![きつね](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/13783727/rectangle_large_type_2_0c64a3baa0d6a3d007ad2d286dbd4d58.jpeg?width=1200)
産廃のゆめ
人としての劣等感が募りに募りもはや身動きが取れない、もがくことを止めてしまった連中は自分たちの魂がリサイクルできない、されない生き物であると自覚した。そのときから芽生えていたのはとある夢でそれは何かと言うと、つまり記憶を引き継いでズルしたまま産まれ直したいという願望であり、プラスアルファとして求めるには度が過ぎているサービス内容として、二次元のようにつるっつるな(出来れば劇画調は回避した)画質の皮膚を纏い、自分より馬鹿が大勢いる数倍未熟な社会で覇権を唱えたいという、人間をやめるカスタイマイズを施さなければ人間が続けられないとかそんな感じのもの。正直何を言ってるかわからないレベルのオプションを無料で求めている。ヘルスでは大体メガネくらいまでは無料オプションなので俺はメガネで満足できるしむしろメガネが好きだが、さすがに人間でいたいけど人間をやめたパワーが必要不可欠ってのはどうなのか。いい歳をして幼稚園児以下の行き過ぎたおねだりではないのか。なんというか、卑怯者のアホたれが器通りの小っさいタンクに溜め込み続けて腐らせた精子、それが夢の中身であり荒唐無稽な絵空事であり、永遠に終わらない冒険の書というわけか。そんなに行きたいか異世界。異世界ってそもそも普通の人間には危険な場所っていう認識が脳に刷り込まれているわけで、そんなカジュアルにトラックに轢かれてコンビニに行くような感覚で行ける場所ではない。漂流教室だったりデビルマンだったりナウシカだったり、とにかく右も左もわからないまま放り出されたら最後、一歩踏み出すのにも薄氷のうえの安全とは程遠い世界が異世界であるはず。はずだった。はずだったというのは今の異世界事情はどうやら違っているらしく、一言で言うと異世界イコール優しい易しい世界になっちまったということ。しかもそれがウケにウケているというのだから流行に敏感でいたいと感じる。
いいぞもっとやれと言いたい
お前らそのままできれば二度と帰ってくるな。ずっと指しゃぶって揺りかごに揺られたまま覚めないで生きてろ。
産廃なんだから夢の世界にしか捨てるスペースはない。
現実世界にお前らを廃棄できるところなんてもうないんだよ。
どこもかしこもいっぱいだ。
産廃って良い言葉だよな
産まれながらの廃棄物
なんて
異世界の主人公の設定としては完璧じゃねえか。そこから無双することでカタルシスが生まれるんだろう。腐ったタンクの内容物をふき取ってくれるパルプには、目と頭がやたらでかい絵で飾られているだろう。お前らは一歩も移動せずにそのままの姿勢で頑張って動け。同じ挙動で。外に出ず誰にも迷惑かけずに不幸も薄く幸も薄く影の真ん中で静かに息を吸って吐いて飽きたらそのまま死ぬか、一つだけの世界を世界だと忘れたころに思い出したように外を散歩してみろよ。
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