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ポートアイランドの小さな大湿地。

 皆さん、おはこんばんにちは。先月にオープンしたとある新展示に関することについて少し話そうと思います。お時間があれば、最後までご覧ください。

1.インサイドパークとアウトサイドパーク。

 神戸港に浮かぶ人工島、ポートアイランド。その南端あたりに神戸どうぶつ王国はあります。
 屋内展示がメインのインサイドパーク、屋外展示がメインのアウトサイドパークの2つのエリアに大きく分かれ、多種の珍しい動物たちをすぐ間近で観察したり、触れ合ったりすることができます。

インサイドパークの一角にある、ハシビロコウ生態園。3年前にオープンしました。
ハシビロコウ。日本での繁殖歴はまだ存在しません。

 ハシビロコウやコツメカワウソの専用展示場に代表されるように、展示方法にはかなり力を入れていて、生き生きと暮らす姿を堪能できるのが醍醐味のひとつです。

アウトサイドパークの一角にある、オッターサンクチュアリ。いくつかの区画に分かれています。
コツメカワウソ。写真の如くのんびり休んだり、活発に動き回る姿を見られます。

2.アウトサイドパークの新展示場。

 アウトサイドパークの北の方に、先月オープンしたばかりの、カピバラたちの湿地という新展示場があります。北側ではカンガルー展示場と隣接していて、カピバラ→カンガルーの順番に巡ります。

出入り口付近にある看板。カピバラだけ、あるいはカンガルーだけという回り方ができないようになっているので要注意です。

 ゲートを入ると、湿地周辺の森をイメージした空間が広がります。少し歩いていくと視界が開け、池が見えてきます。

草木が多々生える中を進んでいきます。
池を南側から見たところ。右側には池を見渡すことができる展望デッキが見えている他、奥の方には水草も植えられています。

 どこにカピバラたちがいるのかはその時次第。木々が生い茂る空間で、お休み中の光景を見ることだってあります。

昼下がり、のんびり休息中。静かに見守りましょう。

 運が良ければ、池に入っている様子を観察することができるかも。ちなみに、初訪問した日はその光景を見ることは叶いませんでした。またいつか見られたら良いな…。

デッキの付近で水を飲んでる…ところか?
間近でじっくり観察するのも楽しいですが、驚かせたりしないように。

 今の展示場の前は、インサイドパークの熱帯の森エリアにいました。今の展示場よりは狭めで、マーラやゾウガメとの同居でした。身体が大きく、群れを成すカピバラたちにとっては窮屈じゃないのか…?、と思うことがあったので、専用展示場ができたのは良いことだと思います。

かつてカピバラたちがいたところ。大きなカピバラたちがいなくなるだけで、広く感じるのは気のせいか?
南米南部の草原に棲むネズミの仲間、マーラ。心なしか、以前よりリラックスしているように見えました。

3.まだまだいる、パンタナールの生き物たち。

 カピバラ以外にも、神戸どうぶつ王国にはパンタナールに生息する生き物たちが複数種いるので、何種類か紹介していきます。

 カピバラの天敵となりうる存在は、ジャガーやカイマン等湿地帯に数多く存在しています。神戸どうぶつ王国では、その1種であるヤブイヌを見ることができます。

ヤブイヌ。小型ですが、群れを成して自分より大きな動物をも捕食します。

 数多くの捕食者から狙われうる存在もまた多数が存在しています。

アメリカバク。手前は子供、奥は母親です。
ミナミコアリクイ。王国では、頭上に張られた枝を行き来する姿を見ることができます。

 哺乳類のみならず、鳥等も数多くの種がいます。

トキの仲間、ベニヘラサギ。嘴の形は日本語ではへら、英語ではスプーンです。
ルリコンゴウインコ。パンタナールには、数種類のコンゴウインコの仲間がいます。
グリーンイグアナ。中南米に広く生息し、パンタナールはその1つです。

 これらの生き物たちは、園内の何処かで展示されているので、散策しながら探し、そして観察してみては如何でしょうか。

4.最後に。

 国内では数多くの動物園で見られるカピバラですが、彼等本来の生息域に着目した展示はそう多くはありません。どれだけメジャーな、あるいは動物園でよく見かける動物といえども、決して手を抜かずに本来の姿を見せられるようにする。その姿勢には恐れ入ります。

池のそばでくつろぎのひと時。

 そして、パンタナールを取り巻く現実は決して安泰とは言い難いです。開発が進んで自然の領域が狭まったり、地球温暖化に起因するといわれる旱魃や火災が頻発したりしているからです。この問題は、同地域内で完結するようなものでもありません。

 ゆるりと暮らすカピバラたちの姿を見ながら、彼等の故郷に思いを馳せてみることも良い経験になるかもしれません。そこから得られる何かも、きっとあるはずです。

カピバラたちの故郷、パンタナールについての看板。

 神戸を訪問する機会があれば、神戸どうぶつ王国に新しく完成した湿地に足を踏み入れてみるのも面白いでしょう。あなたしか目にしなかったであろう光景に出会えるかも…、多分。

 今回は以上とさせていただきます。最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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