ポツネン探偵日記 2020年11月

11月某日。北陸の舞台挨拶、リアルは川上さんにまかせて、金沢だけリモート登壇。劇場の方に登壇前モダンラバーズについて訊かれる。シネモンドの「モンド」の由来について伺おうと思ったけど忘れたので配給の熊谷さんが後から聞いて教えてくれた。川上さんのお父さんに会いたかった。

11月某日。仕事終わりに赤坂に睡蓮みどりの写真展行く。トムさんや映画監督の佐々木さん、キネマ旬報の方に会う。鈴木史さんがあとから来る。睡蓮みどりは身体がエロいし性格もおじさんウケする言動というのは普通なので、もうちょっと意外性のある内面を出していった方がいいのでは。ゴリゴリのフェミになるのは賛成。

11月某日。ぼんやり東浩紀『クォンタム・ファミリーズ』を読み続ける。読書がルーティンになりデフォルトになる。活字中毒、映画中毒だった大学の頃の感覚がなんとなしに戻る。神保町画廊で階戸瑠李の写真展覗く。可愛くて、写真という一枚の隔たりの奥に今も彼女はいるのだ、と思う。下北沢こはぜ珈琲に移動し森岡龍さんらとみてぃふぉの写真展に顔を出す。中村さんや松嵜さんも来ていた。卒なく閉店を迎える。

11月某日。ケイズのムーラボで『東京の恋人』やるので上映後、川上奈々美とトークを少し。家田さんにも久しぶりに会ってオーディオやレコードの話をする。DATやオープンリールで音楽聴いていたことあるらしい。その後、三平で直井さんと川上さんで少し飲んで解散。

11月某日。TAMA NEW WAVEに行くため聖蹟桜ヶ丘まで。茂木と逵くんと落ち合う。6本中5本みる。『初仕事』がダントツだったかなと思って、観賞後茂木と飲んでたらやはりグランプリ取ったようだ。ほか、秋田ようこさんや木村知貴さんにも会ってサンプルDVD持っていたので渡す。ちばの鶴岡さんや内田さん、佐藤さん、宮崎さん、黒川さんの奥さん（つまり黒川さん）らにも久しぶりに会ったな。映画祭は出会いと再会の場で何か浮き足立っててやはり好き。

11月某日。夜、新宿ケイズシネマにムーラボの特集を見に行く。やっと見た谷口恒平監督『やりたいふたり』、相当の力作だった。なんとなく巨乳が好きな人はパワフルなんだろうなぁと得心する。僕の場合はある時期から尻にしか興奮しなくなったので病んでいる。

11月某日。夕方、山嵜晋平監督と会う。高円寺の立ち飲み屋で2時間ほど打ち合わせも兼ねて飲む。サーファーらしい。うちの地元にも奈良から車でサーフィンしに来たという。地縁というものは大事にしてしまうな。マニアックな音楽の趣味が通じる仲間を見つけた時のように。

11月某日、衝動的に松本亀吉さんの本やZINEをネットで買い漁る。Spotifyでbjonsやroppen、細野さんの去年のアルバム聴きながら仕事。池袋シネマロサに平波亘監督『ビリーバーズ』を見に行く。パナソニックAG-DVX100Aの郷愁。ノイズ入れちゃう感じはビデオ世代の感触。たまちゃん（窪瀬環）と浦山さんに会う。夜、映画について西山真来とラインするが、この人とは出会うべくして出会った仲間という感じがある。

11月某日。前日飲みすぎて昼まで寝ている。届いた松本亀吉『歌姫2001』を読み込む。こういうの読み込みながらまだ聴いたことのないパンクを夢想した好奇心を想う。ダニー・ボイル『イエスタデイ』見る。並行世界ものとのことで見たが一流のエンタメ監督だなあと感心する。飽きさせないテンポやカメラ、構成についてちゃんと考えられている。昼寝して目を覚ますともう日が暮れている。

11月某日。寒いので映画館に出かける気にもならない。松本亀吉さんから溺死ジャーナルと短編小説集が届く。読む。三木聡『音量上げろタコ〜』見る。いきなり木村さん出てきて笑う。年末調整の紙、記入等。インスタで松本亀吉さんからリアクションあり昔読んだ名古屋のエロ小説はどこで読めるか聞いたら丁寧に教えていただいた。『東京の恋人』DVD送ろうと思う。