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【洒落怖好きなら読んで欲しい】『裏バイト:逃亡禁止』【#推しのホラーマンガ】

先日「 #推しのホラーマンガ 」というハッシュタグを見かけた。普段は映画の話ばかりしてるアカウントだが、筆者はホラー漫画や小説も好きだったりする(ホラー映画はジャンプスケアが苦手なのであまり観ていない)。

面白そうなタグなので、今回は自分が読んでいるホラー漫画をお薦めしたい。それが『裏バイト:逃亡禁止』という漫画だ。

『裏バイト:逃亡禁止』は、漫画配信サイト『裏サンデー』で2020年より連載している漫画で、作者は田口翔太郎。2021年の『つぎにくる漫画大賞』のWebマンガ部門で5位に入賞している。

裏バイトとは一般の求人サイトに出回らないような特殊なバイトのことを指す。いずれの仕事も給与が異常に良い。その代わり、バイトに参加した人たちはとんでもない怪奇に遭遇する…(命を落とす可能性も非常に高い)というものだ。

バイト中の恐怖体験というのは怖い話の定番のシチュエーションだ。また、怖い話が好きな人なら「死体洗い」という怪しげなバイトの噂も聞いたことがあるだろう。身近な存在のバイトと恐怖は良い組み合わせなのかもしれない。

作中に登場するバイトは、普通に生活してたらまず遭遇しないような怪しげなバイトから、普通のバイト(業務自体は普通だが何かが起こる)など多種多様。

※作中でどんなバイトが扱われているかの一例を下にまとめてみた。

【作中で登場する裏バイトの一例】
・治験
・運び屋
・深夜警備員
・神社の巫女
・海の家スタッフ
・葬儀屋、等々…

本作の主人公である黒嶺 ユメと白浜 和美の2人が、上記に挙げたような裏バイトをこなしていく中で怪奇現象に遭遇する、というのが物語の大まかな流れである。

本作の推しポイントだが、本作はいわゆる「洒落怖」が好きな人にお薦めしたい。洒落怖とは、2ch(現5ch)オカルト板の「死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?」というスレッドの略称だ。

「くねくね」や「八尺様」、「コトリバコ」など怖い話が好きなら一度は読んだことのあるような名作を生みだしたスレッドで、大げさに言うならば現代の怪談の礎を築いたと言っても良い。

本作からは、そうした洒落怖に通じるエッセンスが感じられる。「怪奇」や「耽美」と呼ばれる雰囲気が統一されたホラー漫画と違い、何を考えてるのか分からない人の怖さ(人怖)だったり、現象そのものがよく分からなかったり、並行世界の存在など、現代ホラーの要素が詰まっている作品といえる。

コマ割りも大ゴマを使ったインパクトのある演出が特徴的。大ゴマを使った演出というと、中山昌亮先生による『不安の種』という傑作シリーズがあるが、恐らく本作も影響を受けているのだろう。

生理的嫌悪感を感じさせるビジュアルも良き

ページを捲っている(スワイプしている)と、上のようなインパクト大の大ゴマが目に飛び込んでくるから心臓に悪い。

そんな本作の雰囲気だがシリアス一辺倒という訳じゃない。劇中には笑いが散りばめられているし、登場キャラクターたちがいちいち個性的で笑いを誘う。全体的な雰囲気で言えばシュール系な作品だと思う。

白浜の後輩の橙ちゃんが特に変わってて良い。

ということで、筆者の推しのホラーマンガは『裏バイト:逃亡禁止』。気になった方は下記に試し読みのリンク(裏サンデー)を貼っておくので、是非チェックして欲しい。

3話まで無料で試し読み可能。

死体洗いってデマだよな…と思って調べたら本当にあるらしい。ただ、都市伝説化してるものとは違う模様。

記事内で触れた『不安の種』。こちらも超お薦め!!

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