かるのが先、そういう流れがあるのだと言いましたけれども 、
子どものなかで、ずっと「なんか、気になるな~、気になるな~」って聞いている時間の大切さ、ですよね。目には見えないものですが、気になる、という気持ちが先にあるのです。
好きな人の声だから聞きたい。真似したら面白そうだから聞きたい。つまりは〝心〟が先にある。
気になって聞きたくなる〝心〟。これをいかに育ててあげるか、というわけです。
環境・大人のはたらきかけ
それを育てるための環境と大人の働きかけを、どう用意できるか、ですよね。ずっとCDやビデオを流しっぱなしじゃないということですね。(静けさがないと、聞きたい音があることに気づきません。)
また、遠野の呼びかけの唄のように……、
子どもの「かあ かあ」ってマネがあればすぐさま大人も
「そうだよ、かあかあ、お家に帰るとこなのかもね」と拾ってやり、心の表現をつけくわえてさらにもう一度意識に起こしてあげる……、
というのも大事なことになってくるでしょうか。
資料の使い方・気にするべきところ
『お月さまえらいの』は岡山の歌です
これ、メロディーはもしかしたら、後づけ(作曲)なのかもしれません。
収録されている本は日本伝承童謡集成 という、あの北原白秋 が集めたわらべ歌の本です。
この本は、まったく楽譜の記載はない本です。
北原白秋というのはやはり詩人ですから、言葉の面で当時 わらべうたに注目していて、たくさん各地のわらべ歌を集めてくれたんですね。詩人ということもありますし、また、その当時の男の人が積極的に子育てに関わっていたとは思えないので……内容の仕分けも子育て目線ではなく、あくまで歌詞のみで一貫しています。言葉で分類するしかできなかったんでしょう。
歌詞にどんな言葉が出てくるか。天体気象の歌~とか、その植物の歌~という風に、言葉の意味だけで分類した本になっています。
ですので、どういう遊びがそこにあったのか分かませし、楽譜が載ってないのでリズムでの推察も難しいです。
『お月様えらいの』を伝承として記載している本が、どうもこの本の他には無さそうなので、わらべうたとして紹介する時には一言付け加えたいものです。
ただ、嬉しい 感想をいただいたということから、この話をはじめましたけれども、やっぱりすごく良い歌で、子どももお母さんも惹きつける魅力があるので……。
伝え方には慎重に、だけどぜひ歌い続けていってほしい歌の1つです。😊
(音のつくりも民謡音階(ペンタトニック)で自然ですし 、モチーフの繰り返しも優美で、特徴のひとつひとつはわらべうたと同様で目的にかなうと思います。)
※今回も、『とんびとんび』の時と同様に、こちらの本をおおいに参考にさせてもらっています!
誰がどんな立場から書いているか?
そう、資料は見比べることが大事だよね、比べた上で『自分で考える』のが大事だよね ということです。資料は使い方が肝心。
誰が書いたか? + いつ書かれたか? この二点のチェックが特に肝心です。
誰が、どんな立場から書いてるのか? 専門分野といわれるものでもいろいろあります。
例えば、わらべうたの〝収集〟の専門家、フィールドワークや採譜における専門性と、
実際の子育てに関わり、「こういう発達の時期に適している」といったことに詳しい・子育てや保育における専門性と……、
これらは全くその得意分野が違います。
それこそ北原白秋は、詩表現が専門であり、音の抒情や韻律にとても敏感でした。彼の分類は言葉でやってると言いましたが、なのでそれは「詩人だからだな」というのを読み手のこっちがきちんと受け取ればいいことです。
つまりは資料的な種類の違いを意識するといい、ということですよね。
もっとつっこんで言えば、例えば、私の尊敬する尾原昭夫先生は全国各地で採譜を行ってきた実績をもち、わらべうた学において誰よりも頼れる研究者と思いますが、尾原昭夫先生に子育ての質問をする? のは、なんかちょっと違うなと思います。それは、ただただ、頼るべき分野の違いということです。わらべうたの使い方や実際の子育てについては、そちらのプロ、に聞きたいところですよね。
いつ書かれたか?
いつ書かれたかを気にする、ということは、科学とは更新されていくものですから
例えば発達科学などの知識がちゃんと更新されているかどうか、
「何年に発行された本(論文)なのかな?」「新しい学説はでてないかな?」というのを、 気にしておかなければね、ということです。
その他感想 - わらべうたの力
「わらべうたを、泣いている子・気持ちの崩れている子にそっと歌ったら、ふっと泣きやんで聴いてくれます、そこにわらべうたの力を感じました。」
「いつも初めての歌をおろす時というのはすごく緊張します。」
実践報告から、このような言葉をもらっています。とても嬉しく思います!
(そうなんですよね! だって、どんなベテランの先生だってそう言いますよ、初めての歌は緊張するとか、やってみて「あぁ今じゃなかった、違った」と思ったらやめてみるとかね。「引き際も大事」とはよく言ったものですよね!)
「自分がこれだけは得意といえる歌を1つでも増やしたい」
(ただ新しい遊びをどんどん試すのでなく)こういう気持ちでやってくれていることが、すごく嬉しいですよね。
あと、重要だと思ったところでいうと、
「この歌、他の保育士がすごく気に入って歌ってくれました」という感想がありました。
参加者は保育士さんが多いのですが、その中でやはり課題として
『職場の仲間にどう広めていくか』『みんなでわらべ歌に取り組もうと決まったが、では何をどうすればいいか?』 そういうものが見られます。
(本当だったら、子どもの何を引き出そうかとか、子どものことを第一議として考えたいものですけれども……それは理想論でして……。)
実際問題、大人が大人にどう伝えていくかというのはすごく大事なことです。まずは、とにかく「いいな」と思って好きになってもらうことから、とは思います。
学ぶ人が、まずどういったところで興味をもつものか?
私が実感しているところだと、
「わらべうたを歌っている先生と子どもの姿がすごく素敵だったから始めた」というケースや、
「この人みたいになりたい! という憧れの先輩がいて始めた」というケース……。つまりは第一印象、理屈ではなく感覚から入ったということが、当然ながら多いんですね。
だからやっぱり、(他人に広めたいと思ったら)まず自分が変わる姿を見せるってことも、すごく大事でしょうし……。
子どもが変わっていく姿、これが何よりの証拠になる。これは変わらず強いな、と思います。
きっかけになりやすい歌
なんにせよ、きっかけになりやすい 歌、というものはありますよね。
みんなに気に入ってもらいやすい、って言ってしまうとアレなんですけれども……。みんなで 同じ目的を共有しやすい、そういう歌はきっとあります。
そういった意味で、「お月さまえらいの」や「どんぐりころちゃん」が役に立ったらいいな、と思います。
例えば『お月さまえらいの』であれば?
よく〝種をまく〟と表現しますが、いきなり「鏡」「櫛」など歌詞の意味から入ろうとするのではなく、そういうのはいつか〝種が芽吹く〟のを待つ(子どもが自分で気づく)だから面白いのであって、
勉強にはせず遊びのまま伝えていく、という考え方を、この歌をきっかけにぜひ共有したいものです。
また、大人は自身で歌いながらも感覚をよくとぎすまし、子どもがどういう風に聞いているか、子どもの様子を「聴こうとしてるな」「耳が育ってそうだな」とか、「何か考えてるな」とか「リラックスしてるな」とか、よく観察をしてほしいですよね。
いろんなことに気づく心の方が先だよね、ということ。それを共有していきたいものだなと思います。
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