見出し画像

【日々の歴史雑記】南京大虐殺とグリーンランド~跳梁するデンマーク

さて、歴史雑記と題していますが、かなり現代的なテーマのお話です。

1,南京大虐殺

1937年、第2次上海事変で中国国民党中央軍を撃破した大日本帝国陸海軍が、撤退する中国軍を追撃して、中国首都の南京を落とした際、現地住民30万人(?)を虐殺した…とされる事件です。

この事件が、もはや捏造であることは、言うまでもないでしょう。
中国は、公式見解として史実であることを主張していますが、今のところ、南京大虐殺否定論に有効な反論ができていません。
ユネスコに南京事件が登録されたのは、あくまで中国の強烈なロビー活動の結果であり、歴史学的な根拠が弱いことは明らかです。

実際には、むしろ国民党軍の撤収に伴う略奪や、蒋介石の黄河決壊作戦の方が、膨大な現地民の犠牲を強いたことが明らかになりつつあります。
また、南京そのものとは関係ありませんが、通州事件など、日本人居留民が虐殺された事件も明らかになっています。

昨年、EU議会において、ソ連・共産主義が、ナチス・ドイツとともに人類の悲劇をもたらした存在として明言されましたが、1991年のソ連崩壊から、昨年になって、ようやくのことです。

歴史研究の常識と、政治的な公式見解との間には、数十年単位でズレが生じるのは、仕方ないのかもしれません。

さて、本稿は、南京大虐殺の有無は、さほど問題だと思っていません。
問題なのは、誰が“南京大虐殺”をつくったのかという点だと思っています。

もし、南京大虐殺が史実であると主張される方がいるのであれば…、
ではなぜ“南京大虐殺”が問題化したのか、と言い換えていただいてもかまいません。

もちろん、近年では、南京をめぐる詳細な情報が、明らかになってきています。
毛沢東が、この事件にほとんど触れてこなかったこと。江沢民政権の反日プロパガンダの結果であることなどなど。
南京大虐殺を政治的に利用したのが、中国共産党政府であることは、それはその通りでしょう。

ですが、そもそもこの南京「大虐殺」という概念を用意したのは、はたして中国共産党政府なのでしょうか。

近年、筆者がこのような記事を書いている時点で、すでに中国のプロパガンダとしての南京「大虐殺」の力が弱くなりつつあることは、この記事を読んでいただける方にとっては明白でしょう。
その証左とまでは言いませんが、南京大虐殺記念館で毎年行われる12月13日の追悼式典に、習近平国家主席が2018年、2019年と2年連続で出席していません(それ故に、今年2020年は、どうなるか見所ですが)。
これについては、武漢でウイルス禍が発生した直前まで習近平主席の国賓来日が内定していたため、日本への配慮があったという点は考慮すべきかもしれません。

ですが、それでも、中国でさえ配慮した、この時期だったからこそ、今回とりあげる問題は重要だと思っています。

2,南京大虐殺の英雄とマルグレーテ2世

南京攻防戦の中で、現地市民を匿ったとされるベルンハルト・シンドバーグというデンマーク人がいます。
2019年、8月31日、デンマークで彼を記念する銅像の除幕式が行われたのですが、そこにはデンマーク女王マルグレーテ2世の姿もあったのです。

この2019年だけではありません。
マルグレーテ2世は、南京大虐殺に対して、なみなみならぬ関心を示してきました。
2014年4月27日には、南京大虐殺記念館を訪れ、以下のように表明しています。

「南京大虐殺記念館は77年前にこの美しい都市で起きた最も暗黒の歴史を記録している。私たちは残酷な歴史を変えるすべはないが、そこから経験と教訓を学ぶことができる」(「人民網日本語版」2014年4月28日

これがマルグレーテ2世、個人の主義主張である、と考える人はすくないでしょう。
この方は、まがりなりにもデンマークの王なのです。
原則として現代においても、王の思想は、国家の思想と捉えるべきだと、筆者は考えています。

