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最適な梅干しの保存方法は? おすすめの保存容器も確認しよう

梅干しは食卓に欠かせない日本の伝統的な食材です。傷みにくいことから、保存食として古くから親しまれてきました。

「賞味期限がない」と考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、梅干しの種類や保存方法によっては、傷んでしまうこともあります。梅干しを長持ちさせるには、正しい保存方法を知っておくことが大切です。

ここでは、梅干しの種類ごとの保存方法や、保存に適した容器などについてご紹介します。

梅干しは賞味期限がない?

日本の伝統的な保存食である梅干しは、賞味期限がないといわれることがあります。これは、抗菌力が高いクエン酸や塩分が含まれていて、細菌の繁殖を抑えられるためです。

塩だけで作る「白干梅」は常温で保存しても腐らないとされていて、実際に数百年も昔に漬けた梅干しが大切に保管され続けている例もあります。

とはいえ、全ての梅干しが長い間保存できるというわけではありません。保存方法によっては、白干梅でも腐ってしまうことはあります。

また、減塩タイプや市販の調味梅干しなども賞味期限が短くなるため、注意が必要です。


梅干しの種類別の正しい保存方法

梅干しは、市販品なのか自家製なのか、どれくらいの塩分濃度なのか、塩以外に含まれている調味料の種類などに応じて、保存場所を変える必要があります。

梅干しの種類ごとに正しい保存方法をご紹介するので、参考にしてみてください。


塩分濃度が高い場合

たくさんの塩を使って梅を漬け、しっかりと天日干しにした梅干しの場合は、長い期間保存できる可能性があります。具体的には、塩分濃度が20%以上だと雑菌の繁殖が抑えられるため、保存性は高いです。

直射日光の当たらない冷暗所に置くだけで、長持ちさせることができます。

塩分濃度が低い場合

健康志向の高まりから人気を集めている減塩タイプの梅干しは、塩分濃度が高い梅干しに比べると保存性が低いです。市販・自家製を問わず冷蔵庫内で保存して、できるだけ早めに食べ切ることを心がけましょう。

商品によっては、未開封の状態なら常温保存できる場合もありますが、基本的には冷蔵庫に入れておくことをおすすめします。

すぐに食べ切れない場合は、冷凍保存するのも良いでしょう。冷凍保存なら冷蔵よりも保存期間を延ばすことができます。

調味梅干しの場合

調味梅干しとは、昆布やかつお節、はちみつなどで味付けされた梅干しのことです。塩抜きされている商品が多く、減塩タイプと同様に保存性は高くありません。

購入後はすぐに冷蔵庫に入れて、冷蔵保存することを心がけましょう。

梅干しの保存に適した保存容器

梅干しを長持ちさせるには、適した保存容器を用意することが大切です。特に梅干しを手作りする際は、保存容器が原因で失敗してしまう可能性もあるので、必ず梅干し用の容器を用意しておきましょう。

梅干しの保存に適した保存容器と、それぞれの特徴をご紹介します。

陶器

昔から梅干し作りに使用されているのが、「かめ(甕)」や「つぼ(壺)」のような陶器です。梅干しの酸や塩分に強く、厚みがあるものなら気温の影響を受けにくいなどのメリットがあります。

サイズが大きいほどたくさんの梅を入れられますが、容器の重みも増し動かしにくくなる点に注意が必要です。

また、フタがズレやすく密閉できない陶器は長期保存にも適していません。たくさんの梅干しがある場合は、すぐに食べる分だけ陶器製の保存容器に移して、残りは他の容器で保存しておくのがおすすめです。

ガラス容器

ガラス製の容器も、梅干しの保存に適しています。透明で中身を確認しやすいので、傷みやカビの発生にすぐ気付ける点がメリットです。匂いや色移りに強く、清潔に使い続けることもできます。

口が狭いものだと梅干しが取り出しにくいので、広口のものを選ぶのがポイントです。

ホーロー

金属材料の表面にガラス質の釉薬を焼きつけたものがホーロー(琺瑯)です。ガラス容器と同じく酸や塩分に強く、梅干しの保存に適しています。ガラスと異なり落としても割れる心配はありません。

金属面が露出すると、そこからさびが発生する可能性があるため、取り扱いには注意しましょう。

ジップロック®

ジップロック®で梅干しを保存するのもおすすめです。スペースを取りにくく密閉性にも優れているため、少量の梅干しを保存する場合に適しています。

他の保存容器に比べると色移りしやすいので、何回も使い回すことはできません。

梅干しの保存に向かない容器に注意

金属製の容器は梅干しの保存には適していません。梅干しの酸が金属を溶かしてしまい、さびが発生する可能性があります。容器本体だけでなく、フタ部分も金属が使われていない容器を用意してください。

色移りや匂い移りしやすいプラスチック製の容器も避けた方が良いでしょう。

また、必ず食品用の容器を使用することもポイントです。食品を入れる以外の用途のものは、食品用の容器と使われている成分が異なります。梅干しの酸で、容器の成分が溶け出してしまい、何らかの影響を及ぼす可能性があります。

手作り梅干し用の容器は乾燥もしっかり行おう

梅干しを手作りする場合は、容器の種類だけでなく、お手入れの方法も重要です。雑菌の繁殖を抑えるために、事前に必ず消毒を行ってください。

耐熱性を備えた容器の場合は熱湯消毒を、それ以外の容器はアルコール消毒を行うと良いでしょう。

消毒後の容器は乾燥させてしっかり水気を切ることもポイントです。水滴が残ったままの容器に梅干しを入れると、水分が原因でカビや雑菌が繁殖する可能性があります。

食べられなくなった梅干しの特徴

正しい方法で保存していたとしても、何らかの原因で梅干しが傷んでしまう可能性は捨てきれません。保存してから時間が経った梅干しは、食べる前に状態を確認しておきましょう。

以下のような特徴が見られる場合は、食べられなくなっている可能性があります。


【カビが生えている】

梅干しの表面にカビが生えている場合は、食べるのは避けてください。表面にぬめりがあったり変色していたりする場合は、カビが生えている可能性があります。


【異臭がする】

梅干しから普段とは異なる臭いがする場合も、傷んでいる可能性があります。食べるのは避けた方が良いでしょう。


【水っぽい】

梅干しが水っぽくドロドロしている場合も、雑菌が繁殖している恐れがあります。体調不良につながるため食べずに破棄してください。

梅干しは正しい方法で保存しよう

梅干しは、長期間保存することができる食べ物です。ものによっては数年という長い年月保存することもできます。

ただし、全ての梅干しが長期保存できるわけではありません。減塩タイプや調味梅干しなど塩分濃度が調整されている梅干しは、通常の梅干しに比べて保存性が落ちています。

塩分濃度20%の梅干しは常温保存でも問題ありませんが、減塩タイプや調味梅干しは必ず冷蔵庫で保存しましょう。

また、梅干しの保存には保存容器の選び方も大切です。金属製の容器は避け、陶器製やガラス製を用意することをおすすめします。長期保存したい場合は、プラスチック製の容器も避けた方が良いでしょう。

ご紹介した内容を参考に、梅干しは正しい方法で保存することを心がけてください。

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