見出し画像

腫瘍は私たちの味方である

腫瘍は私たちの味方である~「B17 第2巻 癌クリニックの体験」(1979年初版発行 著者:ジョン・A・リチャードソン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)を紹介します。
※で囲んだ文章はシン・説が僭越ながら解説している部分です。
 

私の最初の患者は治癒後も腕の切断をすすめられた


私の最初の患者は、私の診療所に勤務する看護婦の一人、シャーロット・アンダーソンの妹のミルドレッド・シーボルトであった。左腕に進行した悪性黒色腫を持っていた。診察していた医師は余命約6週間と彼女に伝え、直ちに腕を切断するようすすめた。この患者にB17を使ったところ、即効的に患部が治り始めた。2か月もたたないうちに彼女の腕は正常な外観と機能を取り戻し、注射を止めて維持量の服用に切りかえた。1971年夏だった。
B17の維持量を減らすと、患部に毛髪が生えたり、腕が腫れ始めたが、維持量に戻すだけで正常に復した。この婦人は糖尿病患者でもあったが、付録的に治ってしまった。何カ月かたって前の医師のところに定期診断に行った。癌はまったく見当たらずこの医師は唖然としたが、腕の切断を強くすすめた。彼女がその医師のすすめに従わなかったのはいうまでもない。
 

前駆症状も解消


経験の深い医師は、数種の症状が「まだ診断できない前に現れる症候群」に気がつく。説明しにくい漠然とした苦痛、頭痛、便通の異常、食欲不振、精力減退、無気力感など幾つかが組み合わされると、かなり高い確率で癌が臨床的に検出できるところまで進む。内服用B17を処方すると、前駆症状はあざやかに解消した。患者はだれ一人として「診断前の症候群」から完全に成長した癌に進行することはなかった。
目ざましい成果に勇気づけられ、他の患者にもB17をすすめるようになった。大部分の患者は末期癌だったが、迷わずにB17療法を受け入れた。
初期の投与量はきわめて少量で週一回3.0グラム以下の注射だった。合成制癌剤で起こる脱毛、吐き気、下痢、めまいなどの副作用は現れず、病人の苦痛は軽減し、食欲は増進し、次第に元気を取り戻した。高血圧患者が正常血圧に復元もしたが、ほとんどの患者はB17療法の前に生命維持に必要な器官が回復不能な打撃を受けており死亡した。私はB17の使用量を増やすことにし、食事の効果についてもさらに勉強しようと考えた。
 

しこりやかたまりは “病気そのもの”ではない


注射量は一週間に数回、一回6.0グラムとし、食事には動物性たんぱく質を与えず厳重に「菜食」を守らせた。初めはかなりの不評も買ったが、結果、末期癌患者が担架や車いすを捨て去り、健康で元気一杯な正常生活に復帰するのを医学経歴の中で初めて見た。私たちの治療内容はたちまち広まり、診療所は希望に満ちた患者でいっぱいになった。しかし、現状には満足せず、治療法を改良し、週六回、一回に9.0グラムまで使用量を増加。また、患者の体内の全ミネラル・バランス試験も加えた。B17だけでなく、全ビタミン類、ミネラル類の重要性もわかった。
B17が主役を演ずるにしても、一つや二つの機能器官だけの悪化を矯正するだけでなく、身体全体の代謝作用とそのバランスを回復させなければ、癌の治療は成り立たないという結論に到達した。
からだ全体の機能回復療法“代謝療法”を提唱し始めた。
しこりやかたまりはただ単に“症状”に過ぎなく、“病気そのもの”ではない正統医学が癌の制御に失敗を重ねてきたことは当然であった。なぜなら、病気を無視し、症状だけを攻撃していたのであるから。
 

腫瘍は私たちの味方である


一般に腫瘍の中身は大部分が正常な細胞であると知らされたら驚くであろう。腫瘍は癌細胞に対抗する人体の防衛体制の一部だと思われる。人体内で癌が形成され始めるとき、B17を含む各種のビタミンや膵臓酵素が、癌細胞の増殖を十分に制止できない場合には、何百万個という正常な細胞が癌細胞を取り囲んで、周囲から切り離そうと、いわゆる包囲作戦を開始する。
1950年代の初めごろ、結核は治せない病気で、肺もろともごっそり切除したものである。もはや、患部の大きさを縮めるために、切ったり放射線を当てたりすると、自然の防壁を破壊されて、病原菌が広がる機会を与えるであろう。
結核と同じように癌の場合にもこの原理は成り立つ。癌病巣の腫瘍が、どのように生命をおびやかすかを重視するべきである。多くの場合、そのような脅威はない。
 

苦痛低減、食欲増進、体重増加は効果と認めない???正統派


批評家たちは、こんな治療法を“いかさま”だといっている。かれらは腫瘍が成長するのを見、その患者が死亡するのを観察した末に、腫瘍を病気だと結論づけている。この誤りが従来の医学を足踏みさせている原因であり、実際に“癌インチキ療法”に対処するカリフォルニア州法令にも書き込まれている。
カリフォルニア州保健安全規約第一〇七五号は癌を次のように定義している。
「癌はその発生した組織には関係なく、すべての『悪性新生物』を意味する」
テーバーの医学百科事典第十二巻によると、「新生物」とは腫瘍または異常成長であると定義している。
カリフォルニア州癌顧問委員会が州議会に提出した「癌:癌のインチキ療法および癌法令」によると、「病巣の大きさの客観的な減少だけが腫瘍効果を現したと容認される。苦痛の低減、食欲の増進、体重の増加、活動性の回復のような主観的な効果は、抗腫瘍効果の証拠にはならない」
※これほど患者や患者家族のことを考えていない文書が、少なくとも医師を名乗る人間が書いたことが信じられません。苦痛の低減、食欲の増進、体重の増加、活動性の回復のような主観的な効果こそが、あるときには彼らも盛んに強調するQOL(生活の質)の向上ではないのですか。たとえ、出発点に「腫瘍こそが敵だ」という刷り込みがあったとしても、QOL(生活の質)の向上を評価しないのは医師の倫理を欠落しています。そこにはB17はインチキ療法という結論ありきの歪んだ動機を感じさせます。※
 
患者たちが私の成功の情報を広めたため、地方の小規模な私の診療所は、各州から訪れる患者で多忙な“癌診療所”に変容した。
 
(次回に続きます)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?