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お金は貯めるだけではなく、使うことで人生はもっと豊かになる(はず)

大ベストセラー、ビル・パーキンス氏の「DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール」に始まり、お金の貯め方・使い方を考えてみたという話です。というか、話題になった当時読んだときは「いやー、ビルさん(著者)は大金があるからこうした考えができるんだよな・・・」とどこか斜に構えていました。しかし、時を経て、いろいろ考えてみたときに、「確かにこの考え方は大事かも」と思うようになりました。今回はそんな思いに至るまでを綴ってみたいと思います。


経済学者、高橋洋一先生の金言

私が毎回楽しみにしているYouTubeチャンネルのひとつに、経済学者で数量政策学者の高橋洋一さんの番組があるのですが、その中で高橋さんがぽそっと「新NISAとかで皆さん投資をしているけど、結局一番儲かるのはどこだと思う?」と司会者に問いかけ、「実は財務省なんだよね」と高橋さんらしい、古巣いじりを入れながら解説をされていました。

要は国民が老後に備えて貯めたり投資したりしたお金は、その人が亡くなった後にはどうなるか?なんだかんだで国に入ってくる、と。そういうようなお話だったと記憶しています。普段なら「またいつもの高橋先生節だなぁ」と笑いながら聞き流してしまうところなのですが、今回は「確かにそうだよな」と妙に納得してしまいました。そこで思い出したのがこの「DIE WITH ZERO」という言葉だったのです。

老後2000万円問題は、3000万、4000万円の時代に・・・

かつては「老後2000万円問題」が騒がれ(・・・というか、マスメディアは相当なネガティブキャンペーンを展開しましたが、実は非常に理にかなった計算式で至極まっとうな説明だったんですよね、本当は)、そのためにiDeCoやらNISAなど、国を挙げた「貯蓄から投資へ」というムーブメントがじわりじわりと形成されていきました(もちろん、私もそのブームに飛び乗ったわけですが・・・笑)。しかし今やインフレによって「老後2000万円」では足りなくて、「3000万だの4000万だの」と言われる時代になってしまいました。

これは勝手な妄想ですが、このペースでインフレが進み、いやもっとペースが上がったとしたら、それこそ「5000万円」とか「6000万円」・・・と際限なく老後に必要な資金が上がるかもしれませんよね(もちろん、インフレと同時進行で、貰える給料もアップすることになれば、少しは負担感は軽減されると思うのですが、2024年6月現在、まったくインフレによる物価高に賃金アップは追いついていません・・・涙)。

我々40代が老後を迎える頃には・・・どうなっているのか!?

そうなってくると、では我々40代の世代が老後を迎える頃には一体どのくらいの額が必要なのか?なんだかよく分からなくなってきますよね、残念なことに。さらに、様々な言説に右往左往して、ひたすらお金を使わずに貯蓄もしくは投資に回し続けるべきなのか?ファミリー世帯であれば、年々掛かるお金も増えていきますし、「貯蓄どころではない!」というのが本音ですよね。

モモと時間泥棒のお話

ここで思い出すのが、「はてしない物語」の作者ミヒャエル・エンデの名作「モモ」のお話です。子どもの頃に読んだ本なので、うろ覚えになっていますが、要は「人々が時間を貯めることに必死になり、どんどん人間らしさを失っていく」というストーリーだったように記憶しています。つまりは、お金を貯めることに必死になり、肝心な人生を楽しめない状態にはなっていないだろうか?と、この高橋先生のちょっとした一言が、私にはグサっと心に刺さり、こんな風にいろいろなことを考えたというわけです。


貯めることが目的となっていなかっただろうか?

