『るろうに剣心』鎌足が負けた理由を深く見る。

『るろうに剣心』に鎌足というキャラが出てきます。

彼(彼女?)の使う技に『弁天独楽(べんてんまわし)』ってあるんですけど『弱すぎない?』と当時思っていたんです。

でも、久しぶりにアニメを見たらちょっと別の考察が浮かんできたんですよね。そのことを書こうと思います。
(作品を見たことある前提で書いていますので、詳細な状況説明は省きます。)

※昔の作品なので今更かもしれませんが、一応ネタバレ注意です。

■弁天独楽の本来の使い方

さて問題の弁天独楽ですが、これは本来は『迎撃用』の技です。

なぜそう言えるのか?それには理由があります。

最大の理由は間合いの取り方。
武器を破壊された後、鎌足は明らかに薫と距離を取りましたよね。
状況的に『折れた木刀』の薫より『折れた持ち手』を持つ鎌足の方が有利に戦えそうなのに、わざわざ間合いを取った。
これは、弁天独楽は遠目の間合いがあった方がいいという理由です。

説明すると、もしこの時の相手が木刀の薫ではなく刀を持っている警官だと思ってください。
武器を破壊した警官は当然鎌足に追撃を入れようと向かっていこうとするででしょう。
しかし鎌足は間合いを取っているので警官は前進します。

その前進にタイミングに合わせて下方向からカウンターで併せるんです。

■なぜ弁天独楽は外れたのか?

ここまで考えるとなぜ弁天回しが外れたのかはっきりわかります。
理由は向かってこない薫に先うちしてしまったからです。

鎌足の狙い通り薫が動いてきたら恐らく高確率で弁天回しは当たったでしょう。仮に当たらなくても薫は相当体勢が崩れると思います。

鎌足の残心(打ち終わった後の体勢)から察するに、持ち手の棒で体制を崩した相手への追撃があるのでしょう。

そう考えると弁天回しを回避した後、振りかぶりなしの最短距離で膝を砕いた薫も相当強いことが分かりますね。全然油断してない・・・。

■なぜ弁天独楽で先に仕掛けた?

でも鎌足はなぜ先うちしたのか?
たぶん自分でも『迎撃用』の技というのは気が付いているはずなんですよ。

その証拠に、向かってこない薫に対して『あなたの木刀も折れている』と確認で声をかけていますからね。
武器を破壊していてチャンスのはずなのに攻めてこないから、少し違和感を持って様子を見ているのでしょう。

そして、会話して状況を確認後、『折れた木刀』と『折れた持ち手』で自分にアドバンテージがあると気が付いて戦果を挙げるために仕掛けてしまうのです。

■なぜ他の技を使わなかった?

でも、仕掛けた鎌足はなぜ他の技を使わなかったのか?
これは完全に想像ですが鎌足は武器が破壊された状況だと『迎撃用の技』しかなかった気がします。

理由は単純。自分が犯罪者だから。
警察は犯罪者を捕まえようとに戦いを挑むけど、犯罪者は警察に仕掛ける必要は全くありませんから。
要はこの状況で仕掛ける技はそもそも不要なんです。

乱弁天(みだれべんてん)にしても通常攻撃にしても本人が『攻防一体』と言っていますからね。
どの技も半分は防御技なんですよね。

鎌足の目的が『志々雄を支える』であって戦うことが手段であることがよくわかりますね。
死んだら目的が達成できませんから。

■まとめ

まとめると弁天独楽は悪い技ではないが、ただ使い方を間違えた。
ということになります。

また、薫と相性が悪かったこともあります。
仮に相手が弥彦だったら武器破壊まで出来ても追撃しようとして攻め込んだところを、弁天独楽でやられていらでしょう。

相手を制することを目的にして倒すことを目的にしない(深追いしない)薫は鎌足にとって天敵でした。

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