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あたしと彼女の話13

『本当の気持ち』

「だーかーらーー!」
「はい、すんません」

 絶賛、後輩に怒られ中のわたし。
理解できないわたしが悪い。
そこは分かってるんだけど、違う解釈しててね、と。
いちいち言い訳する気力も湧かない…。
 しかし、怒られる度に、わたしにがっかりしているだろうなと思う。
確実に嫌われ道まっしぐら。
以前よりも忙しくなった後輩とは、やはりコミュニケーションが取りづらくなった。怒られてる時が唯一のコミュニケーションという訳である。
ああ、悲しい。

「センパイ、アメちゃん食べます?」

後輩の岡本が隣に座っていた。

「…ありがとう」
「センパイと細谷先輩。今日も仲良しで安心したっす」
「は⁈な、仲良し⁇何でそうなる⁈
毎日、めっちゃ怒られてるんだけど!」
「オレにはイチャついてるようにしか見えませんけど」

何、言ってんのこの子。

「なに言ってんだコイツって思ってます?」

バレた。

「細谷先輩が怒ってるのってセンパイだけっすよ」
「え…?」
「素を出せる人?がセンパイだけなんじゃないっすか」
「…い」
「い?」
「嫌!全然、嬉しくない!!怒られる以外が良い!!」

岡本は爆笑して、アメをもう1つくれると自分の席に戻った。

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