南フランスの港町を音声ナビで歩きたい。
南フランス、ニースとカンヌの間にアンティーブという古い港町があります。最近ではすべてのTGBが泊まる、そこそこの大きさの町です。初めてここに滞在したのは46歳のとき。以後、何度となく訊ねている、お気に入りの町です。
【アンティーブに行きたい】
さて、来月、そこを訪れることにしました。
この視力なので、自分が歩くために音声ナビを使います。そのためのルートの準備をはじめてます。
町の大体の構造はアタマに入っているつもりです。ところが位置関係を確認しようとしても、地図をみないで、誰かに言葉だけで説明してもらうのはどえらく大変です。
あらためて、自分の頭の中の地図と現実の方位が30度ほど傾いていることに気づきました。
【ナビのためのルートファイルづくり】
さて、下記は宿泊施設から旧市街を通って美術館に至850mほどの経路です。
Google が提案してくる自転車用の経路では、850mほどを200ほどのノードで折れ線近似しています。
そのノードをつぶさにエクセルにいれて精査したのですが、えらい矛盾含みです。200ノードということは、4mそこそこごとに進行方向が変わる、ということになります。とんでもなくややこしいです。30度以上曲がるコーナーも14ほどあります。
この街区では、狭い道路をはさんで2階建て以上の石造りの建物がならんでおり、GPSの誤差は軽く10mにはなるでしょう。こまかなナビゲーションは無理です。あきらめです。
【現実的な対応】
次善に完成度の高いルートファイルを用意することはほどほどにして、現地での対応をメインにすえます。
① 紙の地図を見ながら妻と 空が開けた道をゆっくり歩く。同時にお散歩の友アプリ出歩行経路を記録する。
② おなじ道を、上記のルートファイルを再生しながら戻り、、要所要所でコメントを作成する。現在のバージョンでは直接コメントを入れられないのでICレコーダーにポイント番号とコメントを録音します。宿でこれらをキーボード経由で追記するのです。
③ 翌日以降、そのルートファイル(コメント着き)で単独歩行をこころみる。
ただ、この街区では、道のややこしさ、障害物の多さ、人通りなどを加味すると、成功確率は低いです。
【将来的なソリューション】
このような街を視覚障害者が単独で歩くためには:
○ 前方の状況を画像で捉え、それを全体的に把握して、どちらの方向に道が進んでいるか判断する。
たとえば、空が開けている方向、白線や縁石が向かっている方向が進路らしい、と判定します。もちろん地図データベース、StreetView、GPS、方位コンパスも併用します。こうなるとかなり車の自動運転に近いです。
○ 上記マクロ的な判別処理に加えて、目前の障害物も検知・警告します。現地には歩道に乗り上げて駐車することを防ぐため、高さ1mほどの丈夫な鉄のポールが発っており、ぶつかるととても痛いです。また、歩道に営業用のテールルが出ているのは普通です。旅番組などでおなじみの後継です。
残念ながら上のアルゴリズムの開発は、年取った個人には手がでません。かつて一緒に仕事をしたこともある、スタンフォード大を出たドクターたちがなつかしい。彼らならできるにちがいない。
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そのナビで歩いてルートを作る機能のデモの動画はこちらです。
https://youtu.be/g5aZkCYnG0U