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2022年最終釣行 奥飛騨

9月のはじめ、飛騨高山での仕事があったので前日に出発し、迷わず奥飛騨へ。
暗いうちから車を走らせる。その日、空模様がどうもあやしく釣りができない可能性を鑑み、山梨でわずかな時間フライを投げてイワナに出会う。今日はこれで釣りができなくてもよいと、一路飛騨の山へ。
途中、諏訪湖あたりで豪雨。この時期は線状降水帯なる雲がどんどんと押し寄せる。安曇野あたりの雷雨を最後に雨は止みはじめたが、谷下の川の水量は多く茶色く濁っていた。目的地は蒲田川(がまたがわ)「地獄平砂防堰堤」この堰堤、曲線が重なる美しい形をしており、ほとりで釣りができるのであれば、それは最高の体験と思っていた。しかし、やはり茶色い濁流。くしくも美しい砂防堰堤は濁流に対峙し、その有り余る力を見せていた。しかも周辺に葉が茂り川に降りる道が見つからない。

地獄平砂防堰堤


カフェオレ色の蒲田川

今回の釣行はもうだめかと半ば諦め、下流の川辺を散策していると川沿いに無人の露天風呂を発見。のんびり温泉に入る。開けた空、力強い川音、草木と温泉の匂い。ここちよい温泉に出会った。料金はカンパ箱に。調べると「荒神の湯」(あらがみのゆ)という温泉であることがわかった。偶然の発見に嬉しくなり、ここからはもう釣りを忘れてゆっくり温泉一人旅とすることにした。

荒神の湯

その日の宿は奥飛騨 平湯温泉にある「奥飛騨温泉 平湯館」歴史が深い宿で今は共立リゾートがリノベーションし運営している。話はそれるが、共立リゾートは新しくホテルや旅館を作るが、リノベーション運営もとても上手だと思う。
建築家、白井晟一が関わった秋田県の稲住温泉もそうである。白井晟一の手のあとを壊すことなくうまくリノベーションして運営している。
平湯館も元の建築に増築、既存の家具や備品などを使って、とても上手にリノベーションしている。風呂の作りはとてもダイナミックで、内湯の天井は高く。露天風呂は立体感がある。もちろんお湯もとても良い。
古書をならべるブックコーナーは以前からある本であろう。昭和40年ごろ出版の飛騨高山の本が興味深かった。

平湯館


さて、翌朝。天気がよくなっていたので、一縷の望みに賭けて川へ向かった。すると濁りは取れて水量も落ち着き始めていた。ウエーダーを着込み、水に入ると、肝心の魚は濁流でどこかへ行ってしまったのではないかという心配は程なく解消。ポイントごとに反応があり、小さなヤマメが顔を出してくれた。奥飛騨はまだ知りたい場所がたくさんある。このあたりの禁漁時期は早く、9月10日から禁漁となるが、温泉が流れこんでいるため、まだ雪が残る早春の釣りにも期待ができるらしい。また来年に来よう。
しかし、あの濁流の中でヤマメたちはいったいどこに隠れているのだろうか。ヤマメの暮らしに興味がわきつつ、高山へ向かった。

晴れ間の見えた蒲田川


ヤマメ 濁流の時にはどこに隠れているのだろう

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