もちろん「DIE WITH ZERO」を目指すと言って、湯水のようにお金を使う、ということではありません。ただ、必死に「老後資金」のために、「貯めること」が目的になりすぎるのもなぁ・・・というふうに少しルールを緩めてみてもいいのかな、と考えたと言うことです。だって、60代、70代になってある程度余裕のある暮らしが出来たとしても、当然体力は今よりは衰えるでしょうし、40代の今、楽しいと思えることが、その時まで同じ気持ちを保てるかという保証はありませんよね。

食べ物だって、どんどん食は細くなるでしょうし、どこかへ遠出するのも億劫になってくるかもしれない。もちろん必ずそうなるということは分かりませんが、「そうなるかもしれない」という可能性はあるわけです。それならば、ある程度ルールを緩めたとしても、今やりたいこと(=体験)にお金を使うという考えもまた「アリ」なのかな、と思ったのです。

今こそ「死ぬまでにしたい100のこと」を復活!

一昔前に「死ぬまでにやりたい100のこと」とか「行ってみたい場所100」、さらにはバケツリストといわれるような「やりたいことリスト」が流行ったことがありますが、やっぱりそういうのって、思いついたらスマホにメモするなどして、記録を残しておき、さらには実際に行動に移さないと、それこそ年を経てから「あのとき、ああしておけば・・・」という後悔につながると思うんですよね。


自分のためだけでなく、人のために使うことも考えたい

もちろん「DIE WITH ZERO」でも書かれていましたが、自分に使うだけでなく、家族や友人、大切な人に使うというのももちろん素晴らしいと思います。また、モノではなく、コトに使う、というのも同様です。「お金で買えない価値がある=priceless」ではないですが(笑)。でもまさに本当ですよね、しかもこれだけAIやらバーチャル全盛期にあって、実際に体験する、ということこそ我々人間にとって何よりの財産であるように思います。

ヒントはこれだ!トリニティルールのご紹介

作戦実行のヒントが以下のものになります。私のような数学音痴でも知っている「トリニティルール」とよばれるものです。

投資、特にFIREの界隈では非常に有名な言葉で、老後に資産の4%を毎年取り崩しても、ほとんどの確率で資産は破綻しないという研究結果です。3 – 4%の引き出し率では、30年後に資産が残っている可能性は98%以上と非常に安全で、これは2021年までの最新のデータでも結果が変わっていないということがわかります。一方、4.5%まで増やすと、30年後の成功率は85%まで下がります。

原則として、株式 100%が最も成功確率が高く、ついで株式75%, 債券25%が続きます。最も安全で、再現性が高い方法としては、株式を75 – 80%で運用して、毎年 3.5%を取り崩すというやり方だとわかりました。この方法だと50年経っても、ほぼ確実にリタイア生活が継続できます。しかも多くの場合で資産が10倍以上に増えているでしょう。お金がなくなりそうだったら働けばいいや、と考えている方は 4%ルールを採用すべきでしょう。お金を貯める (やりたくない事をする) 期間をいたずらに伸ばすべきではないからです。

しょうたろうの医学投資日記より

アメリカのトリニティ大学が発表した、年間資産の4%を切り崩していくと、50年は資産がなくならない、しかも増えているという研究データです。もちろんこれに完全に頼るのは心配だ・・・という方も多いでしょうが、考え方のヒントにはなると思いませんか?貯めるだけでなく、計画的に資産を使っていく。できることなら、やりたいことリスト等を作り(もちろんどんどんアップデートまたはリストを増やしてOK!)、人生を楽しむ。そうすることで、貯蓄一辺倒(=時間を必死に貯めるモモの世界の人たち)ではない、もっと充実した人生を送れるのかな、と今更ながら思ったという話です。

ま、要はお金を使う際の壮大な「言い訳」なんですが・・・笑

もちろんこれは「散財をしよう!」ということではないですよ、私としては(まあ、それがしたいんだ!という方は限度を決めて、楽しむのもアリだと思いますが)。お金や節約を理由に諦めるのは、もったいないよな、ということです。もちろん自分なりにルールを決め、そのルール内で自分の人生を豊かにするために、有意義にお金を使う。これなら「浪費」ではなく、自分への「投資」になりますよね。・・・ま、いずれも要は自分への「言い訳」なような気もしますが・・・笑。ということで、今回はちょっと発想を変えてみた、というお話でした。でも、このほうがきっと人生をもっと楽しめるような気がしませんか?

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