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天の川

天の川は渡れない
いつだってあそこは通行止めだ。そしてそこには警備員がいる。
ピーッ!
天の川に近づくとホイッスルを鳴らされた。
「お兄さん、止まって」
「ここ通りたいんですけど」
「ここはね、織姫様と彦星様が七夕に通るためだけの道なんだよ。それ以外は通れないの」
すごいな。この宇宙に2人しか利用できないのに専用の道があるなんて。
「俺、彦b…」
彦星と言いかけた途端、警備員の顔が鬼のようになったので
「星様に仕えるカササギです」言い換えた。
「いやいや、今日七夕じゃないし、お兄さんカササギじゃないよね?」
「…すいません」
バレた。ダメだったか。
今は12月。こんな真冬に通れるわけないか。寒い中警備員さんもご苦労なことだ。諦めて別の道を探そう。
天の川を渡ってすぐの所にいるこぐまに話がしたいことがあるのに、こうなってしまっては遠回りになりそうだ。
「何してんだ、ハト?」
偶然近くを通りかかったのは俺ことハト座の北にいるオリオン座である。オリオンにこれまでの事情を話した。するとオリオンは
「そうか、なら遠回りになるが一緒に行くか?お前がウサギなら食べてる所だがな」
ケラケラ笑いながら話すオリオン。そういえばオリオンと俺の間にいるウサギはオリオンの獲物だったな。
「けどあれなんだな。カササギは良くてもハトはだめなんだな」
なんでもない会話ができるオリオンとなら
どんな夜も生きていける

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