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政府機関は正義の味方? イコライザーファイナル考

デンゼル・ワシントンが表の顔はホームセンターの店員やタクシー運転手、裏の顔はイコライザーとして弱者のために悪を葬る元CIA(中央情報局)トップエージェント・ロバート・マッコールさんを演じているのが、映画のイコライザーシリーズです。
デンゼル・ワシントンはもともと大好きな俳優ですし、シリーズ初回の冒頭のナレーション
「人生で最も大切な日は、生まれた日と生まれた理由がわかった日だ」というマーク・トゥエインの名言に、子供の誕生を重ね合わせて以来、何度も見ています。
そして三作目のイコライザーファイナルを最近視聴しました。
ネタバレしない範囲で感想を書きたいと思います。
 
マッコールさんがどんな敵と闘ってきたかというと、
イコライザー      2014年 ロシアのマフィア
イコライザー2     2018年 CIAの元相棒
イコライザーファイナル 2023年 イタリアのマフィア
 
敵の本拠地に単身乗り込んで全滅させるアメコミヒーローのような男ですが、無敵だからシリーズが続けられないのでしょうか。
 
2020年からのコロナの影響や2023年の半年間に及んだハリウッドの脚本家と俳優のストも関係はあると思いますが、CIAなどの政府機関が政敵を倒すための先兵として使われることを目にしたアメリカ人には、それらが<弱きを助け強きをくじく>正義の味方には思えなくなったのではないでしょうか。私も「フィクションとはいえ、よく正義面できるもんだな」と純粋に楽しめなくなっています。
 
イコライザーに限らず、他の映画作品やテレビドラマでも捜査ものは「終了」「縮小」「方針転換」という変化が見られます。
CIAやFBIなどの捜査ものが長期シリーズとなってアメリカはもちろん日本でも人気でした。例えば、アメリカ海軍やアメリカ海兵隊の将兵が関わる事件を扱う海軍犯罪捜査局を扱った『NCIS 〜ネイビー犯罪捜査班』は、2021-2022年のシーズン19途中でマーク・ハーモンが長年演じてきた主役のリロイ・ジェスロ・ギブスが卒業、主役のみ入れ替わってシーズン20、21と続いているようですが、ウィキペディアでもシーズン19までの記述しかありません。
全米のシリアルキラーをプロファイルして捜査する『クリミナルマインドFBI行動分析課』は、シーズン15(2020年)、16(2022-2023年)のエピソード数が以前の20超から10話に半減しました。ストーリー上も行動分析課がリストラの憂き目に遭っており、随分簡素化された印象です。かなり制作費が減らされたのでしょう。
CIAの女性工作員がテロと戦う『ホームランド』は2020年のシーズン8で完結しました。
 
アフリカ系アメリカ人を映画『リトル・マーメイド』の主役アリエル役に据えたディズニー映画(2023年)のように、行き過ぎたポリティカル・コレクトネス(政治的に適切な用語や政策を推奨する態度のこと)にも批判が出始めています。
 

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