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ハンバーガー屋さんの小説の話

オス、小説読んでるか?(挨拶)

人間はどうして本を積んでしまうんだろう?と思いながらもどこかに出かけるたび新たに本を買って帰ってきてしまう。
自分が読む速度を考えずに次々に本を買うからいけないわけですけど。

今回は読んだ本を一冊と積んでる本を二冊でかくぞ!

『人間の土地』サン=テグジュペリ

サン=テグジュペリの『人間の土地』文庫版は非常に解説がよろしい。

コレは表紙絵が宮崎駿、解説も宮崎駿という贅沢っぷり。
解説にはパヤオのサン=テグジュペリに対する眼差しというか、愛が溢れているんですが、それ以上に溢れているのは戦闘機、ひいては戦争に使用される兵器に関する愛。
僕がコレを初めて読んだ当時はまだ『風立ちぬ』も放映前で、なるほどね、こういう愛があったから『紅の豚』を作ったのかぁと思ったものでした。
戦争やそもそも人間が大嫌いなのに、戦争に使用されるものや人間が作ったもの(と子供)が大好きなアンビバレンツ宮崎の複雑な内心が描かれている点が信者としては非常に最高です。今コレを読むと、なぜパヤオが『風立ちぬ』を作ったのかがよくわかった気になれます。オヌヌメ。
コレに関して、当然本編もすごい良く、よく言われるのは大人版『星の王子様』
『夜間飛行』を彼がなぜ書いたのかもふんわりと感じられます。

あとパヤオの信者的には、『紅の豚』に出てくる飛行機乗りたちへの感情移入度が爆発的に上がる点も良い。
とにかく名著。読め。

『天の光は全て星』 フレデリック・ブラウン

『天元突破グレンラガン』の最終話サブタイトルで有名な(雑な説明)名作。
と聞いているけれど、カバンの中に入れっぱなしでまだ12pまでしか読んでいない。
読もうと思っている小説がカバンの中でお守り化することってよくありますよね?あるだろ。
関係ないんですが、僕は『キノの旅』の時雨沢圭一先生の影響で本をあとがきや解説から読む癖があり、この作品も多分に漏れず解説ばかり読んでいまする。なんなら繰り返し読んでいるまである。

まぁ、今作に関しては、グレンラガン脚本担当中島かずき様が解説を書いているからって理由が大きいんですが。
この解説は、氏の作品感想+グレンラガン製作裏話というか思い出みたいな感じになっているのでグレンラガンが好きなら読もう。
ぶっちゃけコレはまだ全然読んでないのでコレくらいしか書く事がない。
悲しい。


『冬の夜、ひとりの旅人が』 イタロ・カルヴィーノ

この前大森にある「あんず文庫」さんで購入した本。
この本には割と思い入れが。
学生時代に良く本や漫画や映画の話をしていた「カスやん」なる男にこの本を紹介されたのが本当に最初の出会い。

あなたはイタロ・カルヴィーノの新しい小説『冬の夜ひとりの旅人が』を読み始めようとしている

という書き出しが有名。

大学に所属するも全く授業に出ない不良大学生だった僕は、本来勉学に費やすはずの時間のほとんど全てを遊びに費やしていたんですが、その遊びの中には「読んだ本の話を延々と酒を飲みながらし続ける」というものがありました。あったはず。まあ、普通に飲み会ですわね。
僕は今も昔もずっとめんどくさいオタクとして生きてきたので当時から「メタ」展開みたいなものが大好きでした。その「読んだ本の話をする」飲み会では、『動物化するポストモダン」の影響で雑にオタクをメタ的に語ったり、安部公房の『箱男』のメタ的な物語構造がどうだの言ったり、メタルギアはメタとか言ったり、遺作だったか臭作だったか鬼作だったかがメタ展開なんだよみたいな脈絡もなく破廉恥ゲームの話をしたりしてたわけなんですが、件のカスやんがその時に教えてくれたのがイタロ・カルヴィーノでした。
あらすじを聞かされてからというもの古書店に足を運ぶ度に探してはいたんですが、どうにも機会に恵まれず結局手にしたのは32歳を目前に控えた9月の半ば。
大森は山王にある古書店「あんず書房」さんでこの本を見つけた時、あの頃の青春がブワッと香ってきてきました。
コレで滅茶苦茶そのカスやんを思い出したんですけど、この本を手に入れる約1ヶ月前に彼と10年弱ぶりの再開を果たしてしまっていたため、あまりオシャレな感じにならなかったなぁ、と。
再開する順番が逆なら、なんかすごい示唆的というか、ブンガク的だったんですけどね。

と、まあこんな感じで、本三選です。

ぼちぼち本を消化するシーズンに突入したいなぁと思う今日この頃。

じゃあの。

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