岸年涼

精神が完全にまいってしまった
身体も中途半端な状態だ
中途半端に悪い
頭が痛く呼吸も苦しいが、風邪というほど動けないわけではない

身体の不調が先か精神の不調が先か
どちらもといえばそうなのだが、治すという観点ではどちらも満たされそうにないのだからどうしようもない

申し訳ない 本当に申し訳ない
友人各位 手助けをさせてあげることも出来ず、俺は潰れてしまう
俺も潰れたくはないのに
現実の俺はひとりぼっちなのだ
看病してくれる人もいないし、話して励ましてくれる人もいない
シンダルマの領域はシンダルマの領域でしかなく、リアルの俺というものにはバーチャルの人々は触れることが出来ないのだ
それはこちら側からしてもだ

仮想現実の中の俺は心身の不健康など忘れて、良き友人たちと言葉を交わし合う楽しい日々を過ごしていた
一方、現実の俺は何も改善されていなかった
鬱は俺を蝕み、肉体的寂しさを埋めるものは増えなかった
遠距離恋愛中の彼女ともこの先数年遠距離が確定している
現実では良き友人に恵まれなかった
唯一の理解者である親友ともお互い遠く離れたところにいることになった

俺は隣の芝生の話をしているのではない
俺の不満足を謳っている訳でもない
ただ、今俺は自らの限界に際し、最後のあがきをしているところなのだ

このまま6月に攫われてしまうのだろうか
6月だけのせいじゃない
しかし、誰かのせいという訳でもない(過去現在未来の俺を縛る親には責任があるかもしれない)
過去に苦しみ、未来に不安し、現在に一生生きられない俺は、もう精神的に救いなどないのだ
身体も健康ではない
一見すると健康だが俺は昔から病弱で、現代医療がなければ余裕で生きながらえていないだろう弱い身体を持っている
すべてわかってもらえないのだろうけれども
励ましの言葉も、カビに水をかけるようなものでしかないことはわかりきっている

本当は俺は人を救いたかった
いつか救う側の人間になることが夢だった
それがどうだ
大切な人を目の前で失ったことを悔やみ続け、自らも死神の罠にはまっている

手招きされているのだろうか
まだ死にたくないし、自分が死んだら悲しむ人がいることだってわかっている
なのに、すべてに潰されそうなほど弱ってしまった俺には、このまま生きていく術がまったくないようにしか思えないのである
きっと、まともなアタマをしていれば、活路も見えてくるだろうに
生きることが心身ともに不可能にしか思えないことばかりで覆い尽くされて仕方がないのだ

ああ、どうして!
俺だって望んでないのに!
どうして!
誰がわかってくれるというのだ!
道端で潰れる虫を
誰が振り向いて救うというのだ!
救おうとしたって救えない!
俺だってわかっている!
こんなの
おかしな運命だ!

おかしな運命だ!

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