【マーダーミステリー】第2回 新作マーダーミステリー大賞の結果について思うこと

第2回新作マーダーミステリー大賞の結果がマダミスフェス2023の中で発表、配信されました。このコンテストに作品を投稿した一応募者として思うことをまとめます。



結果のおさらい

まず結果を振り返りますが、以下のウェブサイトに発表されており、大賞作品は両部門ともになし、奨励賞とミステリアス・トレジャー賞でGMなし部門からそれぞれ1作品ずつとなっています。


結果の理由

選考結果の理由について要約すると以下の通りとなります。
大賞(両部門ともに該当作無し)
ストーリーとしては良い作品があったものの、システム面で突出した作品が無かった。多くの作品がGroupSNEのMYSTERY PARTY IN THE BOXシリーズを踏襲した内容となっていた。

奨励賞(GMなし部門:ミッシングファイター)
ヘックスタイルを使ったシステムが斬新、戦争というテーマを扱った新規性が加点となった。ただしミステリー面で内容が弱かった為大賞には至らなかった。

ミステリアス・トレジャー賞(GMなし部門:地球より愛をこめて)
設定、シナリオがよかった。SFをうまく扱っていたのも良かった。ただしミステリー面、またシステム面が今一つだった(その為、大賞には至らなかった)。

疑問点

ここから先の話が、この記事でメインで話したいことになります。
今回の結果は非常に残念なものに感じています。まず、3年ぶりに実施して個人的に期待が高まっていた中での大賞作無しという結果。第一回の時はGM必須部門では大賞作無しとなりましたが、今回は両部門無し。

なぜこのような選考結果になったのかをまとめると「システム面に対する評価基準が高かった」に尽きるようです。
応募作品群は、ストーリーに関してはそこまで悪い評価では無さそうです。では、システム面が悪かった(新規性がなかった)ことがそんなに悪いことなのかと思い、改めて応募要項を確認して気づきました。

審査基準(上記サイトより引用)

  • キャラクターに固有の個人目標があり、犯人を見つける(または他のプレイヤーの追求から逃げ切る)という全体目標と個人目標との間でジレンマを感じられるか。

  • ​誰を信じ、誰と情報を共有するかという点で葛藤を感じられるか。

  • 物証や証言から容疑者を数人に絞り込めるか。

  • 推理導線・動機・各キャラクターの行動などに納得感があるか。

この中に、システム面についての記載が全くありません。
また、個々の審査基準について、システム面で工夫が必要であるということも読み取れませんでした。

自分の話を少しすると、第一回の時はこのような審査基準すら記載がない状態で応募したのですが、この第二回審査基準に書かれているような点が弱いという理由で自作は落選となりました。そして第二回はというと、このような状況です。

恐らく多くの応募者は、上記の審査基準をベースに作品を作られています。また、第一回大賞作品の『奇想、アムネジア』がMYSTERY PARTY IN THE BOXシリーズから発売されたことを考慮して、意図的にそのシリーズに寄せて作っていた人さえいたと認識しています(イバラユーギさんの作品など。面白そうです)。

少なくとも自作については一次選考さえ通過しなかったし世に出すクオリティでは無かったとは思って反省しているのですが、一次選考である程度絞り込まれた作品に対して審査基準の観点と大きく異なる理由で落選となるのはあんまりじゃないかと思います。

勿論、審査基準に書いてないとはいえ、ある程度システム面を面白くする工夫やオリジナリティは必要なのは分かります。しかし今回の選考結果は明らかに審査基準に書いていないシステム面の工夫を重要視していたように感じています。そうであるならば、審査基準にそれを明記すべきです。まだ一行だけでも良いので「システム面の工夫がされていること」という文言があれば納得はいきます。

上記のような内容をふまえると、この賞にはすごくがっかりしたというのが率直な感想です。こういった賞に応募して評価してもらえることはすごく刺激的で楽しいのですが……。
この第二回で両部門から大賞が出なかったことについて、応募作だけではなく主催者側にも大いに課題があると感じました。第三回は開催されるとのことですが、今回僕が疑問に感じた内容が払拭されることを強く望みます。



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