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デザインワーク

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デザインの仕事について書いた記事です
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#井上新八

本のデザインができるまで 〜 「ぜんぶ、すてれば」

すっかり秋だ!読書の秋。 noteでも読書感想文投稿コンテストをやるようだ。 書くこともないし、感想文を書くか!!! って課題図書から何か読む本をふんふんって探していたら、 あ、課題図書の中に1冊、自分がデザインした本が!!!! 『ぜんぶ、すてれば』中野善壽  #ぜんぶすてれば おお!これなら、もう読んだし!家にあるし!すぐに書けそうだ! って感想文を書きかけて、「いや、ちょっと待て!」と、 書くなら感想文じゃないだろう…という心の声が。 書くなら「デザイン」につ

白い紙って奥が深い 〜装丁の紙の白さについて

白、そう、白ってほんとに奥が深い。 このnoteを読んで、改めて思った。 ホワイト、スノーホワイト、ウルトラホワイト、プラチナホワイト、 スーパーホワイト、ハイホワイト… ふだんよく使う白の種類を上げただけでもやたら多い。 え!?白の紙の呼び方、73種類もあるの。 ほんとに白、多い!そりゃ、選ぶのも大変だ。 ブックデザインの仕事をしているので、ふだん毎日のように紙を選んでいる。 紙選びはブックデザインの大きな要素のひとつだ。 というより本は紙でできているから紙が全てと

フリーランスになるきっかけ はじめてブックデザインをした話

1冊の本がある。 「CROSSROAD 20代を熱く生きるためのバイブル」 監修:SANCTUARY (サンクチュアリ出版) 1997年に刊行された本。 ぼくが初めてブックデザインした本だ。 この本を作るまで本のデザインをしたことはなかったし、 デザインの勉強もしていない。 知識もスキルもゼロの状態から、完全に独学でやり始めて、 最後までやりきった初めての本の仕事だ。 二十数年前── 飲みの席でサンクチュアリ出版の社長の高橋歩くんに 半分冗談で言われた「本のデザイン

フリーランスになるきっかけ はじめてのデザイン

フリーランス・デザイナーの井上新八です。 今回は初めてデザインに触れた話です。 バブル崩壊後、就職氷河期の頃のショボい話です。 大学時代、バイト先で知り合った5つ年上の社会人エンボスくん。 彼と教材ビデオを作った話を前回書いた。 もう一つ彼と始めたことがあった。 「フリーペーパー」作りだった。 それはある日のバイト中に エンボスくんの突発的な思いつきで始まった。 「よし!雑誌を作ろう!」 唐突な一声だった。 彼が言うには、誰でも気軽に参加できて発表ができる 「もの