3,グリーンランド独立と中国

2019年8月20日、アメリカのトランプ大統領は、デンマーク訪問を中止すると発表しました。トランプ大統領は、マルグレーテ2世の招待で、9月2日にデンマークを訪れる予定でした。
発端は、さる8月15日、トランプ大統領がデンマーク自治領のグリーンランド購入を側近と相談したという報道でした。非公式な議論でしたが、デンマークのメテ・フレデリクセン首相がグリーンランド購入を拒否する発言をしたことで、トランプのデンマーク訪問は中止となったわけです。

さて、この際、グリーンランド自治領の外相は、以下のように述べています。

グリーンランドの外相はツイッターで「グリーンランドは鉱物や澄み切った水や氷、魚にシーフード、再生可能エネルギーなど価値ある資源に富んでいる。また、冒険ツーリズムの新たなフロンティアでもある。われわれはビジネスには前向きだが、売却するつもりはない」と述べた。(“トランプはなぜ極寒のグリーンランドが欲しいのか”ニューズウィーク 2019年8月19日

結局、この話題は、デンマーク本国、グリーンランド自治領の首脳陣が、売却を明確に否定したことでニュースの舞台からは消えて行きました。


2008年〜2009年にかけて、グリーンランドでは、自治拡大の住民投票が行われ、公用語がグリーンランド語に、そして警察、司法、沿岸警備の権限が自治政府に移譲されました。当時のエノクセン首相は、“遠くない将来に完全独立が実現することを望む”と公言しています“数年後には独立? グリーンランド”世界の国旗・国歌研究会2019年5月15日)。
そして、2015年、グリーンランド自治政府のキールセン首相が、デンマークからの独立を“強く希望する”と表明しました(日本経済新聞2015年4月11日電子版)。
その後、2018年には、中国資本による空港などインフラ整備をめぐって、デンマーク政府が介入、デンマークの介入に反対して、親中のナレラック党が与党連立を離脱したことで、連立政府が崩壊します。"グリーンランドの地下資源と北極圏の軍事拠点を狙う中国"ニューズウィーク2018年9月11日(火)15時00分
ナレラック党だけではありません。
中国からの資源開発資金と観光客を狙って、キールセン首相自身も観光客誘致の使節団を率いて訪中しているのです。(“トランプ大統領が何と言おうと、中国に頼るグリーンランド”WEDGE Infinitity2019年9月4日

つまり、グリーンランド自治領そのものが、「われわれはビジネスには前向きだが、売却するつもりはない」としつつも、デンマークからの独立を狙って、中国資本を取り込もうとしているのです。

 グリーンランドは、人口5万6000人、主要産業は輸出額の90%以上を稼ぐ水産業です。ただし、他に大きな産業はなく、政府歳出額、約116億デンマーククローネ(約17億米ドル)の約3分の1相当をデンマーク政府からの補助金に依存しています。(“トランプ大統領が何と言おうと、中国に頼るグリーンランド”WEDGE Infinitity2019年9月4日

デンマークは、広範な自治を認めてきましたが、補助金によってグリーンランドをつなぎとめています。
これは重要な点です。
ハタから見れば、グリーンランド側が、将来の北極海開発の進展をテコにして、自治領としての地位をふりかざしながら、デンマークと中国を天秤に掛けているように見えるからです。

さて、グリーンランドの動きを整理すると、つまり、“将来”の地下資源開発を担保とする未来の“独立”をテコにして、大国の資本を取り込もうとしているわけです。

ですが、この地下資源を原資とする独立への論理を、我々は素直に受け取るべきなのでしょうか。

現在、自治領とはいえグリーンランドはデンマークに所属しています。
グリーンランド自治領が、"将来"の北極利権を担保とする独立を狙いながらも、デンマークの補助金に依存していることはここまで確認しましたが…
逆に、デンマークはなぜ補助金を出してまでグリーンランドを繋ぎ止めなければならないのか。その背景には、やはり、"将来"の北極利権の掌握があります(高橋美野梨"北極利権問題とデンマーク"境界研究2,2011)。
つまり、デンマークもグリーンランドも、現状は、“将来”の利権を求めて互いにつながっている状態なのです。

