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英保健相「この承認はブレグジットの勝利」 EUの枷がはずれた英国が主導した英米共同作戦でコロナワクチンを推進 出来過ぎたシナリオ編⑥

ほとんどのメディアが指摘したことはないでしょうが、ドイツの小企業が世界規模のワクチンを、しかも初めての市場投下となる遺伝子治療薬mRNAを開発できた理由には、英国のブレグジットも大いに関わっています。
世界初のメッセンジャーRNA遺伝子治療薬が誕生したこのダイナミックな動きは、「天才がいたから」とか「奇跡が起きたから」では済まない話です。EUに足並みを揃えずに緩い規制で最初に新型コロナウイルスワクチンを承認したのが英国だからです。すぐ後ろを派手についていった米国が目立ちますが司令塔は英国の英米共同作戦です。
英国のさらに奥の院がありますが、ヒントは先日の長崎の原爆忌記念式典の英米駐日大使の欠席です。
 

第一相試験後に英国が真っ先に購入、2日後米国が大型契約


『世界権力構造の秘密 下 影の支配者の実名』(ユースタス・マリンズ著、成甲書房)によれば、
<世界的な運動が英国のコントロール下にあることは、アメリカの財団が奉じるイデオロギーのなかにはっきり示されている。そして、このイデオロギーを創作したのがロンドンにあるダヴィストック人間関係研究所なのである。>
<ダヴィストック研究所は「一般大衆爆撃」[戦略爆撃調査、プルーデンシャル爆撃調査ともいう。戦争で非戦闘員一般市民を空爆によって大量虐殺し、敵国の戦意崩壊度を調査する]なるものを発明した。…[こうした実験としてドイツのドレスデン爆撃東京空襲が行われた]>
大空襲はドレスデンが1945年2月13~15日、東京が同年3月10日です。
 

ドレスデン一般大衆爆撃


東京一般大衆爆撃


戦争だけではありません。民営化でも歩調を合わせてきました。
『対テロ戦争株式会社』(ソロモン・ヒューズ著、河出書房新社)によれば
<イギリスはおおむね世界的な民営化の先駆けとなっていたが、民間刑務所を最初に作ったのはアメリカだった。…熱心なサッチャー主義者たちは、友人たるアメリカに民営化競争のトップの座を明け渡すことをよしとせず、イギリスも刑務所を営利セクターに委託するように迫った。>
 
本題に戻ります。
『mRNAワクチンの衝撃』によれば、
<真っ先にイギリスが名乗りをあげた。…第一相試験中のワクチン候補の少なくとも一つに免疫反応を引き起こす作用があることが明らかになると、(2020年)7月20日にはイギリス政府と3000万回投与分の契約を交わした。プロジェクト・ライトスピードの最初の顧客である。>
<アメリカのワクチン対策本部ワープスピード作戦は…イギリスがビオンテックと契約を交わした2日後に話をまとめ、ファイザーに対して一億回分の初回発注を行うとともに、さらに五億回分を購入するオプションをつけた。>
 
イギリスが目立たず先鞭をつけ、アメリカが根こそぎ持っていったのです。
 
英米のワクチン対策本部において責任者の地位に、英国はケイト・ビンガム氏というベンチャー投資家が、米国は英製薬大手グラクソ・スミスクライン(GSK)の元幹部モンセフ・セラウイ氏がついていました。両者は緊密に連絡をとり、EUとはそうしなかったことも見過ごせない話です。
セラウイ氏は2020年5月のロイター報道によると、GSKのワクチン部門は同氏が退社した時点でエボラ熱ワクチンを含む15種類の商品を開発していた、としています。
 

2ユーロ対54ユーロ 54ユーロの勝ち?


オックスフォード大学とワクチン開発を進めたアストラゼネカが1回あたり2ユーロの一方、ビオンテック・ファイザーのmRNAワクチンは54ユーロと報道され、窮地に立たされました。しかし、2週間後には運よく第一相臨床試験での強い免疫反応を両社が発表し、反応よくイギリスが大型契約を結び、2日後にはアメリカのワープスピード作戦がさらに大型の契約を結びました。
これを本書はこう説明します。
<アメリカとイギリスがすぐに行動を起こせたのは、両国の対策本部を率いていたのが「業界人」だったからであり、どちらもが政治的指導者からの完全な独立を要求していたからだった。>
私見ですが、「業界人」が業界から独立していないことの方が問題です。
 

英米とEUの動きは対照的、日本は蚊帳の外


<だがEUワクチン調達チームには、そんなぜいたくは許されなかった。このチームは、27の加盟国から選出された役員に対して直接説明責任を負っており…議会が要求すれば交渉の詳細を公表しなければならないことを知っていたため、いまだ現実世界での有効性データが不足していて実績のないmRNAワクチンの支援をためらい、早期発注に踏み切れないでいた。>
<公衆衛生の緊急事態に円滑に対応するため、イギリスやアメリカは製薬会社に対する賠償請求について免責を認めており、EUもアストロゼネカに対しては、そのような場合に損害賠償を補償することに同意している。だがEUは、ビオンテックやファイザーとはリスクは共有しようとはしなかった。>

英規制当局が世界で初めて薬品承認、米国はその9日後


英国は薬事規制当局である医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が、より包括的なデータを要求していた欧州医薬品庁(EMA)にEU加盟国が同調したのに、「本年限りでEUを脱退する」から、毒性試験の最終報告を待たず中間報告で承認する時短に同意。
 
<有効性データが届いてからわずか3週間後の2020年12月2日には、MHRAが世界で初めて、治験を経た新型コロナワクチンを承認した。>
<…マット・ハンコック保健相は「この承認はブレグジットの勝利」と主張した。>
 
そして9日後の2020年12月11日米国でもFDAが緊急使用を許可。まさに英国が門戸を開き、米国が押し入るのです。
 
実績のないmRNAワクチンを高額で購入し、製薬会社に全面的に免責まで認めた日本政府の無条件降伏ぶりが浮き彫りになりました。
 

もっと早いワクチンのために人チャレンジ試験を提言


新型コロナウイルスのゲノム解析が公開されてから11か月余りで規制当局からの承認を得たのはライト・スピード(光速)と呼ぶにふさわしい早業ですが、英米はそんなスピードでは満足していませんでした。
2021年6月英コーンウォールでのG7で、英政府の首席科学顧問サー・パトリック・ヴァランスやメリンダ・ゲイツらによって各首脳に提言された『100日ミッション』は、感染症ウイルスのゲノム解析から100日でワクチンを提供するために治験を短縮するという内容です。ライト・スピードを3分の1以下に短縮させようというものです。
提言の中には「ワクチン投与後に意図的に病原体に感染させ、その効果を検証する提言がされている」と書かれています。
 
「100日ミッション」には、「human challenge trials(人チャレンジ試験)がワクチン開発を加速する」と明記されています。人チャレンジ試験が、まだ安全か有効かも不明なワクチン候補を、健康体の人(被験者)に接種したうえで、今問題となっているウイルスなどの病原体にわざとその被験者一人一人を感染させて、その後の病気の発症や病状の経過を見ていく研究方法を指すようです。
 
全く恐ろしい計画を立てる連中です。
 
※『mRNAワクチンの衝撃』からの引用部分<>は漢数字を洋数字に変えています。文中の太字もブログ主の主観です。ご了承ください。
 

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