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病歴例の読み方~「B17 第2巻 癌クリニックの体験」

病歴例の読み方~「B17 第2巻 癌クリニックの体験」(1979年初版発行 著者:ジョン・A・リチャードソン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)を紹介します。
※で囲んだ文章はシン・説が僭越ながら解説している部分です。
 
※先に名著発掘として紹介しました「B17 第1巻 癌なき世界」の著者G・エドワード・グリフィン氏の妻で、理学士・正看護婦のパット・グリフィンさんが本書のこの章を書きました。彼女は、リチャードソン診療所でビタミン療法が奏功した後、電話や手紙で本人や家族から正統派医療歴や余命宣告の有無、具体的な症状の改善、現在の日常生活などさまざまな情報を提供してもらう立場でした。
具体的な病歴例の紹介に入る前に、病歴例の選別に用いた基準や問題点を紹介します。自分たちのデータの弱点も含めて隠さずに明らかにしているからです。こうした姿勢は逆に信頼感を高めるものと考えます。また、収集方法の説明そのものが、総論的なB17療法の成果も示しています。※

※なお、冒頭の画像は、リチャードソン診療所での標準的なB17を中心とした代謝療法を一部抜粋した表で示しています。紙幅の関係で省略された部分は、十一はビタミンE、十二は液状たんぱく、十三はそれ以外に追加すべきビタミン、ミネラル類と続きます。
予防の見地からは、癌患者でなくても新鮮な野菜や果物を取る食事法や嗜好品について参考にできるところは多いはずです。膵臓酵素の摂取は、膵臓機能を大切にするよう心掛けると読み取ってください。※
 

リチャードソン診療所では約四千人の癌患者が治療


大勢の旧患者たちを追跡して接触を持つことはさまざまな理由から事実上不可能に近い。また、多くの患者たちがかかりつけ医を離れ別の治療法を探したことが医師を怒らせたと心配しており、今までの病状報告を書いてもらうことは患者を困らせることだとわかった。最も成績が良く最も劇的な病歴例のいくつかはこういうたぐいのものだった。
リチャードソン診療所では約四千人の癌患者が治療を受けた。その大部分が家庭に復帰するまでに、代謝療法(※B17などビタミン補充療法と食事療法)の初期治療の過程でよい反応を示した。この集団から私たちの研究のために約五百人選んだ。その中から二百五十人と接触できた。繰り返しの多い病歴例も、問題の少ない医学的病歴例も除外して、残った資料でこの研究発表を書いた。
病院名は診断をはっきりする目的の場合に限り実名とした。医学会誌や医学書の中で患者の名前を公開するのは一般的ではないが、写真やX線など医学上の記録を本書に掲載したいために、とくに承諾を得た人たちの場合だけである。
最終的にリチャードソン診療所を訪れた患者に、以前に担当した医師の多くが協力的ではなかった。本書で特定の医師名を出さなかった理由の一つであり、もう一つの理由は、多くのケースで“癌で苦しむよりも、治すために医師から受けた療法によって、もっと苦しんだ”者が大勢いたからだ。ここに現れた事実は、患者をよこした医師に好ましく反映するとは限らないし、前向きの目的に添うとは考えられなかった。

病歴例の大部分がすでに“末期癌”に分類された患者 全部が苦痛をまぬがれた


この研究の一つの弱点は、「5年以上の延命率」を含む病歴例が欠けている点である。リチャードソン博士が1971年にB17の使用を開始したばかりであった事情と、当初は博士の治療を受けた患者数が割合に少なかったためである。博士の診療所が多数の患者を治療し始めたのは1973年以降で、この病歴例集では5年レベルの病歴例はわずかに数例しかなく、大部分は1年半から3年である。
しかし、正統医学の文献では、わずか1年から1年半の生存率の研究成果で報告しているだけである。短期間の研究ですぐ結論を出すのは時期尚早であるが、得られた成果が多数で、とくに顕著な例の場合には、これを無視できない。また、この研究内容を更新、拡大していくつもりである。
本書に述べた臨床患者の全部が、今後五年から十年も生きつづけるとは限らない。しかし、本書に引用した病歴例の大部分がリチャードソン診療所を訪れる前に、すでに“末期癌”に分類された患者であった事実を銘記していただきたい。
ある者は治療しても余り効果が期待できない例も多かった。こんな患者の場合に一、二年も延命できるのはB17療法の顕著な勝利といえよう。患者の全部が苦痛をまぬがれ、生きる力を一応取り戻し、生活の質の向上を持つ劇的効果を得ており、しかも、生きている限りその状態がつづくので、これは、いわゆる正統派の合意している医学では到底得られない成果と考えている。
現患者、元患者から寄せられた約二百五十通の手紙の中からわずかに二人だけが代謝療法に不満を述べていた。しかし、その中の一人は、B17は効果があったと書いている。
正統医学療法(外科手術、放射線療法および化学療法)では、癌を“しこりとかたまり”とする考え方に立っているので、“しこりとかたまり”の消滅の必要性を強調している。この場合、心理的問題などは余り重要視しない。もし、現行療法にかわって“代謝療法”の価値が十分に認識されるようになれば、この医学データに加えて心理的問題にも焦点を当てていくべきだと考えている。
私自身(パット・グリフィンさん)についていえば、かつては、代謝療法に偏見的な考え方をもっていた。その立場で、このプロジェクトに参加したことを認めなければならない。いま私は、B17の優れた価値をよく理解しているが、癌治療がB17単独でもその正解が得られる考えに拘泥し、膵臓酵素や各種のビタミン、ミネラル類の補給の問題や菜食の必要性などについてはずっと低く評価していた。
癌患者でもB17の服用だけで病状がよくなり、なんでも食べてよいはずはないと考える。いわゆる末期癌患者の場合に、“食事を厳格に管理するのは、大げさにいえば、生死に直結する影響さえある”と結論づけなければならない。
リチャードソン診療所では、代謝療法がかなり標準化できているので、一つ一つを各論として書く必要はなかった。まとめて次のように要約しておきたい。
※その要約が冒頭画像の表にあたります。※

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