魯と孔子12 ー三桓氏の変質ー「牛人」をめぐる国際情勢(4), 魯の軍制改革
中島敦「牛人」の物語の結末は、叔孫豹の餓死である。
落とし子の恨みか、もっとどす黒い何かがあるのか…、
魯の元勲である叔孫豹は、小姓として可愛がった豎牛(じゅぎゅう)によって餓死させられたと伝わる。前538年のことである。
では、この叔孫豹の死は、魯国の歴史、ひいては春秋時代の歴史においていかなる意味を有するのであろうか。
叔孫豹が軍事外交に活躍していた前562年、季孫氏の当主である季孫宿が軍制改革を提案した。
この提案に従い、魯では軍制改革が行われた。『左伝』によれば、以