さて、なにかおかしいことに気づかされます。

2020年4月、WTI石油先物が史上初のマイナスを更新したのは記憶に新しいと思います。そして、デンマークやグリーンランドが狙っている地下資源には、石油以外にもレアメタルなど鉱物資源も含まれているのですが、いまだに採算がとれる確証は得られていないのです。

4、グリーンランドとアメリカの核戦略から見る南京“大虐殺”の位置

さて、地球儀の上から見ると、グリーンランドは、ワシントンとモスクワを結ぶ直線上に位置することがわかります。つまり、アメリカとロシアの大陸弾道弾が飛び交う場所なのです。
そのため、米ソ冷戦時代には、グリーンランドンのチューレ空軍基地を拠点として、米空軍の核を搭載した戦略爆撃機B-52が、24時間体制で上空を旋回していました。

米ソ冷戦が終わると、2000年代前半頃、地球温暖化による氷山の減少予測と、アメリカ同時多発テロ後の石油価格の上昇を背景として、北極海は、周辺諸国の利権争いが本格化していきます。
そして、この21世紀の北極海をめぐる駆け引きにおいて、いち早く主導権を握ったのが、グリーンランドを通じて介入したデンマークでした(高橋美野梨"北極利権問題とデンマーク"境界研究2,2011)。

さて、トランプ大統領による2020年8月のグリーンランド購入発言ですが、それに先立つ4月には、アメリカによるグリーンランドへの経済支援と領事館の設置が報道されていました。
これに対して、キールセン自治政府首相は、「朗報」だと述べましたが、自治政府の野党は、米国が軍事的なプレゼンスを高めることにつながりかねないと批判しています。 ("米、グリーンランドに13億円支援 中国やロシアに対抗"ウォール・ストリートジャーナル 2020 年 4 月 24 日

トランプ大統領の発言は、このグリーンランドという国際秩序の不安定要素を浮き彫りにしたとも言えます。そして、デンマークは、この発言に対して、即座に、明確に拒否しました。理論的には、独立をも容認可能なグリーンランドの“自治法”があるにもかかわらず、デンマーク本国の意思を、即座に表明したのです。

さて、ここからは、完全な筆者の憶測です。

かつて、ソ連は、アメリカの懐とも言えるキューバに、核ミサイル基地を建設しようとして失敗しました(キューバ危機)。それでも米ソ冷戦は1991年まで続いたのです。もしグリーンランドに、中国の橋頭堡が築かれれば、米中冷戦は我々が思う以上に長期化していくことになるでしょう。

そして、グリーンランドを介して北極海利権の主導権を握るデンマークこそが、グリーンランドの“独立”を利用することで、徐々に中国の影響力を北極圏に引っ張り込み、米中冷戦の構造を創り出そうとしているのではないでしょうか。

この見方に立ったとき、デンマークは、南京“大虐殺”というプロパガンダを強化することで、東アジア側の軋轢の種を“将来”に向かって撒いているのではないか。と、思えてくるのです。

話が長くなりましたが、筆者はつまり、グリーンランドをめぐるデンマークの動きを情況証拠としながら、デンマークに対する南京大虐殺への姿勢を考えたかったのです。

“分断して統治する”という言葉があります。もし将来、新しい冷戦の中で、世界の分裂と対立をテコにして、富をむさぼる国家があるとすれば、それはデンマークなのではないでしょうか。

最後に繰り返しますが、中国でさえ配慮するこの時期に、デンマーク女王が、積極的に南京"大虐殺"に関わってきていることは、記憶されるべき事件と言えるでしょう。

*本記事の主張は、あくまで筆者個人の意見です。
*今回の記事は、下記の情報から思いつきました。

◆核戦略の要衝としてのグリーンランドについては、YouTube「ゆっくりユプシロン」チャンネルさん

◆南京大虐殺の“英雄”シンドバーグとマルグレーテ2世
BBC、AFPニュース記事




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?