2023阪神ドラフト振り返り

悲願のアレ……もとい優勝を達成し迎えた今年のドラフト。優勝するとこんなにスカウト達の入場や1位指名が遅いのかとか、2位から3位がマジで早いなとか、色々細かいところで優勝を実感しながら僕は楽しんでました。さて、今年も早速ですが、阪神のドラフトを振り返っていきましょう。

阪神の補強ポイント

今オフに阪神が放出した選手は以下の通り。

髙山俊(外野手)
板山祐太郎(外野手)
北條史也(内野手)
山本泰寛(内野手)
二保旭(右投手)
小林慶祐(右投手)
渡邉雄大(左投手)
望月惇志(右投手)

特に二遊間とリリーバーを多く放出しており、これらに代わる選手の指名が編成的には必要という状態で迎えたのが今季のドラフトです。これらを踏まえた上で、ドラフト指名を振り返っていきます。

1位 下村海翔(右投手)
2位 椎葉剛(右投手)
3位 山田脩也(内野手)
4位 百崎蒼生(内野手)
5位 石黒佑弥(右投手)
6位 津田淳哉(右投手)
育成1位 松原快(右投手)
育成2位 福島圭音(外野手)

全体を見て、右投手を中心に揃えつつ、新たに高卒の二遊間を2人、さらに外野手も育成で1人加える指名。放出と見合った指名であり、非常に巧く感じました。特に、上位で先発、中継ぎ、ショートと欲しい3点をしっかり抑えた上でその後を展開していった点は見事と言うべきでしょう。ここからは、もう少し1人ずつ掘り下げていきます。

阪神の指名選手

1位 下村海翔(しもむら・かいと)

身長は174cmと大きくはないながらも、しなやかなフォームで最速155km/h、常時140km/h後半から150km/hに届くストレートとそれに近い球速のカット、さらにスライダー、フォーク、カーブなどを操る完成度の高い右腕。試合を作る能力に長ける。地元西宮出身で幼い頃から阪神ファンと話しており、指名時には頭が真っ白になったそう。

2位 椎葉剛(しいば・つよし)

最速159km/hの独立リーグの星。1年間で10km/h以上もスピードが伸びるなど、今なお成長途上。奪三振能力に長けており、今季はイニング数を遥かに上回る奪三振数を記録した。阪神に足りない右のセットアッパーを同じ独立出身の石井とともに担えるか。ちなみに、椎葉もまた小さい頃から阪神ファンだった。

3位 山田脩也(やまだ・しゅうや)

守備力に優れた高卒ショート。甲子園優勝を経験しており、サヨナラ打を放つなど、大舞台への強さも光る。足の速さとスローイングの安定感が特に評価を得ており、強豪の仙台育英高で1年春からレギュラーを掴むほど。打撃が伸びれば左の小幡、右の山田でショートを争うような存在に。

4位 百崎蒼生(ももさき・あおい)

高校通算39ホーマーの打撃型ショート。元々は東海大相模に入学したが、上手く馴染めず、地元の東海大熊本星翔に転入した。その際に一度は野球を辞めようとしたが、監督の説得もあって続行しドラフト指名まで辿り着いた。転入の影響で一度しかなかった甲子園を目指すチャンスで故障をするも、気持ちの強さで出場しホームランを放つなど活躍した。阪神ではショートを中心に内野にバットで殴り込みをかける。

5位 石黒佑弥(いしぐろ・ゆうや)

高卒4年目でドラフト指名を勝ち取った社会人右腕。高校時代には石川昂弥(中日)を擁する東邦高にコールド勝ちして話題に。以前は直球で押すスタイルだったが、昨年指名漏れを経験し、1年間かけて変化球、特にカットボールに磨きをかけた。その他にもスライダーやフォークを織り交ぜてピッチングを展開する。高校通算18ホーマーと打撃力にも定評がある。

6位 津田淳哉(つだ・じゅんや)

最速152km/h、平均140km/h半ばの速球とカット、フォーク等で打者と対する大卒右腕。大学で球速が20km/h近く伸び、一気にプロ注目の選手となった。コントロールにはまだ課題があるが、タフさには定評があり、さらに緩急も使えるように成長してきた。先発も中継ぎもこなす万能さでチームに貢献したい。

育成1位 松原快(まつばら・かい)

やや腕を下げて投げる最速156km/hの剛腕リリーバー。湯浅と同い年であり、所属している富山サンダーバーズも湯浅と同じ。ただし所属期間は被っていない。今季はNPBとの対戦でも9イニングを0に抑え、阪神二軍との対戦でも2イニングを無失点に封じていた。名前に違わぬ快速球で支配下を掴み、一軍のセットアッパーに名乗りを上げたい。

育成2位 福島圭音(ふくしま・けいん)

一塁到達まで4秒を切るほどの俊足外野手。リーグ戦では20盗塁を決めて記録を更新、さらに打率も5割を超える活躍で首位打者や最多安打に輝いた。高校は鳥谷が通った聖望学園高、大学は大山が通った白鴎大と阪神にぴったりの経歴。そのスピードで手薄な阪神の左の外野手を埋めたい。