あたしと彼女の話8

『はじまり?2』

 休憩から帰ると細谷先輩と江口センパイが何やら険悪な雰囲気だった。
いくら、空気読めないオレだけど今回は気まずい位は分かる。
席が一列違いだが、き、気まずい。

「僕は変わるつもりはないですよ。
変わるかどうかは、先輩の気持ち次第じゃないですか?」

 《先輩、い、言い方》

「わたしは、知っての通り切り替えが出来ないから…。
わたしは変われないもん。
それに、もう、手を握ってもらえないかもって不安で…」

 《手⁇握る⁈付き合ってるのこの2人⁇》

「そんな事しました?記憶ないんですけど僕」

 《ちょ!先輩⁉︎言いかたーっ!》

 タイミングよく電話が鳴り、江口センパイが電話を取った事で2人の会話は終わった。
その後、何も無かったように2人は仕事をこなしていた。

「ほい、これ、今日中に連絡頼むなっ…どうした?
珍しく睨んで。反抗期か?」 
「先輩!なんで、もっと早く戻って来てくれないんすか?!」
「は?」
「オレ、さっき、初めて透明人間になりたかったです!」
「は?!」

 オレの直属の先輩、諏訪先輩に2人の話しをした。

「なるほどねえ。あの2人がねえ」
「付き合ってるんすかね?」
「…さあね?ところで、お前、コンビニに行ったか?」
「コンビニ?ああ!そういえば、あの準主役の人!
ジャケットを裏返しに着てたんで声かけて教えてあげました」
「ジャケット裏返し⁈ドジっ子か」
「ドジっ子?」
「ちなみに何て声かけた?」
「えーっと…やば!準主役の人って言ったかも」

 笑いを堪える諏訪先輩。ぽんっとオレの肩を叩く。

「お前、最高だわ」
「最高じゃないですよ!やば!会いづら!」

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