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『孟子』56公孫丑下―孟子と公孫丑の対話(10)俸禄をもらうということ
孟子は斉を去ると、休(きゅう)の地に滞在した。
公孫丑は質問して言った。
「仕えても俸禄を受けないというのが、古のただしい道なのでしょうか。」
孟子は言った。
「いやいや、私のように俸禄を受けないことが、古のただしい道というわけではないよ。
以前、崇(すう)の地で、私は湣王とお会いすることができた。
そして、そこから退出した時点で、ここを去ろうと決意していた。
そこで、気持ちが変わらないように、俸禄を受けなかったのだ。
だが、そうこうするうちに戦争が始まってしまい、暇を願い出ることができなくなってしまった。
そのため、長らく斉に滞在することになってしまった。
そもそも、斉にずっと滞在することは、私の願いではなかったのだ。」
*『孟子』56公孫丑下―孟子と公孫丑の対話(10)俸禄をもらうということ
*現代語訳に満足できず、『孟子』を漢文訓読で読みたいという人はこちら
【原文】
孟子去齊、居休。公孫丑問曰、「仕而不受祿、古之道乎。」曰、「非也。於崇、吾得見王。退而有去志、不欲變、故不受也。繼而有師命、不可以請。久於齊、非我志也。」
*この記事の訳は、原則として趙岐注の解釈にしたがっています
*ヘッダー画像:Wikipedia「孟子」
*ヘッダー題辞:©順淵
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