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癌はシアン化合物に攻撃させ、正常細胞ではそれを中和する人体の不思議~「B17 癌なき世界 6章 シアン化合物騒動」まとめ

「B17 第1巻 癌なき世界」(1979年初版発行 著者:G・エドワード・グリフィン 訳者:渡辺正雄、河内正男、小笠原治夫 監修:河内省一 ノーベル書房)の6章を紹介します。

6章 シアン化合物騒動

1972年、カリフォルニア州保健局が「三十個も杏仁を食べてシアン中毒にかかったロサンゼルスのある夫婦」という月刊病気報告を発表。これを受け、ロサンゼルス・エグザミナー紙やニューヨーク・タイムズ紙が「杏仁中毒事件」と報道。これによって全国のアメリカ人は杏仁を避けるようになった。人々は杏仁がB17を含むことも漠然と知っていた。B17の化学的知識を持たない人々は夫婦の話を絶対的なものと受け取り、「果物のタネの仁が癌に効く」ことを疑い始めた。ハワイ州保健局は健康食品店から杏仁を没収し、本土の健康食品店も店頭から杏仁を取り払った。報道はその目的を達成した
筆者が真相を確かめようとカリフォルニア州保健局に取材依頼すると、「健康被害は極秘事項、中毒患者との面会は許可しかねる」との返答だった。
国立癌研究所のディーン・バーク博士には詳しい情報が入った。「夫婦が救急病院に運び込まれ応急治療を受けたのは事実だが、夫婦は杏仁と杏の実を蒸留水に混ぜて一晩おいてから飲んだ。吐き気を催したのは1時間後(シアン化合物なら数分もたたずに作用する)だった」

B17は正常細胞に対しては無害であると述べてきたが、これは真実である。もっと正確にいえば、どんな食物でも正常に食べる限りは無害といったほうが正しいかもしれない。
B17についてE・T・クレブス博士が講演をしたとき、会場にいた一婦人が、「B17を含む果実のタネを食べすぎると危険なことがありますか」と質問した。博士の回答は「仁も果実といっしょに食べると、B17過剰になることはなく、心配はいらない。桃、杏、すもも、さくらんぼ、リンゴをまるごといくら食べても、タネから毒になるほどのB17をとることにはならない」

クレブス博士は、「健康な成人は、最低でも一日あたり五十ミリグラムのB17が必要である」といっている。癌にかかりそうな人は当然、一日に五十ミリグラム以上とらねばならない。すでに癌にかかっている人は、もっと多量のB17が必要である。一日に十から十二個の杏仁を食べると五十ミリグラムのB17をとることになる。

自然界にある物質の中で”シアン化合物”ほど誤解されてきたものはないようである。
食物中にシアンが検出されようものなら、何でもかんでも、文化的嫌悪感を浴びせてきた。

医薬の参考文献には、百年以上にわたって「アミグダリン(B17)は無毒性」と記してある。世界のあらゆるところで、二世紀もの間にアミグダリン(B17)の使用で大変な病気を起こしたとか、死んだという報告は、一つも記録されていない。

アスピリン剤は同量のB17の二十倍の毒性がある。アスピリンの毒性は累積的な性質があり、服用日数に応じた毒性の蓄積が起こる。
B17の生化学的な作用は、二、三時間で消滅するので、蓄積性がないアメリカでは毎年九十人以上の人がアスピリン中毒で死んでいるが、B17で死亡した人は一人もいない。アスピリンは自然にとっても人体にとっても異物的な薬物であるが、B17は生物や人間に与えられた自然植物に含まれているビタミンの一種である。B17は砂糖よりも毒性が少ないのである。
 
<余談>
正統派医学は、人体ではB17の含有するシアン化合物はがんには毒として働き、正常細胞では中和されるという特性を完全に無視し、猛毒の青酸ことシアン化合物を目の敵にしています。

医療取材を始めたころの1990年代前半、抗癌剤でできた帯状疱疹を治すために使用された「ソリブジン」という抗ウイルス薬が、抗癌剤の代謝を抑える重篤な骨髄抑制で多数の患者が死亡したソリブジン事件を取材したことがあります。
販売元の日本商事や販売提携のエーザイの関係者がからむインサイダー取引疑惑が出て、日本商事社長が辞任、日本商事はソリブジンも自主回収し承認自体を取り下げて市場から消えました。
騒動の渦中、皮膚科医からの話を聞いて「ソリブジンは帯状疱疹の特効薬で、他の薬との相互作用を理由に葬り去られるのは惜しいとの声もある」という趣旨の記事を書くと、上司から突き返されました。「退場する薬をほめるのは余計だ」というわけです。
当時、抗癌剤は効くものだと思っていましたから、そこまでは思い至りませんでしたが、そもそも帯状疱疹が出たのも抗癌剤による免疫低下が原因です。そして毒である抗癌剤を代謝するメカニズムともかかわっています。
今で言えば、抗癌剤による吐き気を抑えるための制吐剤で相互作用が出たので、制吐剤だけを退場させるのと同じです。
抗癌剤はいつも強力な庇護を受けているのではないでしょうか。
繰り返し書くのですが、立花隆さんが癌取材中に聞いて驚愕した「効く抗癌剤などありゃせんのですよ」という大御所医師(誰かを知れば、絶対抗癌剤治療は受けないでしょう)の本音を知れば、退場すべきは抗癌剤だと強く思います。
 

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