情けない結果を年間50億ドルの成功に変えたファイザー 米大統領候補のコロナ本が教えてくれる⑤―1
「真実のアンソニー・ファウチ/ビル・ゲイツ、大手製薬会社、そして民主主義と公衆衛生を巡る世界戦争」(ロバート・F・ケネディ・ジュニア著、2021年)で、日本人が知るべきトピックスを取り上げています。
今回ファイザー製などワクチンの有効性について取り上げます。数学的策略の下、相対リスクによって見事に騙されたことがわかります。
本書の<数学的策略:相対リスクと絶対リスク>から抜粋します。
「感染を予防せず22000人に1人の救命」という欺瞞で国民を騙す
次のページに、ファイザーの 6 か月間の臨床試験からの死亡データをまとめたファイザーの表 S4 がある。
これがファイザーの FDA への最終報告書であり、その時点で研究は盲検化(※被験者は自分がワクチン接種を受けたのか偽薬を与えられたのかわからない試験期間)されておらず終了した。
誰でもわかるように、ファイザーは、自社のワクチンがワクチン接種者22000人ごとに1人の新型コロナによる死亡を防ぐ可能性があるという、かなり情けない結果を示したにもかかわらず、FDA(米食品医薬品局)の承認を獲得した。
では、ファイザーはどのようにして、22,000人のワクチン接種対象者から新型コロナウイルス感染症による死亡者を1人排除したという印象に残らない記録を、年間50億ドルの成功事例に変えたのだろうか?
「絶対リスク」という推定的ではるかに有用な尺度ではなく、「相対リスク」と呼ばれる欺瞞的な尺度で国民を騙すことによって。表は、6か月の試験中に、約22,000人のプラセボ群で2人が新型コロナウイルス感染症で死亡したのに対し、同様の規模のワクチン群では1人だけが死亡したことを示している。
信じられないかもしれないが、このデータポイントは、ワクチンが死亡に対して100パーセント有効であるというファイザーの主張の根拠となっている。
ワクチン群では新型コロナウイルス感染症で死亡したのはわずか1人、プラセボ群では2人だけだったので、ファイザーは技術的にはワクチンがプラセボよりも100パーセント改善していると表現できる。
結局のところ、数字「2」は数字「1」より 100% 大きいですよね?
メディアはこの虚報に目配せをし、ファイザー社の驚異的な100パーセントの有効性主張を義務的に報道した。少なくとも一部の記者は、この統計を聞いたほとんどのアメリカ人はワクチンによって死亡が100パーセント防げると自然に信じるだろうということを理解していたに違いない。
ファイザーワクチンの有効性についてより正直で有益な考え方は、新型コロナウイルスから一人の命を救うには22000回のワクチンを接種する必要があると考えることだ。
同様に懸念されるのは、すべてのウイルス学者と感染症の専門家は、BMJ(※ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルという権威あるイギリス医師会雑誌)が報告したように、リスクの本当の減少率1/22000、つまり約0.01パーセントは、ワクチンが新型コロナウイルス感染症の蔓延に対するわずかな障壁とするにはあまりにも微々たるものであることを知っていたということである。感染を予防せず、対象の伝染による死亡を22000人に1人しか救わないワクチンには、パンデミックを阻止する能力がないことは自明の理である。
しかし、話はさらに悪化するのだ。
⑤―2に続く
※ワクチン接種群は死亡リスクが0.0045%減少しましたが、ワクチン非接種群は死亡リスクが0.009%減少しました。一見2倍の差がありますが、これを裏返すとその無意味さは明らかです。ワクチン非接種群の22000人のうち死ななかった21998人(99.990%)と、ワクチン接種群の22000人のうち死ななかったのは21999人(99.995%)との間に大差はありません。
2021年わが国でもこういう視点で書かれた本が発売され、心ある医師からの発信もありましたが、ワクチン大臣やマスコミの「フェイクニュース」「陰謀論」という耳障りな大声にかき消されてしまいました。もし、国民の多くが常識で判断できる機会が与えられていれば、「ふつうは死なない感染症では?」「臨床試験も済んでいない新種のワクチンを打つ危険性は?」等々数々の疑問が湧いていたでしょう。まさに「打たない方が、死亡リスクが倍増する」という喧伝でそんな疑問にふたをするためであり、いかに無意味かつ悪意に満ちていたかがよくわかります。
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