球技の話

私は球技が苦手である。

「え〜サッカー部っぽいのに〜」と 

無責任に言ってくる美容師は皆腕が良くなかった。

美容師にとって何より大事なのは責任感である。


球技が苦手、という表現もどうかしている。

本来学生時代の部活動等で経験したことのない

競技は、全て一様に苦手な筈なのだ。

どんな競技も持ち前の運動神経で

ムキになって各部員と競いたがるサッカー部や

バスケ部のせいで「球技が苦手」だなんて

表現が生まれてしまっている。

はた迷惑な話である。


野球やサッカー、バスケなどのメジャーな球技は

皆ある程度できて当然のような顔をしている。

誰が?貴様がだ。

メジャーな球技ができないことと、

武道や楽器ができないこととは

どうやら同じ物差しでは測られない。

そうでないなら剣道部の部長だった私が

球技大会でバッターボックスに立った時に

笑いなんて起こらなかった筈である。

どんだけ酷かったんだ俺のフォームは。


そもそも各競技がメジャーかどうかは

世間的な先入観からくる偏見である。

一旦まっさらな頭で考えなければ

日頃の当たり前の「おかしさ」には

気付くことができない。


まず第一に、「野球」を全く知らない人に

一言でどんなスポーツなのか説明してみてほしい。

「大谷翔平」が直近の模範解答ではあるが、

それでは内容についての説明にはならない。

そう、野球ってよくわからないのである。

「9人ずつ攻撃と守備に分かれて、

攻撃側は打者が金属でできた棒で

守備の投手が一定の距離から

最速150km/hくらいで投げてくる

拳大のボールを打ち返し、

3つの定点を経由して走って戻ってきたら1点」

は?

真面目にやってほしい。

そんなスポーツがあるわけないだろ。

まず目的がわからん。

ルールが外国のよく知らん

テーブルゲームくらいムズい。

よくここまでメジャーになったものである。

結構面白いらしい。


「サッカー」は野球に比べればまだ明快である。

手を使わずに11人のチームでボールを操り、

相手陣地のゴールネットを揺らせば点が入る。

いや、ちょっと待ってほしい。

ゴール前にいる奴がめちゃくちゃ手を使っている。

皆が一生懸命手を使わずに頑張ってるのに

あいつはボールを抱きかかえている。

ウケ狙いでしかやらないプレーである。

仲間に失礼だ。

今日はもう帰りなさい。


一つ断っておくが、私は競技者のことを

馬鹿にするつもりは一切ない。

一切ないけれども、昔から色んな人が

試行錯誤して一生懸命考えたルールが

もし無かったらと想像すると、

極論ボールや棒を使って

何かしてるだけで

何億ドルも動くというのは

中々面白い現象だなと思うのである。

ルールがあるから面白いんだと

子供たちに教えていきたい。


まぁめちゃめちゃ斜に構えてるけど

普通にオリンピックで泣いたりするんだよね。

スポーツは最高。

悪いのは全部サッカー部とバスケ部。




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